写真:井伊 たびを
地図を見る「薬研堀不動院(やげんぼりふどういん)」は、地下鉄都営浅草線「東日本橋駅」下車、B3出口より歩いて3分という、アクセスが抜群にいいお寺さんだ。古くから目黒不動、目白不動と並んで“江戸三大不動”のひとつとして知られ、「江戸名所図会」など多くの文献に紹介されている。
そもそも、ご本尊の“不動明王”は、1137年(保延3年)に、真言宗中興の祖と仰がれた興教大師・覚鑁(かくばん)上人が、43歳の厄年を無事に終えられた御礼として、紀州の根来寺(ねごろじ)に安置されたものである。
その後、1585年(天正13年)、豊臣秀吉軍勢の兵火から逃れるため、根来寺の大印僧都(だいいんそうず)が、そのご尊像をつづらに納め、大切に守護すべく背負って、遠路はるばる東国に下った。1591年(天正19年)に、隅田川のほとりのこの地を“霊地”と定め、堂宇を建立した。これが現在の「薬研堀不動院」のはじまりだとされている。
写真:井伊 たびを
地図を見る「薬研堀不動院」は、1892年(明治25年)川崎大師(かわさきだいし)の東京別院となり、現在にいたっている。川崎大師といえば、“厄除けのお大師さま”として多くの人から親しまれ、“厄除弘法大師”をご本尊とする。成田山新勝寺や、高尾山薬王院とともに、真言宗智山派(しんごんしゅうちさんは)の寺院である。
また、ここ「薬研堀不動院」は、順天堂の学祖と仰がれている蘭方医・佐藤泰然(さとうたいぜん)が、1838年(天保9年)に“和蘭医学塾(オランダいがくじゅく)”を開講した場所でもある。
写真:井伊 たびを
地図を見る見あげるほどの階段だが、ビルの中三階程度で意外と難なく上ることができる。上り着けば、お堂前に設えられた「おみくじと護摩木の棚」に目がとどく。
真言密教の秘法として“お護摩”がある。ご本尊の不動明王の御前に護摩壇を設え、香華、五穀、供物を供え、この護摩木を焚く。不動明王の知恵の火で、信徒の煩悩を焼き清め、大厄を消除し、家内安全、商売繁盛、心願成就のご利益が授かれる。
こじんまりした堂内には、気軽に入りこめるメリットがある。真近にお不動さんを拝みながらお護摩祈願ができる。こちらでは自動車交通安全祈祷も受けることができる。
写真:井伊 たびを
地図を見るお加持された“お護摩札”は、不動明王の霊験が宿ったお札。家の清浄な場所に安置すれば、家内安全、災厄消除、健康長寿などのご利益がある。
写真:井伊 たびを
地図を見る「薬研堀不動院」は、関東三十六不動霊場の第二十一番札所であり、御府内八十八ヶ所第二十三番札所でもある。
毎年、12月26日から28日の三日間、“納め不動”がおこなわれる。期間中は、薬研堀不動尊歳の市保存会主催の「納めの歳の市」や、「問屋街の大出庫市」が催される。
住所:東京都中央区東日本橋2-6-8
電話番号:03-3866-6220
アクセス:地下鉄都営浅草線「東日本橋駅」B3出口より徒歩3分
2018年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事を書いたナビゲーター
井伊 たびを
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