鳩山一郎邸は、関東大震災関東大震災直後の1924(大正13)年に、一郎の友人建築家岡田信一郎の設計により建てられた鉄筋コンクリート造。所在地の地名から「音羽御殿」とも称されるイギリス様式の美しい洋館です。一郎の愛したバラが咲き誇る庭園も見事。
ロケ地として、『花より男子』『花子とアン』『リッチマン、プアウーマン』などのテレビドラマに数多く登場しています。
苗字の「鳩」にちなみ、屋敷の外壁四隅に鳩が。そして屋根の上には4羽のふくろう。ふくろうは、ギリシア神話の智と勇気の女神ミネルバの使いとされています。
邸内には、日本のステンドグラスのパイオニアとして大正時代から活躍した小川三知の作品が数多くあります。小川は慶応3(1867)年生まれで、東京美術学校で日本画を学んだ後、アメリカの工房でステンドグラスを学びました。
格調のある玄関の階段を上がり、ホールの扉を開ける前に、ぜひ後ろを振り返ってみましょう。玄関の壁の上に、羽を休めて並んでいる鳩の美しいステンドグラス!
1階の応接間の暖炉の両脇には紋章。これも3羽の鳩がデザインされています。
広い階段の踊り場には、小川三知のステンドグラスの傑作があります。法隆寺の五重塔の上空を舞う鳩の群。2017年9月の日本経済新聞「何でもランキング 秋にきらめくステンドグラス」において、国会議事堂に次いで第2位とされている作品です。塔の部分は、2枚のガラスを重ねることで立体感を出す工夫がされています。
1階の応接間2部屋と食堂は、洋風建築でありながら、360度回転する扉により3部屋を開放して使用できるように設計。広いサンルームとの間仕切りの上には、小さなステンドグラス。デザインが、日本画の花鳥風月を思い起こさせるものです。
鳩山一郎は戦後総理大臣を務め、1956年に日ソ共同宣言に調印し、旧ソビエト連邦と国交を回復した政治家です。吉田茂をはじめ数々の政治家が鳩山邸を訪れ、この部屋で打ち合わせをしている写真が残されています。中央の椅子が一郎の定位置。
鳩山会館は、邸宅としての魅力のみならず、戦前戦後の日本の政治史をたどることができる歴史的な建造物なのです。また庭園では、桜、バラ、紅葉、雪景色と東京の都心でありながら四季折々の自然を楽しむことができます。ぜひ、訪れてみましょう。
鳩山家の方々の貴重な展示物がある各記念室は、撮影禁止ですから注意してください。
住所:東京都文音羽1-7-1
電話番号:03-5976-2800
入館料:大人600円
休館日:毎週月曜日 ※毎年1〜2月と8月の3か月休館
アクセス:東京メトロ有楽町線 江戸川橋駅徒歩7分/護国寺駅徒歩8分
2018年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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