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地図を見る「夏の京都は暑いだけで何もない」などと揶揄する人も少なくありませんが、京都を代表する祭・イベントは夏にあるのです。京都三大祭、そして日本三大祭のひとつ「祇園祭」は7月の一か月間行われる祭で、主に観光客が楽しむのは本祭である山鉾巡行と、その直前の宵山行事。
山鉾巡行に向けてズラリと並べられた山鉾を間近で見ることができる宵山は、コンチキチンの囃子が流れる中、浴衣で歩きたくなる情景が心を打ちます。夕暮れの繁華街、四条通周辺は歩行者天国となり多くの観光客が練り歩きます。
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https://www.photo-ac.com/そしてやはり祇園祭のメインは山鉾巡行。巨大な山鉾が祇園囃子とともに迫力の大行進をする姿は圧巻で「動く美術館」と呼ばれるほど。そのハイライトはやはり、交差点で行われる「辻回し」と呼ばれる方向転換。実は山鉾は直進でしか進めないために水をまいた竹の上で滑らせながら回転するのです。
2014年から後祭(あとまつり)が復活となり、観光客にとっては前祭(さきまつり)とあわせて祇園祭を楽しめるチャンスが2回になったのは大きなポイントですね。
<祇園祭の基本情報>
前祭山鉾巡行:7月17日 23基の山鉾が巡行
後祭山鉾巡行:7月24日 10基の山鉾が巡行
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https://pixta.jp/photo/7649984去りゆく夏を惜しむ京都の伝統行事といえば、お盆に迎えた先祖の魂を再び送り出す「大文字・五山の送り火」でしょう。夜空を紅く染める送り火を目にすればちょっとセンチメンタルな気分になります。「ザ・京都」ともいうべき大文字、やはり一度はその目で見てみたいものですよね。
<五山の送り火の基本情報>
開催日:8月16日
点火時間:大文字20:00、妙法20:05、船形20:10、左大文字20:15、鳥居形20:20
※市内各所で交通規制等が敷かれますので注意が必要
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地図を見る京都では夏越しのお祭も数多く、貴重な参加型のお祭もありますのでオススメ。下鴨神社で土用の丑の日前後に行われているのは「みたらし祭」。
足つけ神事ともいわれるこの祭は、平安時代の貴族が季節の変わり目に禊をして罪や穢れを祓っていたものを現在まで伝えているもの。真夏だというのに凍るような冷たさのみたらし川に足を浸し、ロウソクを片手に歩き献灯して無病息災を願う神事なのです。
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地図を見るみたらし祭は早朝から夜まで行われており、夕刻以降はロウソクの灯りが幻想的な空間を彩ります。下鴨神社の参道に露店も並びますし、お祭りムードが高いのは夕刻以降ですが混雑は必至。逆に神事メインで考えるなら早朝から午前中にかけてをオススメします。
<下鴨神社・みたらし祭の基本情報>
開催期間:2019年7月19日〜7月28日
時間:5:30〜22:00
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地図を見る実は「みたらし祭」は北野天満宮でも行われており、8月に「御手洗川足つけ燈明神事」が行われます。下鴨神社のみたらし祭と同じく、ロウソクを持ちながらみたらし川を歩き献灯して無病息災を願うという神事で、期間中には夜間の境内ライトアップも行われます。
<北野天満宮・御手洗川足つけ燈明神事>
開催期間:<御手洗川足つけ燈明神事>
期間:2019年8月10日〜12日、16日〜18日
時間:9:00〜20:00
初穂料:300円
新たな京都の夏の風物詩に、ということで始められた「京の七夕」。既に10回目を数え、年々会場も広がりを見せて大きなイベントに育ちつつあります。2019年度は8月1日〜31日にかけて京都府内各地で様々なイベントが行われています。
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地図を見る北野天満宮では七夕が近づくと、境内に笹飾りが並び始めます。これは7月7日の七夕を過ぎても続けられ、旧暦の七夕頃まで色とりどりの笹飾りが境内を彩ります。真夏ですが清涼感ただよう境内はついつい歩いてみたくなる情景が待っています。
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地図を見る貴船神社でも同じく七夕笹飾りが行われ、長期にわたってライトアップ拝観も行われていますのでこちらもオススメ。青もみじと共に色鮮やかな笹飾りを楽しめますよ!
<貴船神社七夕笹飾りライトアップ>
開催期間:2019年7月1日〜8月15日
時間:夕暮れ〜20:00(土日祝日のみ21:00まで)
夏の京都だからこそ、というグルメもやっぱりあります。いくつか紹介しておきましょう!
6月に入ると鮎漁が解禁になり、京都じゅうの料理屋で鮎の姿を見るようになります。「香魚(こうぎょ)」とも呼ばれる鮎は、夏にかけて主食の藻類をよく食べ、脂がのって香りも味もよいとされています。
桂川・保津川など鮎で知られる川も多く、かの北大路魯山人も京都の鮎を愛していたのだとか。そんな鮎が京都では夏を告げる魚のひとつなのです。
京都の夏の魚といえばやはり鱧(はも)を外すわけにはいきません。梅雨の雨を飲んで美味しくなるといわれる鱧が旬を迎える祇園祭は別名鱧祭ともいわれます。
輸送手段が人力しかなかったころ、瀬戸内から行商人が京都まで魚を運んできましたが、京都に着いた時に生きている魚は鱧だけだったそうです。そんな貴重な鮮魚を美味しく食べたいという願いからか「骨切り」という鱧料理独特の技術が発展したのも京都ならでは。
鱧はくせがなく上品な味なので様々な食べ方ができるのもポイント。「鱧づくし」という形で召し上がってみてください。
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https://pixta.jp/photo/16840025夏といえば、多くの京野菜が旬を迎えます。その代表格といえば「賀茂なす」や「万願寺とうがらし」ではないでしょうか。賀茂なすは丸なすの一種で食感はトロリと柔らかく、田楽などでその深い味わいを楽しみたいところ。
また万願寺とうがらしは甘とうがらしの一種で、実はピーマンとの交配種のためピーマンと肉質がそっくり。肉厚でいて柔らかく、ほんのりした甘みも特徴です。素材の良さを味わうため、シンプルに素揚げなどで味わってみて!
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https://www.photo-ac.com/実際に夏の京都に来てみて、「やっぱり暑い!無理っ!」なんていう方もいらっしゃることでしょう。そんな時には涼しい場所まで逃げてしまうのもアリ。
京都の奥座敷と呼ばれる貴船は山間部に位置しており、市内中心部よりも数度気温が低く、避暑地としても知られています。そんな貴船を流れる川に床をつくる「川床(かわどこ)」は清涼感満点!涼しい風がそよぐ床で京料理や流しそうめんをいただくと気分は爽快そのもの。同じく京都の奥座敷といわれる高雄も川床で知られています。
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https://www.photo-ac.com/京都市内を流れる鴨川沿いにも、納涼床があることで有名。鴨川では単に「床(ゆか)」と呼ばれますが、意外にも5月から9月末までのロングラン。お店も和食だけでなく、洋食や焼肉の店などもあり実にバラエティに富んでいます。5月と9月は昼間の営業もしていますのでランチ利用もアリ!
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地図を見る京都盆地から脱出して南部の宇治田原町を目指すのはいかが?ハートの窓で一躍有名になった正寿院では夏の恒例行事「風鈴まつり」が行われ、抜群の清涼感を味わえますよ!
<正寿院の基本情報>
住所:京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149
電話番号:0774-88-3601
風鈴まつりの開催期間:2019年7月1日〜9月18日
(8月17日は祭礼のため拝観休止)
秋の紅葉シーズンや春の桜シーズンとなると、京都はどこへ行っても大混雑で人気の寺社仏閣では落ち着いて拝観を楽しむことは困難。しかし夏の京都は基本的にオフシーズン。だからこそ、どこも比較的ゆっくりと観光することができるのです。ただ、外国人観光客にはあまりオフシーズンという言葉が当てはまらないので、外国人観光客に人気の寺社仏閣には注意が必要かもしれません。
そして特に気を付けたいのは祇園祭、大文字五山の送り火期間には宿泊代が非常に高くなる傾向があります。お得な夏のオフシーズン価格を狙うならこれらの日程を外して検討してみてください。逆に夏の京都のメインイベントを狙いたいなら早めの予約を!
以上をふまえて、夏ならではの京都をお楽しみください!
2019年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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