ベトナムの京都フエを巡る!2泊3日の王道観光モデルコース

ベトナムの京都フエを巡る!2泊3日の王道観光モデルコース

更新日:2018/08/08 11:05

沢木 慎太郎のプロフィール写真 沢木 慎太郎 放送局ディレクター、紀行小説家
ベトナム中部のダナン、ホイアン。LCCの増便で最近、人気急上昇中の観光スポットです。しかし、この近くにフエという美しい街があるのをご存知でしょうか?ベトナム最後の王朝があった古都で、ベトナム初の世界遺産に登録。“ベトナムの京都”とも呼ばれ、ホーチミンやハノイからもLCCが就航。そこで、フエ初心者向きの2泊3日・基本観光モデルプランをご紹介。ダナンやホイアンから足を延ばしての観光もおすすめです。

【1日目夕方〜】フエの名物料理ブンボー、グエン朝王宮(Dai Noi)の夜景を楽しむ

【1日目夕方〜】フエの名物料理ブンボー、グエン朝王宮(Dai Noi)の夜景を楽しむ

写真:沢木 慎太郎

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ベトナム中部にあるフエ。ベトナム最後の王朝、「グエン朝(阮朝)」の都として栄えた古都です。日本でいえば京都や奈良のような情緒が漂う街。「グエン朝王宮跡」など、旧市街にある寺院や博物館などがベトナム初の世界遺産として登録(フエの建造物群)されています。

初日は夕方までに到着して、のんびり街歩きを楽しみましょう。グエン朝王宮跡がある旧市街地は碁盤の目のような方形都市で、フランス式の星型城郭が街を取り囲んでいます。

【1日目夕方〜】フエの名物料理ブンボー、グエン朝王宮(Dai Noi)の夜景を楽しむ

写真:沢木 慎太郎

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やがて日が暮れ、夜になると「グエン朝王宮」(Dai Noi)正門の「午門」がライトアップされます。明日からの観光も兼ねて軽く散策。旧市街は深い闇がしっとり包み、「午門」や「フラッグ・タワー」が幻想的な光に包まれます。このあたりは地元のカップルたちのデートスポット。

【1日目夕方〜】フエの名物料理ブンボー、グエン朝王宮(Dai Noi)の夜景を楽しむ

写真:沢木 慎太郎

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フエの人口は約30万人。それほど大きな街ではなく、鎌倉や金沢、飛騨高山といった“小京都”のイメージ。フォン川をはさんで、旧市街地と旧市街地に分かれます。城壁に囲まれた旧市街に対し、新市街地には2000円前後で泊まれるホテルが多く、高級ホテルのインペリアルホテルでは宮廷料理や宮廷音楽を楽しむことも。

ハノイやホーチミンと違って、のんびりのどかな時間が感じられるのがフエの魅力。初日の夜は、新市街地で学生たちが通う屋台街でローカルフードを楽しむのがおすすめです。ベトナムの料理はフォーやブンチャー、バインミーが有名ですが、フエの名物料理はブンボー(写真)。牛と豚でじっくり煮こんだスープは深いコクがあり、酸っぱくてピリッと辛い。

【2日目午前〜】古都フエの最大観光スポット「グエン朝王宮跡」を巡る

【2日目午前〜】古都フエの最大観光スポット「グエン朝王宮跡」を巡る

写真:沢木 慎太郎

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2日目朝は、フエで最大の観光スポット「グエン朝王宮」へと出かけましょう。王宮は、映画「ラストエンペラー」で知られる中国・北京の紫禁城をモデルに造られ、その大きさは4分の3ほど。美しい建築群が見られ、ベトナム最後の王朝にふさわしい風格があります。写真は、即位式などが行われた「太和殿」ですが、なんとなくラストエンペラーっぽいですね(笑)。

【2日目午前〜】古都フエの最大観光スポット「グエン朝王宮跡」を巡る

写真:沢木 慎太郎

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フエは古くは中国・古代王朝(前漢)の首府が置かれ、1802年から1945年までグエン王朝が都を築き、華麗な宮廷文化を開花させました。

しかし、諸外国の脅威は、日本の文明開化のように先進的な文化を学んで近代化を図ろうとする意識を高め、その思想は建築様式の融合にも見られます。中国様式やヨーロッパのバロック式建築に加え、ベトナムの伝統的な建築様式が重なりあい、この独自の美しさがグエン朝王宮の魅力。ゆっくり見学しましょう。

【2日目午前〜】古都フエの最大観光スポット「グエン朝王宮跡」を巡る

写真:沢木 慎太郎

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写真は、“紫禁城”と呼ばれる王宮の最深部。19世紀のフランスからの攻撃やベトナム戦争で被害を受け、建物の多くは破壊されましたが、今も修復作業が進められています。多くの戦禍をくぐり抜けてきたフエの遺跡は、そこはかとない寂しさや美しさが感じられます。

【2日目午後〜】世界遺産のフエ遺跡群!ミンマン帝陵などボートツアーで遺跡巡り

【2日目午後〜】世界遺産のフエ遺跡群!ミンマン帝陵などボートツアーで遺跡巡り

写真:沢木 慎太郎

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午後からは、フエ郊外へと出かけましょう。青々とした緑を映し、ゆったり流れるフォン川(写真)。川沿いには、グエン朝王宮で過ごした歴代皇帝の帝陵(お墓)が点在し、世界遺産に登録された多彩な史跡群を見ることができます。

フエ郊外の史跡巡りは、旅行各社のボートトリップに参加するのがお手軽で人気。船でフォン川を下りながら、世界遺産の史跡を巡るツアーです(料金は6000円〜)。一方、グエン王宮の受け付けでは、旅行者にお得なセットチケットを販売しています。

【2日目午後〜】世界遺産のフエ遺跡群!ミンマン帝陵などボートツアーで遺跡巡り

写真:沢木 慎太郎

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フエの世界遺産のうち、代表的な5カ所は「グエン王宮」「ミンマン帝陵」「トゥドック帝陵」「カイディン帝陵」「ティエンムー寺院」。

王宮以外で人気があるのは、2代皇帝のミンマン帝陵(写真)。フエ屈指の美しさと言われ、デコラティブな中国様式の建築が見られます。

【2日目午後〜】世界遺産のフエ遺跡群!ミンマン帝陵などボートツアーで遺跡巡り

写真:沢木 慎太郎

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こちらもミンマン帝陵。中国様式の建物には数多くの詩文が美しく彫刻され、グエン王朝の最盛期を感じさせる威風堂々とした姿が感じられます。

旅のコツとしては「ミンマン帝廟」「カイディン帝廟」以外はフエ市内に集中しているので、レンタルサイクル(料金は約150円)で巡るのもおすすめです。

【2日目夕方〜】レンタサイクルで旧市街巡り!ドンバ市場、ナイトマーケットはおすすめ

【2日目夕方〜】レンタサイクルで旧市街巡り!ドンバ市場、ナイトマーケットはおすすめ

写真:沢木 慎太郎

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フエ郊外の史跡を巡ったら、今度は旧市街巡りを楽しまれてみてはいかがでしょうか? 旧市街は城壁に囲まれ、内堀と外堀、運河が複雑に入り組んでいます。緑豊かで風景が美しく、多くの見どころがあります。レンタサイクルを使うと効率よく巡ることができます。

【2日目夕方〜】レンタサイクルで旧市街巡り!ドンバ市場、ナイトマーケットはおすすめ

写真:沢木 慎太郎

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旧市街巡りでおすすめのスポットは「ドンバ市場」。巨大なマーケットには生鮮食品だけでなく、雑貨やアオザイなどが所狭しと並べられ、フエの人々の暮らしが肌で感じられます。市場内には屋台も多く、バインベオ(小皿蒸し)やバイン・ボッ・ロック(エビのタピオカ蒸し)といったフエの名物料理を食べることができます。

【2日目夕方〜】レンタサイクルで旧市街巡り!ドンバ市場、ナイトマーケットはおすすめ

写真:沢木 慎太郎

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旧市街と新市街を結ぶ「チャンディエン橋」。新市街側の橋のたもとでは観光旅行者向きの幻想的なナイトマーケットが開催。小屋風のお土産屋さんが軒を連ねています。かわいい雑貨が多く、ベトナムのお土産探しにおすすめ。夕暮れの気配が舞い降りたフォン川を見ながら、フエのショッピングを楽しみましょう。

【2日目夜】インスタ映え!フォトジェニックなフエの夜景を巡る

【2日目夜】インスタ映え!フォトジェニックなフエの夜景を巡る

写真:沢木 慎太郎

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2日目の夜は、フエの聖なる夜をもっと楽しみましょう。さきほどご紹介した「チャンディエン橋」は、夜になればカラフルなライトアップが行われます。川には色とりどりの屋形船が浮かび、風流な夜を過ごすことができます。

【2日目夜】インスタ映え!フォトジェニックなフエの夜景を巡る

写真:沢木 慎太郎

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一方、チャンディエン橋と並行する橋が「フースアン橋」。フラッグ・タワーから一番近い場所にある橋です。ここは穴場の夜景スポット。蓮をイメージした光のオブジェが川に浮かび、まるで“灯ろう流し”のよう。愁いを帯びた美しいイルミネーションに旅愁を誘われます。

【2日目夜】インスタ映え!フォトジェニックなフエの夜景を巡る

写真:沢木 慎太郎

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フースアン橋からほど近い場所にある「フラッグ・タワー」も夜景スポット。城壁を取り囲む堀の水面に揺れるイルミネーションも美しく、インスタ映えするフォトジェニックスポットです。

新市街から、王宮のある旧市街へは歩いて20〜30分程度。2日目は夜のフエを満喫し、帰国や移動は3日目の早朝に当ててみてはいかがでしょうか?フエ市内の屋台は朝5時ごろから営業している店が多く、3日目朝は最後のギリギリまでフエでブンボーを味わうのもおすすめです。

4つの世界遺産を巡る!ダナンやホイアンへの観光旅行もおすすめ

“ベトナムの京都”と呼ばれるフエ。2泊3日のフエ観光モデルコースはいかがだったでしょうか?

本文でご紹介したフエ郊外の史跡巡りについては、旅行者にお得なセットチケットがあります。グエン王宮の受け付けでは、「3カ所セット券」(王宮・ミンマン帝陵・カイディン帝陵)が大人28万ドンで、「4カ所セット券」(王宮・ミンマン帝陵・カイディン帝陵・トゥドック帝陵)が大人36万ドンで売られています。いずれも購入日から2日間有効。

フエはハノイから南に約700キロメートル(フエのフーバイ空港まで所要時間約1時間10分)、ホーチミンから北に約1000キロメートル(同約1時間20分)に位置。LCC(格安航空会社)がそれぞれ国内線として就航しています。また、列車ではハノイからフエまで所要時間約13時間、ホーチミンからフエは約20時間。

フエはベトナム中部にある4つの世界遺産(フォンニャケバン国立公園、フエの建造物群、ホイアンの街並み、ミーソン遺跡)の中心地にあり、ダナンやホイアンを含めた長期の観光旅行にもおすすめです。

2018年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/06/17 訪問

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