写真:小野 浩幸
地図を見る温帯に位置する日本の湿原は、放っておくと森林に変わります。タデ原湿原は、毎年春に行われる「野焼き」によって、その景観と生態系を維持しています。
ヨシやヌマガヤが繁茂する湿地草原内には、木道が整備されており、動植物を安全に観察できるようになっています。湿原内には、蛇なども生息していますので、くれぐれも木道から降りないようにしてください。また、植物の採取も法律で禁止されています。
写真:小野 浩幸
地図を見る情報の拠点となる「長者原ビジターセンター」では、くじゅうの自然や歴史を映像や展示資料で知ることができます。植物観察などの経験が少ない方は、事前にパンフレットなどを入手してタデ原湿原の生き物などを予めチェックしておくと楽しみも広がります。
センターの1階は散策路の起点になっており、ここをスタート地点として、(1)タデ原絶景コース(約800m・20分、バリアフリー)、(2)タデ原1周満喫コース(約1500m・40分)、(3)草原・森もりコース(約2500m・60分)の3つの散策ルートが整備されています。時間はかかりますが、せっかくなので、草原と森の両方を歩いてほしいと思います。
写真:小野 浩幸
地図を見る「ノハナショウブ」は、花菖蒲の原種で小さめですが紫色と黄色のコントラストが美しく、タデ原湿原の中でも人気の高い花です。希に木道の近くにも咲いていますが、単眼鏡やオペラグラスを準備しておくと観察しやすいでしょう。
写真:小野 浩幸
地図を見る「ヒゴタイ」は青い球体の花が特徴の珍しい花。国内では、愛知・岐阜・広島・九州の限られた地域でしか見ることができません。環境省のレッドリストでは絶滅危惧種U類にも選定されています。
写真:小野 浩幸
地図を見るこちらも変わったカタチから、「オカトラノオ(丘虎の尾)」と呼ばれています。白い小さな花が下方から咲いていき、花穂の先端が虎の尾のように垂れ下がるのです。
この他にもキスゲ、ハンカイソウ、ナツツバキ、ヒメユリ、サワギキョウなど、花好きな方が喜びそうな可憐な野の花に出会うことができます。
写真:小野 浩幸
地図を見る湿地草原で野の花を鑑賞したあとは、涼しい森の散策路をお楽しみください。森といっても急な坂道はほとんどなく、ゆっくりと自分のペースで歩きながら、ミズナラやブナ、クヌギなど落葉樹を鑑賞できます。樹々には名前が表記されていますので、子ども達の自由研究にももってこいですね。
写真:小野 浩幸
地図を見る草原の散策路から、森の散策路へ足を踏み入れると、景色は一変し、目視できる生態系も明らかに異なります。これまで鑑賞していた野の花の姿は一切なくなり、代わりに広葉樹林が繁る森、そこかしこに流れる山水と敷き詰められた水苔から、大量なマイナスイオンが発生しているように感じてしまいます。
平野部では、真夏日・猛暑日だということを忘れさせてくれるような、湿原のオアシス。タデ原湿原は春や秋も充分楽しめますが、やはり夏に訪れることをお薦めします。
住所:大分県玖珠郡九重町田野255‐33
アクセス:大分自動車道九重ICから車で約30分
2018年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/4/19更新)
- 広告 -