雛壇状に並ぶ幾何学的な美しさは必見!日南市「坂元棚田」

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雛壇状に並ぶ幾何学的な美しさは必見!日南市「坂元棚田」

雛壇状に並ぶ幾何学的な美しさは必見!日南市「坂元棚田」

更新日:2018/07/05 10:20

沢原 馨のプロフィール写真 沢原 馨

宮崎県日南市の西奥、酒谷地区の山間に「坂元棚田」と呼ばれる棚田が横たわっています。「日本の棚田百選」にも選ばれている棚田ですが、細長い水田が雛壇状に並ぶ姿は一般的な“棚田”のイメージとは違い、幾何学的な美しさが魅力。棚田の中から望む景観も雄大で素晴らしいものです。6月の田植えから10月の稲刈りまで、棚田は美しい稲作の景観を見せてくれます。「坂元棚田」を訪ねてみましょう!

整然と並ぶ水田の幾何学的な美しさを味わおう!

整然と並ぶ水田の幾何学的な美しさを味わおう!

写真:沢原 馨

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「坂元棚田」は日南市の西部、山深い酒谷地区の、さらに山間に分け入った坂元地区に位置しています。北には小松山が聳え、その山裾、南西側斜面に設けられた棚田が「坂元棚田」です。

「坂元棚田」は比較的新しいもので、造られたのは昭和の初期。大正の末から測量が始まり、本格的な工事が開始されたのは昭和3年(1928年)、完了まで5年を費やしました。国の補助を受け、多額の費用をかけた大事業でした。

整然と並ぶ水田の幾何学的な美しさを味わおう!

写真:沢原 馨

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一般的に“棚田”と言えば、曲線で構成された形状の大小さまざまな水田が、山間の傾斜地に不規則に並んだ風景を思い浮かべますよね。「坂元棚田」は、そうした一般的な“棚田”とはかなりイメージが違います。

「坂元棚田」では基本的に細長い長方形の水田が、緩やかな傾斜地に雛壇状に並んでいます。石垣を築いて斜面に平坦地を設けて水田を造り、それらが規則的に並んで棚田を成しているのです。このように整備された棚田は全国的に見ても他に類例のないものです。その景観は幾何学的な美しさを感じさせつつ、緑の山々の中に“人工物”としての存在感を放っています。その存在感が、他の棚田にはない、独特の興趣を漂わせています。

整然と並ぶ水田の幾何学的な美しさを味わおう!

写真:沢原 馨

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棚田の中を辿る農道を歩けば、「坂元棚田」の美しい景観を存分に楽しむことができます。斜面の下方から見上げたり、上の方から見渡してみたり、棚田はさまざまな表情を見せてくれて飽きることがありません。時間をかけて散策し、その美しさを味わってほしいと思います。

「坂元棚田」が築かれた当時は、まだ馬耕農業の時代でした。一枚当たり約5アールという水田の面積や、畦道の幅などもすべて馬(牛)耕を前提にして造られています。この後、日本の農業は機械化の時代を迎え、馬耕を前提にした水田は姿を消してゆくのです。そうしたことも念頭に置いて見学してゆくと、より理解が深まります。

素朴な石積みや水路に先人たちの日々を思う

素朴な石積みや水路に先人たちの日々を思う

写真:沢原 馨

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傾斜地に水田を造るために築かれた石垣にはすべて現地の石が使われました。自然石と大石を割ったものとを使って積み上げてゆくには高度な技術が必要で、専門の技術者が雇われて工事が始められましたが、やがて地元の人たちが見よう見まねで技術を習得、このような棚田が造られていったのです。

石垣が斜面に規則的に並ぶ姿も美しく、「坂元棚田」に特徴ある景観を与えています。石垣を間近に見学し、地元の人たちが石積みの技術を習得していった日々に思いを馳せるのも楽しいひとときです。自分たちの暮らす土地に水田を開くのだという思いから、集落の人たちが一丸となって工事に当たったのでしょうね。

素朴な石積みや水路に先人たちの日々を思う

写真:沢原 馨

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水田には豊富な水が不可欠。もちろん灌漑用水の工事も行われました。棚田の中には幾筋もの水路が流れています。水路を流れる清らかな水は小松山を水源にした谷川から引かれたもの。石組みの水路も素朴で美しく、澄んだ水の流れが涼やかな印象を与えてくれます。

素朴な石積みや水路に先人たちの日々を思う

写真:沢原 馨

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棚田は雛壇状に並んでいますから、上段の水田の水路から下段の水路へ、用水は小さな滝となって流れ落ちていきます。棚田の中には、そんな“小さな滝”をいくつも見ることができます。その姿が何とも興趣に富んでいて素敵です。散策しながら、そんな風景も楽しんでくださいね。

棚田の中から望む雄大な景観も魅力!

棚田の中から望む雄大な景観も魅力!

写真:沢原 馨

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「坂元棚田」の築かれた斜面は標高250mほどのところに位置しています。斜面の上方から下方に視線を向ければ、棚田の向こうには重畳する山々を望み、見渡す限りに緑濃い風景が広がります。雄大さを感じさせる景観は“絶景”と言ってよいものです。素晴らしい眺望ですよ。

棚田の中から望む雄大な景観も魅力!

写真:沢原 馨

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斜面の上方を振り返れば、棚田と杉林の向こうに小松山から連なる山々の頂上部が望めます。この小松山が日南市の最高峰、頂上は標高988.8m。棚田の中から見上げる小松山、ぜひ眺めてみてください。

「坂元棚田」を俯瞰!展望台からの景観も楽しもう!

「坂元棚田」を俯瞰!展望台からの景観も楽しもう!

写真:沢原 馨

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「坂元棚田」のある斜面は、傾斜が比較的緩やかであるため、最上部に立っても棚田の全容を見ることができません。棚田の全貌を見るには、いったん棚田から離れ、棚田の南東側に相対する山の中腹に設けられた展望台に足を運ぶ必要があります。

展望台からは「坂元棚田」の全体像を俯瞰することができ、小松山中腹の斜面に築かれた棚田の様子がよくわかります。「坂元棚田」を紹介する記事などでも、この景観を撮影した写真が使われることがほとんどです。双眼鏡などを携えていくと、より楽しめますよ。

「坂元棚田」を俯瞰!展望台からの景観も楽しもう!

写真:沢原 馨

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この斜面は棚田が築かれる前から起伏の少ない、なだらかな斜面で、集落の家々の屋根を葺く茅(かや)を刈るための「茅場」と呼ばれる場所でした。四季折々に野の花が咲き、子どもたちの遊び場でもあったそうです。展望台から望む風景の中に、その頃の姿を想像してみるのも一興かもしれません。

「坂元棚田」で美しい稲作の風景を見よう!

「坂元棚田」で美しい稲作の風景を見よう!

写真:沢原 馨

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「坂元棚田」は日南市西部の山深いところに位置しています。公共の交通機関で訪れるのはたいへんに不便、と言うより、ほぼ無理。訪れるには車やバイクなどの使用が必須と言っていいのです。空路や鉄道で宮崎を訪れた方なら、レンタカーを利用するか、JR日南線飫肥駅からタクシーを利用するといいでしょう。「坂元棚田」には棚田の下方と上部、展望台にそれぞれ観光用駐車場が用意されています。

「坂元棚田」には国道222号の「道の駅酒谷」近くから、国道を逸れて山間に分け入っていかなくてはなりません。道は狭く、カーブも多いのでくれぐれも慎重な運転をお願いします。

「坂元棚田」で美しい稲作の風景を見よう!

写真:沢原 馨

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日南市の平野部の水田では3月頃に田植えを行い、8月上旬までに稲刈りを済ませる「早期栽培」が通常ですが、「坂元棚田」は6月上旬に田植え、10月中旬に稲刈りを行う「普通期栽培」です。夏に訪れれば、青々と稲の育った水田を見ることができるでしょう。田植え直後の水田や稲穂の実った初秋の水田も、それぞれに味わいがあって美しいものです。「日本の棚田百選」のひとつ、「坂元棚田」。訪ねてみませんか。

坂元棚田の基本情報

住所:日南市大字酒谷甲坂元
電話番号:0987-31-1134(日南市観光協会)
アクセス:日南市中心部から国道222号を西進、JR日南線飫肥駅前から約17km

2018年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/08/10 訪問

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