暑い夏には天然クーラー!秋田「抱返り渓谷」で涼感ハイキング

暑い夏には天然クーラー!秋田「抱返り渓谷」で涼感ハイキング

更新日:2018/08/02 15:01

Mayumi Kawaiのプロフィール写真 Mayumi Kawai 絶景ハンター、トラベルライター、自称ミステリーハンター
うだる暑さで脳みそもとろけそう……そんな暑さにうんざり気味の方にオススメなのが渓谷ハイキング。森の木陰、川のせせらぎ、吹き抜ける涼風はまさに天然クーラー!そして滝のマイナスイオンミストが涼感をさらにアップしてくれます。

秋田県田沢湖にほど近い「抱返り(だきがえり)渓谷」はまさに涼感が味わえる絶景スポット!是非この夏訪れてみてはいかがですか?

抱返り(だきがえり)渓谷とは

抱返り(だきがえり)渓谷とは

写真:Mayumi Kawai

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秋田県仙北市、田沢湖にほど近い山奥にひそむ「抱返り(だきがえり)渓谷」。田沢湖・角館を流れる玉川中流域に位置し、全長10kmに及ぶ渓谷は切り立った断崖と原生林に囲まれ、美しい滝やターコイズブルーの渓流が流れています。

抱返り渓谷は紅葉の名所として有名ですが6月中旬から8月までの深緑シーズンも見頃で、その涼感あふれる渓谷は知る人ぞ知る人気スポット。また「田沢湖抱返り県立自然公園」に指定されているとともに、あのミシュラン・グリーンガイドでも星を獲得するほどの景勝地なんです。

抱返り(だきがえり)渓谷とは

写真:Mayumi Kawai

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ちなみに、「抱返り(だきがえり)」の由来は、かつてその山道が人と人が互いに抱きかかえるように返さなければ通れないほど狭く険しかったからといわれています。

一方で、渓谷入口に祀られている「抱返神社」の縁起によると、かつて源義家が前九年の役(1062年)に進軍する際、静かな川の流れを仏に祈願し、持仏を懐に入れて戦いに挑んだところ無事勝利を治めこの地に還ってこられたことから「懐き還り(だきがえり)」が転じて「抱返り」になったとも伝えられています。

諸説ありますが、いずれにしても昔から険しい渓谷ではあったようですね。

今では気軽に訪れることができる涼感渓谷ハイキング

今では気軽に訪れることができる涼感渓谷ハイキング

写真:Mayumi Kawai

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かつて「抱返る」ほどに狭く険しい山道は、現在では快適な遊歩道に整備されています。渓谷最大の見せ場となる「回顧(みかえり)の滝」まではおよそ1.5km、平坦な道を行くので徒歩30分程度のハイキングレベルです。

時々迫りくる岩壁で道幅が狭まったり、雨が降った直後は地面がぬかるんでいることもあるため、履き慣れた靴で散策されることをオススメします。

今では気軽に訪れることができる涼感渓谷ハイキング

写真:Mayumi Kawai

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誓願橋は山の崩落によって失われた遊歩道に新たに架けられた吊り橋で、ここからの眺めは絶景ですよ。

今では気軽に訪れることができる涼感渓谷ハイキング

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誓願橋を越えると、手彫りのトンネルが3つ登場します。実はこのトンネルと遊歩道は、かつて秋田杉の搬出用に敷設されたトロッコ鉄道の名残で、昭和38年の廃線以降に遊歩道として再整備されたものなのです。粗削りのトンネルが当時の苦労をしのばせます。

ちなみにトンネル内はわずかに光が差す程度の暗闇状態で、地面はにじみ出る地下水でぬかるんでいるため足元には十分ご注意ください。

抱返り渓谷の主な見どころ

抱返り渓谷の主な見どころ

写真:Mayumi Kawai

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渓谷の入口に架かるのが、深緑の緑とターコイズブルーの川面に映える全長80mの朱い吊橋「神の岩橋」。この吊り橋は秋田県でもっとも歴史が古く大正15(1926)年に完成しました。名前の由来は、旧神代村と旧白岩村から1字ずつ取って名付けられたといわれています。

抱返り渓谷の主な見どころ

写真:Mayumi Kawai

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こちらは「茣蓙(ござ)の石」。川の急流を堰き止めるように中央に横たわる巨岩の上面は、ゴザ(い草を編んだ敷物)を数枚敷けるほどに平たいことからこの名が付いたといわれています。

抱返り渓谷の主な見どころ

写真:Mayumi Kawai

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前述の誓願橋を過ぎた辺りが「誓願寺」と呼ばれる抱返り渓谷随一の景勝スポット。ただし「寺」と名がついていても寺そのものはなく、切り立った岩の淵に打ち付ける水飛沫が寺で焚かれるお香の煙に似ていることからこの名が付いたといわれています。なかなか想像力たくましいですが、いずれにしても渓谷一の美観として見逃せない絶景ポイントです。

クライマックスの「回顧の滝」で最高の天然クーラーを

クライマックスの「回顧の滝」で最高の天然クーラーを

写真:Mayumi Kawai

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遊歩道のクライマックスには落差約30mの「回顧(みかえり)の滝」がそびえています。その白絹のような美しく繊細な流れは女性の雅な姿にもたとえられ、何度も見返したくなる渓谷随一の名所の滝となっています。

マイナスイオンたっぷりの天然ミストシャワーと天然クーラー、心も体もリフレッシュできること間違いなし!

クライマックスの「回顧の滝」で最高の天然クーラーを

写真:Mayumi Kawai

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回顧の滝の美しい水が玉川へ注ぎ込み、この美しい渓谷を彩っています。ため息が漏れるほど涼感あふれる抱返り渓谷、ここから先は崖崩れの影響で通行止めなっているためスタート地点へ折返す必要があります。

再び約30分、またゆっくりとこの深緑とターコイズブルーに包まれた渓谷に癒やされてお戻りください。

秋田にまだまだある!おすすめ涼感スポット

秋田にまだまだある!おすすめ涼感スポット

写真:Mayumi Kawai

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かつてCNNによる「日本でもっとも美しい場所34選」に選ばれ、また「平成の名水百選」にも選ばれた鳥海山麓の滝「元滝(もとたき)伏流水」。岩幅約30mから一日5万トンもの水が湧き出し、苔むした岩に弾ける大量の飛沫はハンパない清涼感です。実際、体感でマイナス5℃ひんやり感じるほどの天然クーラーでこの夏ピッタリの涼感スポットです。

秋田にまだまだある!おすすめ涼感スポット

提供元:kyohei ito via flickr

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元滝伏流水同様、鳥海山の伏流水によって生まれた約26ヘクタールにも及ぶ「獅子ヶ鼻湿原」。こちらも穴場の涼感スポットで、樹齢300年、幹周り7.62mの巨大ブナ「あがりこ大王」をはじめ異形ブナの宝庫となっており、さらに世界的に貴重な苔の群生地でもあります。ここでしか見られない「鳥海まりも」は必見。ブナの生命力、湧き水のせせらぎ、苔の清涼感など是非リフレッシュしてください。

いかがでしたでしょうか。クーラーの効いた屋内から天然クーラーの効いた渓谷へ、ぜひ遊びに出かけてみてはいかがでしょうか。

抱返り(だきがえり)渓谷の基本情報

住所:秋田県仙北市田沢湖卒田(田沢湖卒田〜角館町広久内)
電話:0187-54-2700(仙北市観光情報センター「角館駅前蔵」直通)
アクセス:角館から車で約15分、秋田市内からは車で約1時間10分、田沢湖からは車で約20分

2018年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/06/18 訪問

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