写真:風祭 哲哉
地図を見るいわゆる「祖谷のかずら橋」として知られるひとつめのかずら橋があるのは徳島県三好市の西祖谷地区。最寄りのJR大歩危(おおぼけ)駅のホームに降りると、かずら橋のミニチュアが出迎えてくれます。
祖谷のかずら橋へは、この大歩危駅でバスに乗り換えて20分少々ですが、日本有数の秘境と言われる祖谷渓(いやだに)へと向かう道はいきなり厳しい峠越えとなり、初めての方はびっくりすることでしょう。ただし最初のかずら橋までの道は2車線の舗装道路が通じていますので、マイカーの方でもさほど心配はありません。
路線バスの方は「かずら橋」停留所横の坂を下ると、また、マイカーの方は「かずら橋夢舞台」と呼ばれる観光施設に車を停めると、ともに徒歩数分でかずら橋の入口に到着します。
「祖谷のかずら橋」は長さ45メートル、幅2メートルの吊り橋で、水面からの高さは14メートル。「かずら」というのは「シラクチカズラ」と呼ばれるつる植物のことで、この橋には約6トンのシラクチカズラが使われているそうです。
写真:風祭 哲哉
地図を見るこのかずら橋、パッと見ただけだとそれほど怖い橋のようには見えませんが、実際に渡ってみるとスリル満点。足場となる木の間隔が広いので、足元から谷底がはっきりと見え、一歩踏み出すたびに頼りなさそうにゆらゆらと揺れるからなのです。シーズン中、多くの観光客が渡っている時など、常に揺れているので、高所恐怖症の人にはかなり厳しい修業になると思います。
提供元:写真AC
https://www.photo-ac.com/せっかくかずら橋まで来たんだから、と何歩か踏み出してみたものの、真下に流れる祖谷川の谷を見て「やっぱりこれは渡れないっ!」という方もいることでしょう。そんな方はどうすればいいのでしょうか?
提供元:三好市観光サイト大歩危・祖谷観光NAVI
http://www.miyoshinavi.jp/そんなときはあきらめて引き返しましょう。橋の途中で動けなくなったら大変ですので、早めの決断が肝要です。
幸いなことにかずら橋の近くから河原へと降りる道がありますので、地に足をつけてじっくりこの祖谷の美しい風景を楽しむこともできます。
提供元:徳島県観光協会「阿波ナビ」
https://www.awanavi.jp/かずら橋は、新緑も紅葉も雪景色も似合う場所。橋が渡れなくたって楽しむことができますよ。祖谷のおいしい空気を思いっきり吸いながら、へっぴり腰で橋を渡る家族や友達の写真でも写してあげようじゃないですか!
またかずら橋のすぐ近くでは平家の落人たちが昔の古都の生活をしのびながら滝の下で琵琶を奏でたと伝えられている「琵琶の滝」も見ることができます。
<祖谷のかずら橋 基本情報>
住所:徳島県三好市西祖谷山村善徳162-2
電話:0120-404-344(三好市観光案内所)
営業時間:日の出〜日没(無休)
アクセス:JR大歩危駅より四国交通バスで「かずら橋」バス停下車徒歩5分、または井川池田ICより車で約1時間
写真:風祭 哲哉
地図を見る「祖谷のかずら橋」から東へ約30キロ、日本有数の秘境と呼ばれる祖谷渓の、さらに奥の奥にあるのが「奥祖谷二重かずら橋」。そんなふうに聞くと「どんだけ山奥なんだ!」とお思いでしょうが、本当に山奥です。覚悟して下さい(笑)
「祖谷のかずら橋」から先は、日本有数の酷道と呼ばれる国道439号(通称:酷道ヨサク)の、すれ違いも困難な山道を行くことになりますので、運転に自信のない方は、路線バスかタクシーがいいかもしれません。
写真:風祭 哲哉
地図を見るこの標高約1000メートルの高地にある深い谷底に、2つのかずら橋がかかっていることから、ここは「奥祖谷二重かずら橋」と呼ばれています。またここには2つのかずら橋のほかに「野猿」と呼ばれる人力ロープウェイがあるのも特徴です。
写真:風祭 哲哉
地図を見る奥祖谷二重かずら橋は約800年前、平家の一族が剣山平家の馬場での訓練に通うためかけたといわれています。男橋と女橋という2本の橋があるため「夫婦橋」とも呼ばれています。
男橋は長さ42メートル、幅2メートルで水面からの高さは12メートル。祖谷のかずら橋をややコンパクトにしたサイズですが、橋の上に立った時のスリルはほとんど変わりません。
写真:風祭 哲哉
地図を見るもうひとつの女橋は長さ22メートル、幅1.2メートルで高さは4メートル。今までのハードな2つにくらべると、こちらのかずら橋はずいぶんソフトに感じます。軽い高所恐怖症の方なら、女橋にはなんとかチャレンジできる・・・かもしれませんね。
写真:風祭 哲哉
地図を見るいやいややっぱりそれでも怖い、という方はその女橋の隣りにある「野猿」はいかがでしょうか?屋形と呼ばれる木製の籠に乗り、手でロープをたぐり寄せながら渓谷を渡る姿が猿に似ていることからそう呼ばれています。
「野猿」の動力は100%人力となりますので動かすのには結構な力が必要ですが、ほかではなかなかできない体験ですよ。
<奥祖谷二重かずら橋の基本情報>
住所:徳島県三好市東祖谷菅生620
電話:0120-404-344(三好市観光案内所)
営業時間:日の出〜日没(12月1日〜翌年3月31日の冬季期間休業)
アクセス:JR大歩危駅より四国交通バスで「久保」バス停乗換→市営バス剣山行きで「二重かずら橋」バス停下車すぐ(市営バス運行日は4月〜11月の土日祝祭日と繁忙期)、または井川池田ICより車で約2時間30分
写真:風祭 哲哉
地図を見る奥祖谷二重かずら橋から約7キロで祖谷の最奥部、西日本第2の高峰、剣山に到着します。剣山は標高1955mの高山ですが、国道の峠の頂上、見ノ越と呼ばれる剣山登山口からは剣山観光登山リフトが運行しています。
リフトの終点からは約1キロ、40分の登山となりますが、山頂まで比較的手軽に登ることもできるので、ぜひ合わせてお楽しみください。
写真:風祭 哲哉
地図を見る奥祖谷へ向かう途中、国道沿いの小さな集落に、突然たくさんのかかしが現れる一画があります。そこは「天空の村・かかしの里」と呼ばれる東祖谷の名頃集落。
このかかしの里には180体以上のかかしがいて、「かかし村基本台帳」も用意されているほど。農作業をしたり井戸端会議をしたり、まるで本物の村人達のような姿が過疎の村を賑やかにしています。
提供元:徳島県観光協会「阿波ナビ」
https://www.awanavi.jp/そして今、奥祖谷で一番ホットはスポットは「奥祖谷観光周遊モノレール」。
全長4600メートル、高低差590メートル、最大傾斜度40度、最頂標高1380メートルは、観光用モノレールとしてはすべて世界一の記録。ほぼ森林しかない奥祖谷の山中を65分かけて一周する、というとてもゆるーい乗り物ですが、GWなどの繁忙期には途中で整理券が売り止めとなる日も出るほどの人気なのです。
なーんにもないけどゆったりと自然の恩恵を感じるという体験が、奥祖谷ならではの楽しみ方なのかもしれませんね。
<奥祖谷観光周遊モノレール 基本情報>
住所:三好市東祖谷菅生
電話:090-7781-5828
営業時間:4月〜9月は8:30〜16:00、10月〜11月は8:30〜15:30
定休日:毎週水曜日(祝日の場合は運行)、12月〜翌年3月冬季休業
アクセス:JR大歩危駅より四国交通バスで「久保」バス停乗換→市営バス剣山行きで菅生バス停下車徒歩20分(市営バス運行日は4月〜11月の土日祝祭日と繁忙期)、または井川池田ICより車で約2時間
祖谷渓にある3つのかずら橋。どれかひとつを選ぶとすればもちろん一番スケールが大きくて一番メジャーな「祖谷のかずら橋」ですが、祖谷のかずら橋はちょっと怖すぎる、とか、珍しい人力ロープウェイの「野猿」にも乗ってみたい、という方は、ぜひその先の「奥祖谷二重かずら橋」まで足を延ばしてみてください。
なによりも日本有数の秘境と言われる祖谷渓の、さらにその奥、いわば「日本のチベット オブ チベット」的なワイルドな冒険も楽しめますからね。
2018年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/1/20更新)
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