写真:カノオミツヒサ
地図を見る東京から勝浦駅までは、特急電車でおよそ90分。高速バスの場合は、2時間弱です。駅から10分ほど歩くと、高照寺に到着します。
高照寺は1480年に建てられた、日蓮宗のお寺です。お堂のなかには日蓮上人坐像、釈迦如来坐像、多宝如来坐像、四菩薩立像、文殊菩薩坐像、普賢菩薩坐像、不動明王坐像、愛染明王坐像、四天王立像がまつられています。
なかでも日蓮上人坐像は、お寺の創立と同じ文明2年に彫られ、お寺の歴史そのもの。500年以上にわたって、お参りに訪れる人を見守り続けています。
写真:カノオミツヒサ
地図を見る寺の歴史を見守っているのは、日蓮上人坐像だけではありません。境内には、千葉県の天然記念物に指定されているイチョウの大木・乳公孫樹があります。高さは約9メートル、根回りは約10メートルで、昭和初期にここを訪れた植物学者・牧野富太郎博士は「千年の年輪を数えるか」と語っています。
写真:カノオミツヒサ
地図を見るこのイチョウの木、よく見ると枝から下に伸びているものがあります。円錐形の突起は「乳柱」というもので、茎の部分が変形してこのような形になっています。大小さまざまな乳柱があり、なかには地面についてしまっているものも。全部で約100もの乳柱があることから、別名「乳イチョウ」と呼ばれています。
写真:カノオミツヒサ
地図を見るお寺にはこんな言い伝えがあります。
昔、高照寺の門前を、赤ん坊を抱いたお母さんが歩いていました。お母さんは食べるものがなくてお乳が出ず、泣き叫ぶ赤ん坊をどうすることもできないまま途方に暮れていました。僧侶はそんなお母さんに声をかけ、お経を読んであげました。すると不思議なことに、母乳が出るようになりました。
時が経って、その僧侶が亡くなったとき、お墓の隣にはイチョウの苗が植えられました。生長したイチョウの木の枝からは、乳房が垂れ下がるように。村人たちは、これを僧侶の徳と信じ、母乳不足のお母さんが参拝に訪れるようになりました。
静かにたたずむイチョウの木は、わが子の健康を望む母親の願いが、昔も今も変わらないことを物語っています。
写真:カノオミツヒサ
地図を見る子育てや、安産のご利益にあやかるため、古くから多くの参拝者が高照寺を訪れています。お寺のご朱印には、もちろん「乳公孫樹」「乳銀杏」の文字が入っています。判子の部分にはイチョウの葉がデザインされていて、参拝の良い記念となります。特にこれからお母さんになる方や、子育て中の方などは、霊験あらたかなお寺をお参りをして、ご朱印を頂いてはいかがでしょうか?
写真:カノオミツヒサ
地図を見る高照寺の門前には、「勝浦朝市発祥之地」の木碑が立っています。日本三大朝市のひとつに数えられる勝浦朝市は、天正19年(1591年)に勝浦城主・植村土佐守泰忠が開設したと伝えられており、400年以上の歴史を誇ります。
現在は水曜定休で、1〜15日までは「下本町通り」(高照寺から徒歩1分)、16日〜月末は「仲本町通り」(高照寺の門前)にて開催。時間は6時から11時頃までです。
民家の軒先に並ぶ約70の露天では、カツオをはじめとする魚介類ほか、地元農家の野菜・果物などを販売しています。訪れる観光客は年間20万人で、地元の方とふれあいながら、新鮮な食材に出会えるのが人気です。賑やかな朝市を歩けば、自然と活力がみなぎってきます。少し早く起きるだけで「三文の徳」があるかもしれません。また、付近には名物「勝浦タンタンメン」のお店がありますので、朝市散策のあとに召し上がってみてはいかがでしょうか?
みなさまもぜひ、高照寺をお参りしてみてください。
住所:千葉県勝浦市勝浦49
電話番号:0470-73-7474
アクセス:JR外房線・勝浦駅から徒歩およそ10分
2018年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/10/4更新)
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