ローカル線でお気軽ショートトリップ。希少でかわいい四日市の「ナローゲージ」に今すぐ乗ろう!

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ローカル線でお気軽ショートトリップ。希少でかわいい四日市の「ナローゲージ」に今すぐ乗ろう!

ローカル線でお気軽ショートトリップ。希少でかわいい四日市の「ナローゲージ」に今すぐ乗ろう!

更新日:2014/03/31 18:47

一灯斎 TAKEZOのプロフィール写真 一灯斎 TAKEZO

ローカル線と聞くだけで、こころ動かされる人は多いはず。
名所、旧跡、旅グルメなど、三重県四日市市の沿線の魅力は勿論のことだが、車両そのものが愛らしい「ナローゲージ」を「内部(うつべ)・八王子線」で体験してみよう。

国内に僅かしか残っていない「ナローゲージ」って何?

国内に僅かしか残っていない「ナローゲージ」って何?

写真:一灯斎 TAKEZO

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ほとんどの人は普段あまり気にしないかもしれないが、列車のレールの幅(軌間)は1435ミリ(4フィート8.5インチ)が基準。ちょうど新幹線の線路幅。
本来の意味からすればそれ以下のものは全て「ナローゲージ」ということになる。

しかし現在では、その中でも762ミリという特殊狭軌が、2フィート6インチであるところから、通称「ニブロク」と称されるものを「ナローゲージ」と呼ぶことが一般的となっているそうだ。

現在運営されている「ナローゲージ」は、富山県のトロッコ「黒部峡谷鉄道」。三重県桑名市の「三岐鉄道」。そして四日市市の「内部・八王子線」のみ。
「黒部峡谷鉄道」は観光鉄道と称してもよいものであるから、生活に寄り添う路線としての「ナローゲージ」は、もはや桑名と四日市にしか存在しない。

また「内部・八王子線」と、まとめて呼ばれることが多いが、実際は近鉄四日市駅から終点の内部駅まで、おおよそ20分余りの「内部線」と、同じく近鉄四日市駅から終点の西日野駅まで、おおよそ15分足らずの「八王子線」の2路線に分かれている。
しかし、四日市駅から赤堀駅と日永駅まで線路を共有しているのでこのように称されることが多いのだ。
ちなみに「八王子」の名は、以前西日野駅の先にあった終点の駅「伊勢八王子駅」の名に由来するもので、すでにその駅が廃止されてしまった現在でも改名されることなく残っている。

街を支えてきた影の功労者

街を支えてきた影の功労者

写真:一灯斎 TAKEZO

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この路線の発足は大正元年から。「軽便鉄道」と称され人々の生活の足として活躍してきた。

八王子線の西日野駅から1.3キロほど離れたところにある旧沿線には、現在閉鎖されてはいるものの、明治30年代に建てられたという「亀山製紙室山工場」が和洋の建築様式を取り入れた白亜の美しい姿を残し、往時の繁栄を今に伝えている。

また内部線は、宿場町であった四日市中心部を起点として、東海道沿いに施設されており、やはり開通当時には重要な交通手段として重宝されていたのだろう。

もちろん現在でもこの路線を通学・通勤の足として利用する人は少なくないが、生活と街の変化とともに人の流れも変わり、平日の朝夕以外での利用者の減少が深刻な問題となっている。

パステルカラーのコンパクトボディー

パステルカラーのコンパクトボディー

写真:一灯斎 TAKEZO

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この「内部・八王子線」の車両は、ご覧いただければ、一般の電車よりかなり幅が狭いということがお分かりになるだろう。
「ナローゲージ」762ミリの軌道に乗る電車の内部は、大柄な人なら両手を広げると両端に届きそうなほど。座席の幅も、通路もこの通り。

またその外装は全部で7色のパステルカラー。連結されているものは、全て別々の配色となっている。
どんな色があるのか、ぜひその目で確かめていただきたい。

カラフルで小さな電車は、女性もお子様もきっと好きになるはず。

歴史を尋ねる旅に出てみよう

歴史を尋ねる旅に出てみよう

写真:一灯斎 TAKEZO

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内部線の終点である「内部駅」から、南へ進むと「采女(うねめ)」というところがある。
ここには交通の難所として古くから有名な「杖衝坂(つえつきざか)」という場所があり、ヤマトタケルノミコト(日本武尊)が伊吹山の賊を討った後、病をえて杖にすがりつつ越えたと云われている。その際あまりの急こう配の辛さににもらした「自分の足が三重に曲がるほどに大変疲れた」という意味の言葉が「三重県」の名の由来とされている。

かの松尾芭蕉もこの地を訪れ、あまりの急こう配に、乗っていた馬から落ちたということが云い伝えられている。その際読まれたものが「徒歩(かち)ならば杖つき坂を落馬かな」というもので、馬に乗らず歩いていても転げ落ちていただろうというほどのものだ。

また内部駅から四日市駅方面へ少し戻ったところにある「追分駅」を下車して少し北に歩くと、写真の伊勢参宮道三大鳥居の一つと云われる「日永の追分」がある。
ここは「東海道中膝栗毛」のなかで弥次さんが、金毘羅参りの扮装をした悪人と饅頭の食べくらべをして、見事だまされてしまったということで有名だ。
今でこそ、茶店は無いものの、鳥居や1849年からの道標、常夜灯などが並び、地下からは清水が湧き出している。
水を汲むのは自由なので、ここで喉を潤し、また詰めて持ち帰るのもいいだろう。
意外かもしれないが、四日市は名水に恵まれた土地でもあるのだ。

「ナローゲージ」を愛する洋食店で地元民のココロを感じよう

「ナローゲージ」を愛する洋食店で地元民のココロを感じよう

写真:一灯斎 TAKEZO

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国内にある多くのローカル線の例にもれず、この「内部・八王子線」も赤字続きで、その存続が危ぶまれてきた。

先年より幾多の論議が繰り返された後、四日市市が保有し、実際の運営は従来通り、近畿日本鉄道が行うという「官有民営」方式がとられることになり、現在に至っている。
しかし、未だに赤字が解消されたわけではなく、今後の成り行き次第で廃止される可能性は否めない。

ここで紹介する洋食店「モンヴェール」は追分駅からほど近いところにある。
長年この路線を愛し続け、ワイン食堂列車の企画や「駅前ナロー弁当」という、軌道の幅にちなんだ762円の弁当の販売など、路線存続の為に力を尽くしている。勿論、店の雰囲気やその味の方も上々。正統派洋食店として、広い世代からの支持を受けている人気店だ。
お店の方にに余裕があれば、興味深い話が伺えるかも知れない。

「ナローゲージ」は貴重な遺産だ

いずれのローカル線にも言えることだが、鉄道はひとたび廃止されてしまうと、まず元に戻すことは出来ない。
しかし、その運営には多額の資金が必要とされる為、この路線を必要としている市民の利用だけでは存続は難しい。
市外より多くの乗降客が訪れることが望まれている。

この小さくかわいい「ナローゲージ」。

戦前、戦後の四日市市民の生活をを支えてきた貴重な鉄道と、知らなかったこの土地の歴史と魅力に触れる旅に出かけてみてはいかがだろうか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/03/02 訪問

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