悲しいくらい美しい。初めての五島列島観光2泊3日モデルコース

悲しいくらい美しい。初めての五島列島観光2泊3日モデルコース

更新日:2018/12/04 12:13

風祭 哲哉のプロフィール写真 風祭 哲哉 B級スポットライター、物語ツーリズムライター、青春18きっぷ伝道師
2018年6月「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として晴れて世界文化遺産の島となった五島列島。
一度は行ってみたいけど、日本の西の果てにある五島列島は遠すぎる、とお思いの方も多いのではないでしょうか。そこで今回は東京や大阪からでも2泊3日で回れる「初めての五島列島観光モデルコース」をご案内します。
悲しいほど美しい、と言われる五島列島の教会や絶景をめぐる旅を、ぜひお楽しみください!

3連休でも気軽に行ける!五島列島2島をめぐるモデルコース

3連休でも気軽に行ける!五島列島2島をめぐるモデルコース

提供元:ながさき旅ネット

https://www.nagasaki-tabinet.com/

五島列島は長崎県の西の海上に位置する大小140の島々。
温暖な気候と豊かな自然を残す島々は、ほぼ全域が西海国立公園に指定され、多くの観光スポットがありますが、今回は初めて五島列島を訪れる方向けに、その主要な2島、福江島と中通島をめぐる2泊3日のモデルコースをご案内します。意外にも、東京や大阪からでも3連休に気軽に行けるのがポイントです。

1日目:長崎から福江島へ。EVレンタカーでドライブに出発

1日目:長崎から福江島へ。EVレンタカーでドライブに出発

提供元:ながさき旅ネット

https://www.nagasaki-tabinet.com/

五島列島へは長崎や佐世保から船を使ってのアクセスが一般的。
まずは東京や大阪から朝の飛行機で長崎まで飛び、長崎空港から長崎市内行きのリムジンバスで長崎港ターミナル(大波止バス停下車)まで移動します。

長崎港から福江港までは高速船に乗れば最速1時間40分。11時30分前後に出発の高速船に乗ると福江には午後13〜14時に到着しますので、1日目はこの時間を目安に計画してください。

福江港に到着したらさっそくレンタカーを借りましょう。
五島列島はEV(電気自動車)の先進地となっていて、福江島、中通島ともにレンタカーで気軽にEVが借りられます。普段なかなか乗る機会のないEVで環境にやさしいドライブを楽しみましょう。

1日目:長崎から福江島へ。EVレンタカーでドライブに出発

写真:風祭 哲哉

地図を見る

福江港からまずは北へ約10キロの堂崎天主堂へ。
ここは長崎で殉教したヨハネ五島を記念して創立された天主堂で、明治6年の禁教令解禁後、五島に初めて建てられたもの。当初は世界遺産を構成する教会の一つとして推薦されましたが、その後の構成資産の見直しにより除外され、それにより福江島内で世界遺産を構成する教会はなくなってしまいました。

しかし五島を代表する教会として「世界遺産の構成資産と一体的に保存・継承していく資産」として認定されたこの堂崎天主堂には、今なお多くの人々が訪れます。

<堂崎天主堂の基本情報>
住所:長崎県五島市奥浦町堂崎2019
アクセス:福江港から車で20分

1日目:長崎から福江島へ。EVレンタカーでドライブに出発

提供元:ながさき旅ネット

https://www.nagasaki-tabinet.com/

そのあとは福江に戻り、武家屋敷通りへ。離島なのであまり知られていませんが、ここは福江藩五島氏の城下町で、市街中心部には福江城跡もあり、意外にも和風情緒が感じられる町でもあるのです。

ゆっくりと散策したら、この日は福江市街に宿泊。五島列島随一の繁華街がある福江なら、五島グルメの食事にも困ることはありません。

2日目午前:福江島の絶景ビーチと美しすぎる教会をドライブ

2日目午前:福江島の絶景ビーチと美しすぎる教会をドライブ

写真:風祭 哲哉

地図を見る

2日目は福江からカトリック水の浦教会へ。この白亜の建物は現存する木造教会堂としては最大規模のもので、目の前に美しい入江を望む景観が有名な、五島を代表する美しい教会です。

<水ノ浦教会の基本情報>
住所:長崎県五島市岐宿町岐宿1643-1
アクセス:福江港から車で20分

2日目午前:福江島の絶景ビーチと美しすぎる教会をドライブ

写真:風祭 哲哉

地図を見る

水の浦教会から西へ20分ほど進むと、天然の海水浴場としては日本一の美しさともいわれる高浜ビーチが。まばゆいばかりの白砂の向こうには、澄みきった東シナ海。遠い南国リゾートの、誰も知らない秘密の花園のような景観が楽しめます。

2日目午前:福江島の絶景ビーチと美しすぎる教会をドライブ

写真:風祭 哲哉

地図を見る

高浜ビーチから40分、海と崖に挟まれた小さな集落にあるのが井持浦天主堂。福江島の最果ての厳しい地形の中に気高く佇むこの教会には、フランスのルルドを模倣して明治32年に作られた日本で最初のルルドがあるため、全国からの巡礼者が後を絶えません。

<井持浦天主堂の基本情報>
住所:長崎県五島市玉之浦町玉之浦1243番地
アクセス:福江港より車で50分

2日目午後:福江島から中通島へ。世界遺産をめぐるオプションも

2日目午後:福江島から中通島へ。世界遺産をめぐるオプションも

提供元:ながさき旅ネット

https://www.nagasaki-tabinet.com/

井持浦教会から福江までは島の中央部を貫通する道で戻ると早いのですが、夕方まで時間があれば島の南部を半周してみましょう。
途中、シンダーコンと呼ばれる珍しい形の火山として知られる鬼岳がありますので、裾野に沿ってその景観を楽しみながら福江港まで戻ります。

2日目午後:福江島から中通島へ。世界遺産をめぐるオプションも

提供元:ながさき旅ネット

https://www.nagasaki-tabinet.com/

福江島から中通島へは福江を夕方に出航するジェットフォイルに乗って奈良尾港へ。
ただし土・日・祝日であれば「五島列島キリシタンクルーズ」に参加して、久賀島の旧五輪教会堂や奈留島の江上天主堂などの世界遺産教会をめぐりながら中通島へと渡るコースもおすすめ。詳しくは関連MEMOをご覧ください。

中通島到着後は再びレンタカーを借りて宿泊地へ。町でグルメなどを楽しみたければ青方や有川などの市街地のホテルを、リゾートを満喫したいのであれば島北部の「五島列島リゾートホテル マルゲリータ」などを選びましょう。

3日目:世界遺産の頭ヶ島天主堂など、中通島の教会を満喫

3日目:世界遺産の頭ヶ島天主堂など、中通島の教会を満喫

写真:風祭 哲哉

地図を見る

中通島の頭ヶ島天主堂は島内で唯一、世界遺産として構成された12の資産のうちのひとつ。頭ヶ島は中通島東端の小さな島。昔は小船でしか来られなかったような隔絶された孤島で役人の目も届かなかったため、ここには多くのキリシタンが潜んでいました。

珍しい石造の教会は、中通島出身の棟梁・建築家である鉄川与助により設計施工されたもの。島の外から石工を招き、信者たちが近くの島から切出した石を積上げて、11年以上を費やしながら完成させた信仰の結晶だと言われています。

訪問には事前予約が必要で、アクセスは上五島空港からパーク&ライド形式のシャトルバスとなり、車での訪問はできませんのでご注意ください(詳細は関連MEMO「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター」参照)

<頭ヶ島天主堂の基本情報>
住所:長崎県南松浦郡新上五島町友住郷頭ヶ島638

3日目:世界遺産の頭ヶ島天主堂など、中通島の教会を満喫

写真:風祭 哲哉

地図を見る

中通島の北部、奈摩湾を見下ろす小高い場所に建つのが青砂ヶ浦天主堂。こちらも鉄川与助設計施工によるもので、日本人の手による初期煉瓦造キリスト教建築の代表作品の一つとして2001年に国指定重要文化財に指定されました。

この教会も「世界遺産の構成資産と一体的に保存・継承していく資産」として五島列島を代表する教会のひとつです。

<青砂ヶ浦天主堂の基本情報>
住所:長崎県南松浦郡新上五島町奈摩郷1241
アクセス:青方バスセンターから路線バスで20分、教会前下車すぐ

3日目:世界遺産の頭ヶ島天主堂など、中通島の教会を満喫

写真:風祭 哲哉

地図を見る

このほか中通島には冷水教会、大曽教会といった鉄川与助の遺した教会や、美しい海岸を望む多くの教会がありますので、帰りの時間まで五島列島の珠玉の教会めぐりをお楽しみください。

中通島からの帰りは有川港から長崎行きの高速船が便利です。所要は約1時間40分、午後の高速船に乗れば、長崎空港へ移動しても当日中に東京や大阪に帰ることができます。

悲しいくらい美しい、五島列島のめぐり方について

悲しいくらい美しい、と言われる五島列島。そこには迫害の嵐を逃れて人里離れた土地に住み着いたキリシタンたちが守り続けた、厳かで気高く、美しい教会とそれを包む豊かな自然があります。世界遺産登録となれば多くの観光客がここを訪れることでしょう。そこで静かなこの美しい島を守るためにぜひお願いしたいことがあります。

教会は信者の皆さんにとって大切な祈りの場です。見学の際は教会でのマナーをよく守り、厳粛な雰囲気の中で心静かにお過ごしください。また、ほとんどの教会の周辺は観光地ではなく、一般の方の生活の場です。お互いが気持ちよく過ごせるよう、ぜひ節度を守った行動を心がけましょう。

※写真撮影・掲載に当たっては大司教区の許可をいただいています。
※教会聖堂内の写真撮影は禁止となっています。ご注意ください。

2018年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/09/12−2012/09/13 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -