写真:乾口 達司
地図を見る「万燈籠(まんとうろう)」は奈良県奈良市にある世界遺産・春日大社(かすがたいしゃ)でとりおこなわれる祭礼の一つ。毎年2月の節分と8月14・15日(夏の一般公開は8月14日のみ)のお盆の夜にとりおこなわれ、それぞれ「節分万燈籠」「中元万燈籠」と呼ばれています。
平安時代以降、春日大社には無数の灯籠が寄進されており、その数は石燈籠・釣燈籠をあわせて3000基におよぶとされます。「万燈籠」では、その多くの灯籠に明かりがともされ、参拝者を幽玄の世界へといざないます。「万燈籠」は室町時代にはすでにはじまっていたとされますが、数多くの神社仏閣がひしめく古都・奈良にふさわしい祭礼といえるでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る最寄り駅に当たる近鉄奈良駅から春日大社に向かって参道を歩いていくと、参道沿いの灯籠に無数の明かりがともされていることにお気付きになるはず。その明かりの先へと進んでいきましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る二の鳥居をくぐると、明かりのともされた無数の石燈籠が参拝者を出迎えてくれます。ロウソクを立てかける火袋のまわりには和紙が張られ、火が風で消えない工夫も凝らされていますが、その和紙には奉納者の名前と願いごとも記されています。「万燈籠」がいかに多くの庶民の崇敬を集めているかがうかがえますね。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらは火袋の部分が木製の石燈籠。一口に燈籠といってもさまざまな種類があることが、ここからもおわかりいただけるでしょう。どんな燈籠があるのかを見ながら参道を進むのも楽しいでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る燈籠は本殿をとりかこむ回廊内にもたくさんあります。回廊内に見られるのはおもに釣燈籠。釣燈籠は特に回廊内に設けられた有料の特別参拝コースで見られるため、特別参拝コースに入ることをお勧めします。
写真は、特別参拝コースの途中にある中門とその左右にのびる御廊(おろう)を撮影した一枚。この中門の向こうに国宝の本殿4棟が鎮座しています。本殿は特別参拝コースに入らないと直接拝観することができません。
写真:乾口 達司
地図を見る御廊の軒下にはたくさんの釣燈籠が下げられています。そのなかには、直江兼続などの名のある武将や大名によって奉納されたものもあり、歴史好きの方には喜ばれるはず。もちろん、それらにも明かりがともされます。
写真:乾口 達司
地図を見る回廊内を流れる御手洗川(みたらしがわ)沿いにも無数の釣燈籠が下げられており、見るものを幽玄の世界へといざなってくれます。
写真:乾口 達司
地図を見る石燈籠とは異なり、釣燈籠は間近で観察できるため、細部までじっくり観察してみましょう。写真の釣燈籠に刻まれている動物はシカ。春日大社では神さまの使いとして神聖視されている動物であり、奈良の象徴的な存在。釣燈籠にシカが描かれているのは、奈良ならではですね。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらでは、シカとともにフジの花がかたどられています。春日大社が藤原氏の氏神であるということにちなみ、境内の各所ではフジが大切に育てられています。シカと同様、フジもまた春日大社を象徴するデザインであるといえるでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る「家内安全」「子孫繁栄」という文言からは、庶民の真摯な願いが読み取れますね。
写真:乾口 達司
地図を見る時間帯によっては、境内で奉納コンサートなどのイベントもとりおこなわれます。
写真:乾口 達司
地図を見る「万燈籠」に魅力され、自分も燈籠を奉納したいという思いに駆られる方もいらっしゃるでしょう。しかし、石燈籠や釣燈籠を奉納するということになると、かなりの高額になってしまい、われわれ庶民にはなかなかできることではありません。
しかし、すでにある燈籠に明かりをともす献燈であれば、少額で可能。そんな方のために参道沿いにはご覧のような献燈受付所が設置されています。当日の申し込みでも可能なので、興味のある方はお申し込みください。
写真:乾口 達司
地図を見る参拝者の気配に気付いたのでしょうか、参道沿いからは、シカがひょっこり姿を現すことも。こういったハプニングも嬉しいですね。
春日大社の「万燈籠」、いかがでしたか?もちろん、燈籠に明かりがともされるとはいえ、明かりの届く範囲は限られている上、当日はたくさんの参拝者でごった返すため、参拝の折には懐中電灯を持参したりして、転倒にはくれぐれもご注意ください。世界遺産の杜に灯る無数の明かりを堪能し、非現実的な世界にひたってみてください。
2025年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/16更新)
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