日光「イタリア大使館別荘記念公園」コモ湖にも似た湖畔の美しき舘

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日光「イタリア大使館別荘記念公園」コモ湖にも似た湖畔の美しき舘

日光「イタリア大使館別荘記念公園」コモ湖にも似た湖畔の美しき舘

更新日:2018/08/26 09:41

フルリーナ YOCのプロフィール写真 フルリーナ YOC 絶景・感動探究家、旅する音楽講師

明治期より外国人避暑地文化が花開いた奥日光。イタリアのコモ湖に似た中禅寺湖畔には多くの外国人要人たちの別荘が建ち並びました。現在ではベルギー・フランス領大使館別荘が現役。イタリア・英国の両大使館別荘は役目を終え、別荘記念公園として公開されています。イタリア大使館別荘はA・レーモンド設計の杉皮を使った瀟洒な建物。和と洋の文化の融合、森と湖の風景に溶け込む佇まい…大使たちが愛した風景を旅しませんか。

ヨーロッパの気候と風景にも似た中禅寺湖畔

ヨーロッパの気候と風景にも似た中禅寺湖畔

写真:フルリーナ YOC

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奥日光は梅雨の影響を受けにくく、ヨーロッパと似た気候を持つ地。また、北イタリアのコモ湖にも似た山々と湖の美しい風景は、明治期より多くの外国人たちの保養地として愛されてきました。

「夏は外務省が日光に移る」とまで言われたかつての中禅寺湖畔。夏になると毎週のように、男体山ヨットクラブ主催のレースが開催され、各国大使も参加していました。ヨットは別荘の行き来や買い物などにも利用され、湖面を滑るヨットは夏の日光の風物詩となっていました。

ヨーロッパの気候と風景にも似た中禅寺湖畔

写真:フルリーナ YOC

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この奥日光の避暑地文化を辿っていくと、イギリス人外交官アーネスト・サトウに行き当たります。山好きの彼は奥日光に魅せられ、著書「日光案内」おいて日光を広く海外に紹介。明治29年には中禅寺湖畔に別荘を建て、その別荘は後に英国大使館別荘として使われました。

さらに昭和3年に建造されたのがイタリア大使館別荘。平成9年まで歴代の大使に使用され、現在では英国大使館別荘と共に栃木県に寄贈され一般公開されています。

ヨーロッパの気候と風景にも似た中禅寺湖畔

写真:フルリーナ YOC

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この美しい舘を設計したのは、1888年チェコに生まれた著名な建築家アントニン・レーモンド。彼は22歳の時に渡米し、1916年尊敬する近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトのもとで働きます。その後彼は一時ライトのもとを離れますが、ライトの誘いにより1919年(大正8年)帝国ホテル建設のため、ライトと共に来日。その翌年にレーモンドはライトのもとを離れ、日本に設計事務所を開設します。

レーモンドがこのイタリア大使館別荘を設計したのは昭和3年。緑の木々と湖の風景に溶け込む美しい建物です。この別荘は平成9年まで使用されていたものを当時の設計図をもとに忠実に修理・復元し、一般公開されています。

和と洋が見事に調和した美しい内装

和と洋が見事に調和した美しい内装

写真:フルリーナ YOC

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玄関で靴を脱いで屋内に入ると、暖炉を持つ食堂と書斎が中央のリビングを挟んだ形のワンルームとなっています。広々とした空間は開放感に溢れ、どの位置からも広縁の向こうに広がる中禅寺湖の絶景を一望。

和と洋が見事に調和した美しい内装

写真:フルリーナ YOC

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入口を入って右手の部屋は大使が仕事をした書斎。大使が仕事をした机も展示されています。仕事の合間に、机からふと目を上げると目の前に広がる中禅寺湖・・・祖国イタリアのコモ湖にも似た美しい中禅寺湖は、遠く祖国を離れ働く大使たちの心を、どれほど慰めたことでしょう。

和と洋が見事に調和した美しい内装

写真:フルリーナ YOC

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館内に置かれたイタリア製ソファや調度品なども美しく、イタリア人の美へのこだわりが随所に見られます。ソファはよく見ると高さが違いますが、これは高い方が男性用、低い方は女性用となっているため。

大使たちの優雅なバカンスを偲ばせる部屋

大使たちの優雅なバカンスを偲ばせる部屋

写真:フルリーナ YOC

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食堂もまた、当時の大使たちが使っていたテーブルや食器をそのまま展示。美と食を愛するイタリア人の優雅な食卓がしのばれます。

大使たちの優雅なバカンスを偲ばせる部屋

写真:フルリーナ YOC

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開放感に溢れた広縁は、ガラガラと横に引く日本式の戸。レトロな手すきガラスが、湖を美しく映します。湖は西に位置しているので、大使たちはこの広縁から、空と湖が赤く染まる美しい夕景を楽しんでいたことでしょう。そしてまた、月の光に揺らめく湖もどれほど美しいことか・・・。

この広縁では、ぜひソファに座って湖を眺めながら、ゆっくり流れる時間を楽しんでくださいね。

大使たちの優雅なバカンスを偲ばせる部屋

写真:フルリーナ YOC

2階の部屋もすべて湖が見えるように設計されています。こちらの写真は大使夫妻の寝室として使われていたブルーを基調とした「大使の間」(展望室1)。2階はこの部屋の壁のみ、当時の杉皮張りで修復、他の部屋は檜の板で修復されています。

外壁・内壁の見事な杉皮張りのパッチワークに注目!

外壁・内壁の見事な杉皮張りのパッチワークに注目!

写真:フルリーナ YOC

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イタリア大使館別荘の大きな見どころの一つは、別荘本邸と副邸(国際避暑地歴史館)の外壁・内壁そして天井。杉皮や木材を薄くはいだ“こけら板”を「市松張り」「網代張り」「矢羽張り」など多彩に組み合わせ、割竹で押さえ、見事なパッチワークに仕上げています。

躍動感あふれる石積みが美しい暖炉は、居間を挟んだ食堂と書斎の壁に備えられ、杉皮張りの文様の壁に映えて一枚の絵画のよう。

外壁・内壁の見事な杉皮張りのパッチワークに注目!

写真:フルリーナ YOC

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内部を見学したら、建物の外側にも注目を!外壁のパッチワーク模様も正面・側面とそれぞれに美しいので、ぐるりと廻ってくださいね。

外壁・内壁の見事な杉皮張りのパッチワークに注目!

写真:フルリーナ YOC

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こちらの写真は湖を望む本館と対照的に、森の中の景観を生かした「副邸」。こちらは大使に仕えた公使たちが逗留した舘。暖炉を持つ居間兼食堂・広縁・寝室・台所から成っています。改修後は「国際避暑地歴史館」となりました。


歴史館では、ヨット遊びやマス釣りなどを楽しんだ各国大使たちの避暑生活と豊かな自然、国際的な社交倶楽部を生んだ中禅寺湖の歴史や周辺の自然が、写真パネルと映像で紹介されています。

カフェコーナーやグッズショップも

カフェコーナーやグッズショップも

写真:フルリーナ YOC

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かつての休憩室は、現在はカフェコーナー・ショップとして利用。本場イタリアから直輸入のパスタソースやドリンク、英国・イタリア大使館別荘のオリジナルグッズを買うことが出来ます。

ドリンクはエスプレッソなどのカフェメニューの他、BIOのブラッドオレンジジュースやリモナータ、イタリアンジンジャーなど本場の味が揃います。

カフェコーナーやグッズショップも

写真:フルリーナ YOC

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ショップで購入したカフェやドリンクは、caffe Como で楽しめます。湖を眺めながらのカフェタイム、嬉しいですね!

また、6月1〜30日の間「国際避暑地日光 皇室・大使の別荘めぐりスタンプラリー」が開催されています。イタリア大使館別荘記念公園・英国大使館別荘記念公園・ベルギー王国大使館別荘・中禅寺湖畔ボートハウス・日光田母沢御用邸記念公園の5館をめぐるスタンプラリーで、田母沢御用邸を含む3館達成者には記念品を、5館達成者は抽選で賞品プレゼントがありますのでお楽しみに。

※イタリア大使館別荘記念公園は、平成30年7月〜12月(予定)、本邸の外壁(スギ皮)と外部建具等の改修を行います。工事中の施設内部の見学は可能ですが、建物を象徴する杉皮貼りの外壁等は見学できません。また、工事内容によっては一時的に立ち入りを制限の可能性もありますので、出かける前に日光自然博物館にお確かめください。

イタリア大使館別荘記念公園の基本情報

住所:日光市中宮祠2482
電話:0288-55-0880 (日光自然博物館)
アクセス:中禅寺温泉よりバス歌ヶ浜遊覧船発着所行きで約5分「歌ヶ浜遊覧船発着所」下車徒歩約10分
開館期間;4月 9:00〜16:00、5月〜11月10日 9:00〜17:00、11月11日〜11月30日 9:00〜16:00
休館日:6月〜10月 無休、4月・5月・11月 月曜日 (祝日の場合、翌日以降に振り替え)

2018年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/06/02−2018/06/01 訪問

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