まずはその名のごとく絶壁に懸かっている姿をご覧ください。まさに壮観の一言ですよね。懸空寺は大同市の郊外にあり、大同と言えば北魏王朝の都として栄えた場所。懸空寺も北魏時代末期の6世紀に建造された仏教寺院です。
6世紀にこんな場所に寺を造ってしまう技術と発想に驚かされますよね。壮観の文字も8世紀に訪れた、日本でもお馴染みの大詩人「李白」がそう記したことにちなむとか。
今でこそ麓はきれいな公園になっており観光客が安全にアクセスできるようになっていますが、元は絶壁に囲まれた川の流れる谷間にありますから、どうやって造ったのか謎ですね。
現在は谷間はダムになっており、園内を流れる川は人工のものです。
また当時の僧侶がどうやって寺院に入ったのかも謎です。下が川として上の断崖絶壁から下ってアクセスしたのでしょうか。寺院が修行の場としてもあまりにデンジャラスな場所に建ってますね。
懸空寺のすばらしいところは中に入れてしまうところ!下から眺めるとけっこう細い(細く見える!?)木材で下支えしているようで不安になりますが、修行僧になったつもりで覚悟を決めて登り始めましょう。
ただ登るといっても崖をよじ登るわけではありません。写真左の茂みの中に階段があり、寺院の左側に接続しています。お子さんでもご年配の方でも問題なくアクセスできます。ただ寺院内部の階段はかなり急ですので注意が必要です。
もちろん中はせまいです。そのため順路が定められており一方通行になっています。岩肌を大きくくりぬいているわけじゃないんですね。奥行きはあまりなく本当に壁に懸けているイメージです。すれ違うのも大変なのできちんと順路に従ってめぐりましょう。
寺院は奥行きはないものの縦には大きく、各階層に仏像(写真禁止が多いです)が祭られており、拝むスペースも用意されています。日本の山岳信仰では登拝と呼んだりしますが、こちらは山じゃなくて崖というのが特徴ですね。なお仏像は道教や儒教の影響も受けているせいか、見慣れない姿のものが多いです。
桟道は狭く、手すりが木製でしかも腰より低い位置にあるのでかなり怖いですが、外にも目を向けてみましょう。懸空寺が相当な高さに造られていることが分かります。高所恐怖症の人には厳しいかもしれませんが、中からの眺めもまた壮観です!
行きと帰りでは違う桟道と通って帰ります。壁に刻まれた公輸天巧の文字は、紀元前8〜5世紀の春秋時代の名工である魯般(別名:公輸班)が建造したの如く優れた建築であることを褒め称える言葉です。確かにこのスリルと迫力にあふれた寺院は他所にはありませんから、この表現は当てはまりますね。
チケットは二枚に分かれており、エリアに入場するのに30元、さらに寺院に登るのに100元となっています。ただエリアに入場しなくても写真の通り遠巻きに見るだけなら無料で可能です。ただ近くで見たほうが迫力が違いますので(天下巨観ですから!)体力に自身がない人でも入場だけはした方が良いでしょう。
チケットにはいずれも「北岳恒山」と書かれていますが、これは懸空寺も含めて道教の五岳(聖地)のひとつである恒山を構成しているためです。実際に懸空寺を訪れる手段は大同からのツアーやタクシーチャーターが多いのですが、近隣の恒山の最高峰である北岳に登頂するアクティビティがセットになっているのが主流です。
ロープウェーも利用できますのでこちらの北岳(一般的には「恒山」と呼ばれています)へのトレッキングもセットで楽しんでほしいところですね。
なお大同からのツアーにしろタクシーチャーターにせよ「懸空寺」、「恒山」に世界遺産である「雲崗石窟」をセットにして巡る日帰りツアーが主流です。早朝出発して夜に大同に戻ることになるので、大同市内に一泊することになります。ツアーやチャーターを呼びかけるタクシーも城壁に囲まれた中心部ではなく、北にある大同駅付近から出発(または客引き)することが多いので、宿泊もその傍が良いでしょう。ローカルツアーもタクシー1日チャーターも300元〜です。
ただ城壁は補修されており、門から無料で登ることができますので、大同に来たら訪れて欲しいスポットでもあります。
それでは気をつけていってらっしゃいませ〜。
住所:山西省大同市渾源県金龍峡内
電話:+86-352-8333077
アクセス:大同からツアーバスまたはタクシーで約2時間
2018年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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