幽霊出現!?無料で見てまわれる大阪「平野町ぐるみ博物館」

幽霊出現!?無料で見てまわれる大阪「平野町ぐるみ博物館」

更新日:2024/08/01 11:10

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員
さまざまなモノを陳列する博物館は全国各地に存在します。しかし、大阪市平野区にある「平野町ぐるみ博物館」ほど博物館の密集するスポットは珍しいのではないでしょうか。しかも、その大半は無料で見てまわることが出来るミニ博物館ばかりです。今回は幽霊博物館まで擁する「平野町ぐるみ博物館」をご紹介しましょう。

一年に一度の特別公開!大念佛寺の幽霊博物館

一年に一度の特別公開!大念佛寺の幽霊博物館

写真:乾口 達司

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「平野町ぐるみ博物館」は中世以来の長い歴史を有する旧寺内町・平野の町起こしを目的にはじめられた企画。平野の旧市街地に残された貴重な文物を展示・公開したもので、街のいたるところにそれぞれのテーマにもとづいたミニ博物館が点在しています。その大半の入館料は無料!旅行者には嬉しい配慮ですね。ただし、開館日は博物館によって異なるため、あらかじめホームページなどで調べてから訪問しましょう。

たくさんある博物館のなかでも特に貴重なのは、幽霊博物館!写真の幟にも記されているように、幽霊博物館は融通念佛宗の総本山・大念佛寺(大念仏寺/だいねんぶつじ)の境内にあり、毎年8月の第4日曜日・午前10時から午後4時までのあいだで公開されます。一年に一日限りの希少性ゆえ、「平野町ぐるみ博物館」を見てまわるときは幽霊博物館の開館日に合わせることをお勧めします。

一年に一度の特別公開!大念佛寺の幽霊博物館

写真:乾口 達司

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幽霊博物館は、普段、本坊として使われている瑞祥閣の一角を活用して開かれます。それほど広いスペースではないため、混雑具合では入館制限があります。ご自身の順番が来るまで写真のテントで待機しましょう。

内部は畳敷きの部屋となっており、出産時に他界した女性の怨霊を描いた「姑獲鳥図(うぶめのず)」や壇ノ浦に滅んだ平家の亡霊を描いた「平知盛亡霊図(たいらのとももりぼうれいのず)」など、幽霊を描いた12幅の掛軸や幽霊が残して行ったという片袖などが展示されており、おどろおどろしい雰囲気が室内に立ち込めます。真夏にぴったりの博物館ですよ。

一年に一度の特別公開!大念佛寺の幽霊博物館

写真:乾口 達司

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もちろん、幽霊博物館を拝観した後は、本堂にもお参りしましょう。本堂は大阪府下最大の木造建造物で、国の登録有形文化財に登録されています。その大きさには圧倒されますよ。

<幽霊博物館の基本情報>
開館日時:2024年8月25日(日)午前10時〜午後4時
※毎年8月第4日曜日
住所:大阪市平野区平野上町1-7-26
電話番号:06-6791-0026(大念佛寺)
アクセス:JR平野駅から徒歩約10分

こちらもお忘れなく!大念佛寺にある「わたの博物館」

こちらもお忘れなく!大念佛寺にある「わたの博物館」

写真:乾口 達司

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しかし、大念佛寺にあるのは、何も幽霊博物館だけではありません。写真は同じ境内にある「わたの博物館」。平野を含む河内地方(大阪府南東部)は河内木綿の一大生産地であり、わたの博物館はそのような河内木綿の伝統を現代に紹介するため設けられた施設。毎月第4日曜日にだけオープンします。

こちらもお忘れなく!大念佛寺にある「わたの博物館」

写真:乾口 達司

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嬉しいのは、製綿作業の一端を実際に体験出来ること!手渡されたわたを伸ばしながら1本の糸に仕上げ、最終的に製品を織り込んでいくこととなりますが、はじめての方も心配ご無用。ちゃんと指導していただけますので、教えられたとおりに実演してみましょう。

こちらもお忘れなく!大念佛寺にある「わたの博物館」

写真:乾口 達司

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河内木綿で作られた製品はご覧のとおり。写真の製品は非売品ですが、販売品も取り揃えられているので、旅の記念に買い求めてみてはいかがでしょうか。

<わたの博物館の基本情報>
開館日時:毎月第4日曜日・午前10時〜午後4時
住所:大阪市平野区平野上町1-7-26
電話番号:06-6791-0026(大念佛寺)
アクセス:JR平野駅から徒歩約10分

懐かしい!全興寺の境内にある「小さな駄菓子屋さん博物館」

懐かしい!全興寺の境内にある「小さな駄菓子屋さん博物館」

写真:乾口 達司

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こちらは全興寺(ぜんこうじ)の境内にある「小さな駄菓子屋さん博物館」。いまではなかなかお目にかかれなくなった駄菓子屋をテーマにした博物館で、中高年には懐かしく、若い人には新鮮な印象を受ける施設であるといえるでしょう。

懐かしい!全興寺の境内にある「小さな駄菓子屋さん博物館」

写真:乾口 達司

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館内には終戦後から高度経済成長期に販売されていた駄菓子や玩具が所狭しと並べられています。昔、こんなものがあったなあ。そんな感慨にとらわれる方も多いのではないでしょうか。

懐かしい!全興寺の境内にある「小さな駄菓子屋さん博物館」

写真:乾口 達司

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博物館の脇では、地元の子どもたちがベーゴマで遊んでいます。日によっては紙芝居ももよおされ、懐かしい昭和にタイムスリップしたかのような感覚に襲われますよ。

<小さな駄菓子屋さん博物館の基本情報>
開館日時:毎週日曜日・祝日の日中
住所:大阪市平野区平野本町4-12-21(全興寺)
電話番号:06-6791-2680
アクセス:JR平野駅から徒歩約20分

まだまだある!「平野の音博物館」や「新聞博物館」

まだまだある!「平野の音博物館」や「新聞博物館」

写真:乾口 達司

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全興寺の境内や付近にはまだまだ博物館があります。「小さな駄菓子屋さん博物館」に隣接してあるのが「平野の音博物館」。ご覧のようにいまではお目にかかれなくなった昔の電話機が展示されており、携帯電話世代には特に珍しいのではないでしょうか。

<平野の音博物館の基本情報>
開館日時:日中常時
住所:大阪市平野区平野本町4-12-21(全興寺)
電話番号:06-6791-2680
アクセス:JR平野駅から徒歩約20分

まだまだある!「平野の音博物館」や「新聞博物館」

写真:乾口 達司

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こちらは「新聞博物館」。新聞をテーマにした博物館で、1889年、新聞販売店として創業した小林新聞舗の建物を利用しています。小林新聞舗は大阪市内でもっとも古い朝日新聞の販売所で、内部には当時の大阪朝日新聞や大阪毎日新聞、号外や新聞の付録などが多数展示されており、いずれも貴重!貴重といえば、写真の建物自体も同様で、その建造は1929年。現在、国の登録有形文化財に登録されています。

<新聞博物館の基本情報>
開館日時:毎月第4日曜日・午前9時〜午後5時
住所:大阪市平野区平野本町4-12-3
電話番号:06-6790-0022
アクセス:JR平野駅から徒歩約20分

こちらも訪れよう!全興寺の「地獄堂」

こちらも訪れよう!全興寺の「地獄堂」

写真:乾口 達司

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全興寺まで来ているのなら、合わせて境内にある地獄堂も訪れましょう。地獄堂は写真のように地獄の世界をジオラマ風に再現したお堂で、全興寺の名はむしろ地獄堂によって知られているほど。地獄の世界に驚愕してください。

こちらも訪れよう!全興寺の「地獄堂」

写真:乾口 達司

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地獄堂の前には、ご覧のような穴もあります。こちらに頭を突っ込むと地獄の釜の音が聞こえるとされます。勇気を持って頭を入れてみましょう。

こちらも訪れよう!全興寺の「地獄堂」

写真:乾口 達司

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地獄堂の壁には極楽度・地獄度チェックのボードも備えつけられています。複数の質問に対してボタンを押していくことであなたの「極楽度・地獄度」をチェックすることが出来ますよ。

<全興寺の基本情報>
開館日時:日中常時
住所:大阪市平野区平野本町4-12-21
電話番号:06-6791-2680
アクセス:JR平野駅から徒歩約20分

町全体が博物館「平野町ぐるみ博物館」

いかがでしたか?「平野町ぐるみ博物館」がいかにオリジナリティに富んだ博物館であるか、おわかりいただけたでしょうか。今回、ご紹介した博物館はその一握りに過ぎないため、ご自身で平野を訪れ、さまざまな博物館の世界に魅了されてください。

2024年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/08/27 訪問

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