眉目秀麗!京都・一念寺の本尊「鳥羽の大仏」は東大寺ゆかりの仏さま

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眉目秀麗!京都・一念寺の本尊「鳥羽の大仏」は東大寺ゆかりの仏さま

眉目秀麗!京都・一念寺の本尊「鳥羽の大仏」は東大寺ゆかりの仏さま

更新日:2018/07/31 12:44

政田 マリのプロフィール写真 政田 マリ 仏像ナビゲーター

京都市伏見区下鳥羽にある「一念寺」は、飛鳥時代創建という歴史を持つお寺。鎌倉時代には四国配流となった浄土宗開祖の法然上人が寺に立ち寄り名号を残したことから、法然ゆかりの寺として知られています。本尊は整ったお顔立ちの阿弥陀如来坐像(約2.2m)。奈良・東大寺にあった浄土堂からお迎えしたというこの仏さまは、「鳥羽の大仏(おおぼとけ)」と呼ばれ、人々に親しまれています。

法然上人「名残りの名号の寺」として知られる浄土宗寺院

法然上人「名残りの名号の寺」として知られる浄土宗寺院

写真:政田 マリ

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一念寺は飛鳥時代の674年、法相宗の道昭という僧侶により開創されたと伝わります。当初は奈良・元興寺に属する法相宗のお寺でした。

鎌倉時代の1207年には建永の法難という事件により、後鳥羽上皇の怒りを買った法然上人が四国へ配流となった際、途中この寺に立ち寄り弟子の熊谷蓮生房らと別れを惜しんだといいます。

法然上人「名残りの名号の寺」として知られる浄土宗寺院

写真:政田 マリ

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その時に書き残した南無阿弥陀仏の名号軸がお寺に伝わることから「名残りの名号の寺」として知られ、門の左にはそれを記した石碑があります。

その後、1437年に浄土宗の僧・真阿(しんな)上人により再興され、本尊を阿弥陀如来として浄土宗に改宗しました。

法然上人「名残りの名号の寺」として知られる浄土宗寺院

写真:政田 マリ

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真阿上人は寺に入った3年後の1440年に亡くなりますが、亡骸を魚の餌食にしてほしいという遺命に従ってお寺の前の鴨川で水葬にされました。それ以来、ここは「真阿が淵(しんながぶち)」と呼ばれ、殺生禁断の地とされていました。

真阿上人が東大寺から迎えた本尊・阿弥陀如来坐像

真阿上人が東大寺から迎えた本尊・阿弥陀如来坐像

写真:政田 マリ

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平成7年に再建された本堂に入ると、本尊の阿弥陀如来坐像が迎えてくれます。

真阿上人が東大寺から迎えた本尊・阿弥陀如来坐像

写真:政田 マリ

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ヒノキの寄木造で、目は彫眼、手は定印を結び、像高は218.5cmと巨像。平安時代末期から鎌倉時代初期作とされる、美しく大きな阿弥陀様です。

室町時代に一念寺を再興した真阿上人が、東大寺の浄土堂に祀られていた10体の丈六サイズ(坐像約2.4m前後)の阿弥陀如来坐像から1体を遷し、本尊としたといいます。その後浄土堂は1567年に焼失してしまったので、残念ながら残りの9体は残っておらず、貴重な一体ということになります。

程よく整い清潔感のある容姿が魅力

程よく整い清潔感のある容姿が魅力

写真:政田 マリ

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本尊の阿弥陀如来像の魅力はそのお顔の美しさ。阿弥陀如来像の枠をはみ出さず、真面目で純朴で小綺麗に整えられた正統派の美形です。

程よく整い清潔感のある容姿が魅力

写真:政田 マリ

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切れ長で細く憂いある眼差し、螺髪(らほつ・巻き毛)は小さめに纏められてテンポよく整列し、肉髻(にっけい・頭の上の盛り上がった部分)は高めに作られて立体感を出しています。唇はコンパクトに、頬は膨らみすぎず程よく引き締まっていて、全体的に力強い印象です。

光背も台座も当初のもので、本堂が再建された平成7年に像全体を修理し、古色に仕上げられました。

程よく整い清潔感のある容姿が魅力

写真:政田 マリ

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本堂に一枚の監査状が飾られています。明治24年に宝物調査団が一念寺に訪れて阿弥陀如来坐像を調査したところ、優れた美術品であるとの結論が出されたことが記載されています。その調査団のメンバーには、美術運動家として有名な岡倉覚三(天心)の名が見られます。

後亀山天皇の皇子だった真阿上人の功績

後亀山天皇の皇子だった真阿上人の功績

写真:政田 マリ

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桂川と鴨川の合流地点にある一念寺を室町時代に再興した真阿上人は、後亀山天皇の第二皇子でした。名の知れた上人だからこそ奈良東大寺浄土堂の阿弥陀様をこのお寺に遷すことが出来たのだろうと言われています。

阿弥陀如来への思いが強く、「阿」の文字を入れ「真阿」と名乗ったとのこと。日々この阿弥陀様と向かい合い、何度も念仏を唱えていたのでしょう。

法然上人の思想を受け継いだ真阿上人が愛し、人々にも「鳥羽のおおぼとけ」として親しまれた一念寺の本尊は事前予約で拝観することができます。ぜひ眉目秀麗な阿弥陀様に会いに行ってみてくださいね。

一念寺の基本情報

住所:京都市伏見区下鳥羽三町108
電話番号:075-611-3434
アクセス:羽束師橋東詰を北へ約500m

2018年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/06/24 訪問

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