遠野は、明治43(1910)年に出版された民族学者の柳田國男『遠野物語』により有名です。『遠野物語』は、柳田が遠野地方を訪れ、この地に伝わる民話を筆記・編集した説話集で、カッパ、天狗、座敷わらしなどの妖怪も登場。カッパは遠野市のシンボル的な存在で、道の側には「カッパに注意」の看板が立っています。
遠野駅前の観光案内所「旅の蔵遠野」で、レンタサイクルを借りて出発!サイクリングコースの地図といっしょに、「カッパ捕獲許可証」を入手しましょう。許可証が無いと密漁になるそうです(笑)。
カッパが住むというカッパ淵は、常堅寺の裏手。ここまでは、国道340号の歩道を走って40分ほどで到着。常堅寺には狛犬だけなく、頭の上がカッパのお皿のように窪んだ“狛カッパ”がいます。お寺の火事の際には、頭の皿の水で消火したと言われています。
カッパ淵は、澄んだ水の流れる小川。いたずら者のカッパを釣ろうと大好物のきゅうりを餌にした釣竿が仕掛けられています。許可証の裏には、注意事項として、生け捕り、捕獲した時には観光協会の承認を得ることなどが記載されています。
淵の岸辺に祠があり、カッパは乳の守り神とされ、子育ての母の乳がでるように願かけされています。(常堅寺には駐輪場がありませんから、徒歩5分の伝承園に駐輪してください)
<基本情報>
住所:岩手県遠野市土淵町土淵
アクセス:JR遠野駅から約6km
伝承園は、遠野地方の農家のかつての生活様式を再現した観光施設。国の重要文化財の曲り家「菊池家住宅」、千体のオシラサマのある「御蚕神堂」、『遠野物語』の話者の「佐々木喜善記念館」などがあります。曲家は、母屋と馬屋がL字形に一体化している家屋で、人と馬が密接な関係であったことを表しています。
この曲家の奥に小さなお堂、御蚕神堂(オシラ堂)。中には娘と馬の恋物語で知られるオシラサマが千体、色鮮やかで見るものを圧倒します!オシラサマは、蚕の神さま、農業の神さま、馬の神さま、そして良い事も悪いことも知らせてくださる「お知らせ」の神さまとも言われています。
先が馬と女性の顔となっている桑の木の棒に、お願いを記した布(1枚100円)をかけて、お祈りをしましょう。
<基本情報>
住所:岩手県遠野市土淵町土淵6-5-1
電話番号:0198-62-8655
入園料:一般320円/小中高校生220円
アクセス:JR遠野駅から約6km
伝承園から遠野駅方面は、猿ケ石川に沿った整備されたサイクリングロードが爽快!駅までは小一時間、駅から卯子酉様(うねとりさま)には、自転車で15分ほどです。
卯子酉様は、お社にかかっている赤い布(1枚100円)を左手だけで結ぶことができると、恋が叶う縁結びの神様。赤い布で覆われた小さな神社の境内は壮観です。
<基本情報>
住所:岩手県遠野市下組町2地割
アクセス:JR遠野駅から約2.5q
「昔あったずもな」で始まり、「どんどはれ」で終わる遠野の昔話。地元遠野の言葉で語られる昔話を実際に聴くと、それぞれの話の楽しさ、哀しさ、面白さが、ストレートに伝わってきます。
先に紹介した伝承園では、曲家の囲炉裏端に座って聴くことができ、昔話の時代に戻ったような気持ちになります。
駅から徒歩8分の「とおの物語の館 昔話蔵」では、耳からだけではなく、イラストや映像、飛び出てくるような影絵により、目で見て手で触れて、昔話を体感することができます。
<基本情報>
住所:岩手県遠野市中央通り2-11
電話番号:0198-62-7887
入館料:一般500円/高校生以下200円
アクセス:遠野駅から約0.5Km
昔話が継承されてきた遠野は、心が和む風景が魅力です。のんびりとサイクリングすると、『遠野物語』の世界に入り込んだような気持ちになります。哀しい昔話もありますが、愛嬌のあるカッパが登場する遠野の山里。
ぜひ、訪れてみましょう!
2018年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索