京都に希少な浮世絵勢揃い 相国寺承天閣美術館「浮世絵最強列伝」

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京都に希少な浮世絵勢揃い 相国寺承天閣美術館「浮世絵最強列伝」

京都に希少な浮世絵勢揃い 相国寺承天閣美術館「浮世絵最強列伝」

更新日:2018/07/11 09:12

Sige pandaのプロフィール写真 Sige panda トラベルライター、パンダスポット探検家

京都市 相国寺承天閣美術館で「サンタフェリー・ダークス コレクション 浮世絵最強列伝 江戸の名品勢ぞろい」が2018年7月3日(火)から9月30日(日)まで開催中。最強列伝の名の通り、歌麿、北斎、写楽、広重などだれもが知っているスター絵師たちの浮世絵が勢揃い!しかも保存状態の良い美品・初版がたくさん!

空軍士官として日本に滞在したこともあるサンタフェリー・ダークス氏個人のコレクション展です。

浮世絵最強列伝のここが最強!

浮世絵最強列伝のここが最強!

写真:Sige panda

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臨済宗相国寺派の禅寺相国寺(しょうこくじ)の中にある相国寺承天閣美術館。昭和59年に本山相国寺・鹿苑寺(金閣寺)・慈照寺(銀閣寺)・他塔頭寺院に伝わる美術品の保存や展示公開などを目的に建設された美術館です。

ここで開催されているのが「サンタフェリー・ダークス コレクション 浮世絵最強列伝 江戸の名品勢ぞろい」です。

浮世絵最強列伝のここが最強!

写真:Sige panda

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《喜多川歌麿「女行列川渡」文化元年(1804)頃 大判錦絵三枚続 前期 (C)Lee E.Dirks Collection》

空軍士官として日本に駐留したのをきっかけに日本文化に関心を持ったというリー・ダークス氏のコレクションのすばらしい所が以下の4つ。

1・浮世絵の初期から幕末までの代表的な絵師の作品を網羅している。
2・希少な作品が多く含まれ、保存状態も良い。
3・摺り(すり)の早い貴重な作品が多い。
4・美人画から花鳥画、名所絵までジャンルが幅広い。

要するに素人目にもわかりやすい、人気絵師の美しい浮世絵が勢揃いしているということなのです。

摺りによって全然違う 初版が貴重な理由

摺りによって全然違う 初版が貴重な理由

写真:Sige panda

《発表会スライドより 歌川広重 木曽海道六拾九次之内 四十六 中津川》

浮世絵は元絵を書く絵師、それを彫る彫師、さらにそれを摺る摺師の分業で1枚の絵を仕上げます。人気の絵師の絵は数多く摺られるため、後になるほど摺りが簡略化されたりして、浮世絵をプロデュースした版元や絵師の意向から離れてしまいます。初版の方が元の絵に近いのです。

写真は歌川広重の木曽海道 四十六 中津川。初版は雨の風景なのですが、摺りが遅いものは晴れの風景になっています。

天気変わってるやん!初期のものは「雨の中津川」として希少なのだそう。今回は前期に貴重な「雨の中津川」が見られますよ。

摺りによって全然違う 初版が貴重な理由

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《発表会スライドより 歌川広重 名所江戸百景 両国花火》

こちら歌川広重「名所江戸百景 両国花火」。向かって左が初版、右が後版。「違う絵やん!」とツッコミたくなるほど印象が違いますね。

初版では闇に浮かび上がる花火のあかりがボカシで表現されていますが、後版では省略されてしまっています。どうせ見るなら摺りの早いものを。庶民の楽しみとしてたくさん摺られた浮世絵、こういうアバウトなところもあるんです。

原画でしかわからない繊細な美しさ

原画でしかわからない繊細な美しさ

写真:Sige panda

《鈴木春信「見立業平東下り」明和4〜5年(1767〜68)頃 中判錦絵 前期 (C)Lee E.Dirks Collection》

図版や写真ではその微妙なニュアンスが伝わりにくいのが浮世絵。さまざまな技法が存在します。色をつけずに摺る空摺り(からずり)はエンボス加工のようなイメージ。

写真は伊勢物語の一場面の見立て、鈴木春信の「見立業平東下り」。見えますか?富士山と雲のフチが少し盛り上がっているのが。現物だとよりよくわかるのですが、図版などではなかなか表現しづらい部分です。富士山に積もった雪が空摺りで表現されています。

原画でしかわからない繊細な美しさ

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《無款(鈴木春信)「やつし孫康」明和2年(1765) 中判錦絵 前期 (C)Lee E.Dirks Collection 》

こちらの作品にも空摺りが見えます。帯の柄と障子の枠です。美人画で人気を博した鈴木春信。現存する作品数が少なく、しかもその8割が海外にあるとされ、日本国内で展示されるのは珍しいのです。

キラキラ美女に会いたい!

キラキラ美女に会いたい!

写真:Sige panda

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《喜多川歌麿「歌撰恋之部 物思恋」寛政5〜6年(1793〜94)頃 大判錦絵 前期 (C)Lee E.Dirks Collection》

こちらは喜多川歌麿の大判錦絵「歌撰恋之部 物思恋」。思案する美女の背景はうっすらキラキラピンク色。何に思いを馳せているのでしょうか。このキラキラは紅雲母摺(べにきらずり)という技法で摺られています。まるで化粧品のラメかパールのよう。

紅雲母摺は紅色の下地の上に雲母の粉を摺ったり、はけで引いたりして表現するもの。この微妙なキラキラ、残念ながら図版では表現されておりません。

キラキラ美女に会いたい!

写真:Sige panda

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上の方がキラキラしているのがわかるでしょうか。このくらいの角度、ちょっと下から見ると雲母が光を反射してキラキラとラメのように輝きます。

レフ版効果で美女をより美女に、アンニュイに。こちらもぜひ会場でご覧になっていただきたい作品です。

キラキラ美女に会いたい!

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《東洲斎写楽「三代目市川八百蔵の田辺文蔵」寛政6年(1794) 大判錦絵 前期 (C)Lee E.Dirks Collection》

さらに写楽の第1期大判錦絵 黒雲母摺28枚のうちの3枚(前期2枚、後期1枚)も展示されていますので、こちらも角度を変えてお楽しみください。

京都の名刹で感じる最強の浮世絵

京都の名刹で感じる最強の浮世絵

写真:Sige panda

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会場となっている相国寺承天閣美術館があるのは、京都五山第二位に列せられる名刹 相国寺の中。

十四世紀末、室町幕府三代将軍の足利義満により創建されたという境内には、1605年に再建されたという日本最古の法堂など、見所もたくさん。日本の美を感じるのに最適な会場ではないでしょうか。境内の緑や青紅葉も見事です。

京都の名刹で感じる最強の浮世絵

写真:Sige panda

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展示会のオリジナルグッズも充実。大判ポストカードやクリアファイル、チケットフォルダの他に、和柄が可愛いマスキングテープや、職人が一つずつ手作りで彫刻したというアクリル製の升なども。

京都の名刹で感じる最強の浮世絵

写真:Sige panda

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会期中にはイベントも。7月28日(土)には浮世絵版画の摺り実演会、8月25日(土)には記念坐禅会も開催。さらにはアーティストによる浮世絵風似顔絵作成も(1枚 税込500円)。

前期、後期で全展示替えもあり、特設サイトには作品リストがあります。見たい作品がある方はご注意を。詳しくは特設サイトをご覧ください。

浮世絵最強列伝 江戸の名品勢ぞろいの基本情報

会期:2018年7月3日(火)〜9月30日(日)
前期:7月3日(火)〜8月5日(日)
後期:8月8日(水)〜9月30日(日)
※前期・後期で全展示替え。

会場:相国寺承天閣美術館
住所:京都市上京区今出川通烏丸東入
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:会期中無休(8月6日、7日は展示替えのため休館)
アクセス:京都市営地下鉄 今出川駅から徒歩8分

2018年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/07/02 訪問

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