四国一の人道吊橋から垂直に立つ橋まで〜高知の奇妙な橋群〜

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四国一の人道吊橋から垂直に立つ橋まで〜高知の奇妙な橋群〜

四国一の人道吊橋から垂直に立つ橋まで〜高知の奇妙な橋群〜

更新日:2018/06/27 14:17

春野 公比呂のプロフィール写真 春野 公比呂 歴史研究家、郷土文筆家、郷土登山家

高知県は県土が広く、広大な海と山を擁すため、川や渓谷、海等に様々な橋が架けられています。四万十町の清流・四万十川では「沈む橋」沈下橋群が有名で、いの町の中追渓谷には川面からの高さが100mにもなる四国一高い人道吊橋があり、奈半利町には線路がない跨線橋、香南市の港の海上には垂直に近い形で立つ摩訶不思議な橋もあります。
それら奇妙な橋の周辺は景観が優れており、ご当地富士の登山や滝等も探勝できます。

最古と最新の「沈む橋」

最古と最新の「沈む橋」

写真:春野 公比呂

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「沈む橋」とは潜水橋のことで高知県では「沈下橋」と言います。川が増水して濁流によって流木等が橋に衝突した際、被害を最小限にするため、欄干や手摺りをなくした橋のことです。

最古の沈下橋は四万十町にある昭和10年建設の一斗俵(いっとひょう)沈下橋。鉄筋コンクリート造9連桁橋、橋長61m、幅員2.5m。国指定の文化財にもなっており、周辺の水田や山並み等、ロケーションも優れています。この橋は今年(2018年)上半期だけでもBSフジの「漣ぽっ」(故・大杉漣氏がナビゲーター)や「わがまま!気まま!旅気分」で紹介されています。

最古と最新の「沈む橋」

写真:春野 公比呂

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一斗俵沈下橋のすぐ下流には四万十町では最も新しく、四万十川上流域では最長の沈下橋「清水大橋」こと、清水ケ瀬沈下橋が架かっています。全長102.1m、幅2.8mで、昭和40年の建設。この辺りは浅瀬の早瀬で、白い飛沫を上げています。また、東岸の水田のトラクターが通った跡は幾何学模様にも見えます。

最古と最新の「沈む橋」

写真:春野 公比呂

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一斗俵と清水ケ瀬沈下橋は四万十源流大橋西袂の一斗俵沈下橋駐車場を基点に回遊できるのですが、大橋の西方には「松葉川富士」こと枝折山(806m)の登山口があります。マイナー峰だけに展望はあまり良くないのですが、秀麗な山容に登頂欲がそそられます。
尚、図示は登山口を指しています。

<一斗俵・清水ケ瀬沈下橋の基本情報>
所在地:高知県高岡郡四万十町壱斗俵から米奥にかけて
無料駐車場: 四万十源流大橋西袂と一斗俵沈下橋北袂にあり
問合せ先: 0880-29-6004(四万十町観光協会)
アクセス: 高知自動車道四万十町中央ICから車で約15分

渡れない四国一高い人道吊橋

渡れない四国一高い人道吊橋

写真:春野 公比呂

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平家の落人伝説が残るいの町中追にある中追渓谷の翠嵐峡に、四国一の高さを誇る人道吊橋「夢の吊橋」があります。橋に立つと目もくらむ谷底を見下ろすことができますが、現在、通行禁止となっています。それは渓谷を管理していた中追渓谷観光社が’00年代初頭、廃業したからです。それでも真下の道路や北下に架かる翠嵐橋から見上げると断崖の峡谷と共に迫力を感じます。

渡れない四国一高い人道吊橋

写真:春野 公比呂

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夢の吊橋袂からは翠嵐橋やレジャー施設時代の建物群を見下ろすことができます。

渡れない四国一高い人道吊橋

写真:春野 公比呂

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渓谷観光社が廃業して以降、渓谷内の各遊歩道は廃れていったのですが、現在、跡地に老人ホームが建っており、その施設の厚意で施設周辺の遊歩道は歩けるようになっています。写真は支流に懸かる清浄の滝。本流に架かる遊歩道の橋の下も歩けるようになっており、渓流の涼風を肌で感じることができます。

<中追渓谷の基本情報>
所在地:高知県吾川郡いの町中追
渓谷開放時間:概ね9:00〜17:30
※探勝は施設の迷惑にならないよう、静かに行って下さい。
アクセス: 高知自動車道伊野ICより車で約30分

住宅街に残る魚梁瀬森林鉄道廃線跡

住宅街に残る魚梁瀬森林鉄道廃線跡

写真:春野 公比呂

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跨線橋とは鉄道の線路を跨ぐ橋のこと。しかし奈半利町にある法恩寺跨線橋の下には線路がなく、車も通行していません。実はこの昭和8年に建造された橋、昭和38年に廃線となった魚梁瀬(やなせ)森林鉄道奈半利川線の跨線橋なのです。この橋を含め、各地に残る鉄橋や隧道は平成21年、廃線跡では全国初となる国の重要文化財指定を受けました。

住宅街に残る魚梁瀬森林鉄道廃線跡

写真:春野 公比呂

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橋の上は階段になっていますが、この橋は丘の上にある三光院の参道なのです。橋の高さは4.9mあり、廃線跡を一望することができます。

住宅街に残る魚梁瀬森林鉄道廃線跡

写真:春野 公比呂

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廃線跡を南東に少し進めば未舗装の草地になり、国道55号下の箱型隧道に入って行き止まりとなります。この隧道は文化財指定を受けていませんが、それは石造りや煉瓦造りではなく、コンクリート造りだからでしょう。

<法恩寺跨線橋の基本情報>
所在地:高知県安芸郡奈半利町乙
問合せ先: 0887-38-8188(奈半利町教育委員会)
アクセス:土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線奈半利駅より高知東部交通バスに乗車し、「貯木場西入口」降車、徒歩数分。

踏切のある橋と錦戸亮のロケ地と龍馬

踏切のある橋と錦戸亮のロケ地と龍馬

写真:春野 公比呂

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垂直に近い形で立つ橋とは、香南市の跳ね上げ式の橋「手結(てい)港可動橋」のこと。港に出入りする船を通すため、一日何回か垂直に近い角度まで橋が上がるため、正面から見ると橋が立っているように見えるのです。
この橋は2017年春、車のテレビCMに登場した他、前述の「漣ぽっ」他、旅番組で取り上げられることも多くなってきました。

踏切のある橋と錦戸亮のロケ地と龍馬

写真:春野 公比呂

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観光客がこの橋を見て驚くのは、橋というよりも道路が途中で切れて上がっているように見えることと、橋が上がる前、踏切と同じ警報機が鳴り響いて遮断機が下りるため。

踏切のある橋と錦戸亮のロケ地と龍馬

写真:春野 公比呂

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橋の北袂東方には錦戸亮主演映画「県庁おもてなし課」のロケ地があります。船越英一郎演じる元県庁職員・清遠和政の実家「民宿・きよとお」となった清遠商店です。何と、映画での民宿名と実際の商店名が偶然同じだったのです。これにはロケ班もびっくり。

商店前では錦戸亮演じる県庁職員が和政の娘(関めぐみ)に水を浴びせられるシーンが撮影されました。因みに商店前を通る道路は坂本龍馬が安田町の義兄に会いに行くため、何度も通った土佐東街道です。

<手結港可動橋の基本情報>
所在地: 高知県香南市夜須町手結
無料駐車場:9台分
問合せ先: 0887-57-7520(香南市商工水産課)
アクセス:車利用時は高知自動車道高知ICから30分。鉄道利用時は土佐くろしお鉄道夜須駅下車、徒歩9分。

土木建築物巡りという観光

一般の観光に飽きた方は、近代化遺産や産業遺産等の土木建築物を巡ってみるのも面白いでしょう。その一つが橋なのです。
四万十町のホームページでは、四万十川の沈下橋一覧を掲載し、四万十川観光の目玉の一つにしています。
中追渓谷の夢の吊橋が渡れないのは残念ですが、周辺の深い峡谷と一体化した景観は秘境感さえ漂っています。渓谷には昭和期、ゴンドラやジェットコースターもありました。

奈半利町を含む中芸地域では、魚梁瀬森林鉄道やユズなどからなる文化・景観が「森林鉄道から日本一のゆずロードへ」として平成29年、日本遺産に認定されました。それを受けて今後、各種旅行商品が開発されるので、廃線跡やフルーツファンの方は期待していて下さい。

廃線跡は手結港可動橋の上方にもあります。土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の前身で昭和49年に廃線となった土佐電鉄安芸線です。現在はサイクリングロード「県道高知・安芸線自転車道」になっており、潮風を受けて太平洋を眺めながら軽やかにペダルをこぐことができます。

2018年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2011/03/13−2018/05/04 訪問

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