今回紹介する「白糸の滝」は、ダイヤモンド富士で有名な田貫湖のそばにあって、世界遺産の一部にも指定されています。山肌から絹糸を垂らしたように流れ落ちる様は、人々の心を穏やかにしてくれる不思議な力を蓄えており、昭和25年には観光百選滝の部で1位に選ばれたほどの名瀑です。
「白糸の滝」へは観光案内所ときれいなトイレを備えた観光バスも止まる大きな駐車場(乗用車500円)の他に数か所の駐車場があります。
そこから轟轟と流れ落ちる高さ25mの男性的で豪快な「音止めの滝」を左手に見て、土産物店が軒を連ねる舗装のされた緩い下り坂の通りを5分ほど進んでいきます。
これらの土産物店には、店頭に椅子やテーブルを置いている店もあり、B級グルメグランプリにも輝いた富士宮焼きそばや味噌おでん、ワサビソフトクリームなども食べられます。
少し気づきにくいですが、やがて右側に白糸の滝を遠望できる展望所が出てきます。ここまでは車いすでも楽に来ることができるのです。
その先を右に折り返すと急な下りの階段があります。「帰りが大変だ」などと言いながらも下りて行くと、道は左に曲がっており新しく成った滝見橋へと出ます。橋の先にも展望所がありこの展望台からも白糸の滝を一望できます。
ここまで来ると辺りには涼しい風が吹き渡り、目の前にある絹糸を垂らしたような白糸の滝の断崖に吸い込まれるような景色と相まって、和やかな気持ちにさせてくれます。この場所と橋の上は、滝全体を見渡せる絶好の撮影スポットでもあります。
昭和11年に国の名勝・天然記念物の指定を受けた「白糸の滝」ですが、周辺の開発などによって従来あるべき、滝、本来の姿が失われつつあります。
観る時間によっては、写真の様に絹糸のような富士の湧水のミストが、滝壺での美しい虹を醸し出してくれる風景に出会うことができるのです。そこで市では来る人たちに、出来るだけ自然の姿で美しい滝を見てもらおうと、保全管理計画を策定したのですが、時代の推移とともに状況が変化し、平成22年には第2次保全管理計画を立ち上げました。
これによって、古くなった橋「滝見橋」の改修や、トイレ、案内所の整備、滝の眺望を阻害する人口建造物の撤去などを進め、また「白糸の滝」指定地内には公園を整備するなどして、環境整備を進めています。
橋を渡ると滝へ向かう道は、川側と少し高みの山側に分かれますが、滝へ向かうには川側、帰りは山側と言った一方通行になっているので注意して下さい。
道の最先端は涼しいミストの世界です。夏はとても涼しく感じられ、場合によっては寒いくらいですが、周りの木々が燃えるようになる紅葉の秋には、長く佇んでいられない程寒くなります。また川べりに降りることも可能ですが、いつも濡れている石には苔も生えているので、滑らないように細心の注意を払う必要があります。
帰りには今度は登りの階段が待っています。脚力に自信のない方は手すりにつかまりながらゆっくりとお帰りになるのが賢明です。階段を昇り終えると路傍に休憩するのにちょうどよいベンチがありますので、一休みして汗が引くのを待つのが良いでしょう。
滝の周辺にはトイレがありません。駐車場で、あるいは土産物店でトイレを済ませてください。
滝の前へ行く時に渡る芝川に架かった滝見橋は、地元の学生や多くのボランティアの人たちが、たわし等を持ってきれいに掃除をしており、周辺にはトイレ同様ごみ入れがありません。
是非この景観を損なわないために、ごみは持ち帰るなどして下さい。
住所:静岡県富士宮市上井出
アクセス:「東名高速道路」富士ICまたは、「新東名高速道路」新富士ICから
車で約30分
JR富士宮駅から富士急静岡バスで約30分
2018年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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