写真:沢原 馨
地図を見る「日南海岸」は全国的に広く名を知られた、宮崎県南部の景勝地です。通常、宮崎市南部の青島周辺から串間市の都井岬までの90kmほどの海岸を「日南海岸」と呼ぶのですが、当然、その中にはいくつもの岬や浜辺が存在します。さて、では「日南海岸」の浜辺の中で、いちばん美しい浜辺はどこでしょう。
美しさの基準は人それぞれ、どれがいちばんと決められるものでもありませんが、それを承知で、日南市で生まれ育った立場のナビゲーターとして敢えて独断で言い切ってしまいます。「日南海岸」でいちばん美しい浜辺は、「石波海岸」です。
写真:沢原 馨
地図を見る「石波海岸」は串間市の市木地区にある浜辺です。沖に野生猿の棲息する幸島があることで知られていますが、「石波海岸」自体の景勝地としての魅力はあまり紹介されることはありません。しかし、地元ではこの浜辺の美しさは昔から知られていました。優美な弧を描いて伸びる砂浜が周囲の山々や島影と織り成す景観の美しさは、「日南海岸」の数々の浜辺の中でも随一!ぜひ訪ねて欲しいところです。
写真:沢原 馨
地図を見る串間市市木地区の、山々に囲まれたわずかな平野部の南端付近、国道に「幸島」を指し示す案内標識が設置されています。バスの折り返し場があり、「幸島入口」のバス停も設けられています。
「幸島」への案内に従って海岸方向へと折れて進んでいくと、すぐに海岸。正面には幸島が浮かんでいます。駐車場も設けられていますから、「石波海岸」観光に訪れるときには、まずここを目指しましょう(便宜上、本記事内ではこの辺りのことを“幸島入口”と記します)。
写真:沢原 馨
地図を見る駐車場周辺から眺める景色も充分に素晴らしいものですが、砂浜に降りて波打ち際を歩けば、さらに「石波海岸」の美しさを堪能できます。左手には美しい弧を描いて砂浜が延び、その先は海に張り出した山々が急峻な崖となって海に落ちています。見渡す限りに広がる青い海と空、そして緑の山々、その中に延びる砂浜の景観は素晴らしいものですよ。
ただ、残念ながら「石波海岸」の浜辺は海水浴場ではありません。と言うより、「水泳禁止区域」なのです。水着に着替えても、波打ち際で遊ぶだけにしておきましょう。沖に出るのはたいへん危険です。
写真:沢原 馨
地図を見る正面には間近に幸島が見えています。海岸から幸島まではわずかに300mほど。瀬渡し船を利用すれば幸島に渡ることもできます。時間に余裕のある方はぜひ幸島にも渡ってみましょう。
写真:沢原 馨
地図を見る「石波海岸」の北側、少し高みとなった国道脇に展望所が設けられています。そこからは「石波海岸」のほぼ全景を見下ろすことができます。そこからの眺望はまさに絶景!
「日南海岸」は「日本の渚100選」のひとつとして名を連ねていることをご存知でしょうか。その紹介記事などに、この方向から撮影した写真がよく使われます。そのことからも「石波海岸」が「日南海岸」を象徴する美しさだということがわかります。
写真:沢原 馨
地図を見る展望所の下から南へと砂浜が弧を描いています。砂浜の長さは約2.5km。打ち寄せる波の描く白い帯が、幾重にも重なって風景にアクセントを添えてくれます。砂浜の弧が延びた先、沖に浮かぶのが幸島です。
写真:沢原 馨
地図を見る展望所で美しい景色を眺めながら一休みするのもいいものです。時間を忘れて、のんびり海を眺めて過ごしましょう。幸島のさらに沖に浮かぶ鳥島の姿も、ここからならよく見えます。ドリンクやおやつを用意しておくと楽しいですよ。
この展望所は”幸島入口”から3.6km離れています。徒歩での移動は厳しいですね。「石波海岸」を訪れる際には車の利用をお勧めします。空路や鉄道で宮崎を訪れた方はレンタカーを利用しましょう。
写真:沢原 馨
地図を見る串間市の市木地区は、市木川流域のわずかな平地に集落が点在するところで、長閑で穏やかな田園風景が広がっています。その環境に惹かれてか、他から移住して来られる方もいらっしゃるのです。海岸から少し足を延ばして、田園風景の中を散策してみるのもお勧めですよ。
写真:沢原 馨
地図を見る市木地区の中を国道448号が南北に抜けています。途中、ワシントン椰子が沿道に並ぶところがあります。国道の両脇に並ぶワシントン椰子が日差しを浴びて風に揺れる様子はなかなかフォトジェニック。ちょっとマニアックですが、市木地区の見どころのひとつです。
写真:沢原 馨
地図を見る“幸島入口”から国道を挟んだ西側、丘の上に「フィールドミュージアム幸島公園」という公園が設けられています。公園は展望台と広場があるだけで、訪れる人もほとんどいません。しかし、この展望台からの眺めがちょっとお勧めです。浜辺は木々に邪魔されて見えませんが、幸島を見下ろすことができます。浜辺からの景観とは違った印象の、雄大な眺めです。時間に余裕があったら立ち寄ってみましょう。
写真:沢原 馨
地図を見る“幸島入口”の駐車場脇、小さな商店が建っています。カレーやうどんなどの軽食やかき氷などを商っている他、店の建物脇には浜辺で遊んだ人たちのためのシャワーも設けられています。店の名は通称「浜の店」。店の軒先には「浜の駅」と記された看板が提げられていますが、これは移住して来られた方による手作りだそうです。
写真:沢原 馨
地図を見る「浜の店」の店主である岩本佳子さんは、1980年代からこの店を切り盛りしてこられました。店自体はそれ以前からありましたが、岩本さんが先代の店主から経営を引き継がれたというわけです。「石波海岸」を訪れたら、ぜひ「浜の店」にも立ち寄ってくださいね。素朴で気取りのないお店です。地元のお話を聞かせていただくのも楽しいですよ。
写真:沢原 馨
地図を見るかつて宮崎が観光客で大いに賑わった時代、幸島にも多くの人たちが訪れました。今では観光客の姿は少なく、地元の子どもたちが遊ぶ浜辺には静かな時間が流れています。美しい砂浜に打ち寄せる波を眺めながら、そんな静かな時間を過ごしてみませんか。訪れるなら、やはり夏。夏の強い日差しの中で見る石波の浜辺が、いちばん素敵です。
住所:宮崎県串間市市木
電話番号:0987-72-0479(串間市観光物産協会)
アクセス:日南市「油津駅前バスセンター」から「幸島入口」行きバスで約1時間、「幸島入口」下車/JR日南線油津駅前から約24km、駐車場有り
2018年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/11/12更新)
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