「岩間温泉 山崎旅館」は標高およそ800m、白山山麓にぽつんと一軒だけ建つ秘湯の宿です。一番近い集落はスキー場もある一里野。そこからおよそ5キロ、狭いつづら折りの県道が続くのです。
写真:泉 よしか
地図を見るとにかく片側は断崖絶壁。見下ろすと思わずくらくらするような谷底が。対面通行の難しい狭い箇所が多く、ガードレールのないところもしばしば。
行きは運転席が山側になりますので、もし同行者がいたら助手席で早めに対向車を見つけて教えて貰いましょう。
動画:泉 よしか
地図を見る20秒と短い動画ですが、岩間温泉 山崎旅館に至る道の雰囲気をお伝えします。宿泊される方で、これを見てもし運転する自信がないと思われたら、ぜひ事前に宿に送迎をお願いしましょう。
また、マイカー、レンタカーで行かれる方も明るいうちに余裕を持って宿に到着できるようスケジュールを組み立ててください。
写真:泉 よしか
地図を見る一里野を車で出発しておよそ15分から20分で山崎旅館に到着します。道の先に建物が見えてきたときは心からホッとするのではないでしょうか。
難路の奥にある山の中の宿ですから、雪が降ったらアクセスできません。毎年営業は6月から11月初めまで。例年この辺りの初雪は11月15日前後に観測されますが、雪の気配を待つことなく安全のために11月10日には冬期休業に入ります。
写真:泉 よしか
地図を見る客室は12室の本館と5室の別館からなり、秘湯ファンに人気なのは、古いながらも趣のある本館なのだとか。
本館には4畳半から8畳のお部屋まで。トイレや洗面台は共同ですが、隣室の人と仲良くなっちゃいそうな親しみやすい環境が魅力です。
写真:泉 よしか
地図を見るお部屋でもし時間があったら、卓上に置かれたドキュメンタリー「湯の道よ 永久に」を読んでみてください。
著者は館主の母である故 山ア久栄、主人公は館主の祖父である故 山崎信一。山中に湧き出でる岩間温泉の源泉を、一里野の集落のために使いたいと生涯を掛けて取り組んだ一人の男性の実話です。
頁をめくれば、この土地の自然の厳しさと当時の技術で温泉を引く工事の難しさをひしひしと感じるとともに、よくぞここまで苦難の末に温泉を引いたと、これから入る岩間温泉のありがたさがきっと身に沁みることでしょう。
※「湯の道よ 永久に」はフロントで販売もしています。
人里離れた大自然の中の秘湯には行きたいけど、トイレと洗面室付きの綺麗な部屋がいいという方には、本館ではなく5室ある別館がオススメ。
実は山崎旅館は7年間の休業を経て2012年にリニューアルオープン。その時に新しく作られたのがこちらの別館。客室は和室やツインのベッドルームなどひとつひとつ異なるデザイン。雰囲気重視のカップルや女子旅にもばっちり!
写真:泉 よしか
地図を見る別館の他にもリニューアルで綺麗になったところがあります。例えば浴室前にある湯上がり処。白山の石清水、柱状節理の六方石で湧く天然水が自由に飲めるようになっています。
写真:泉 よしか
地図を見る脱衣所も天井の梁を活かした洒落たデザイン。古き良き時代の湯治場の雰囲気と、新しくモダンな雰囲気の両方を楽しめるのも山崎旅館のポイント。
写真:泉 よしか
地図を見る山崎旅館の温泉は源泉掛け流し。ふわっととろみを感じるような優しいお湯で、滑るような肌触りが実感できます。
シャワーのお湯も温泉なので、少し出が悪いかもしれませんが、そんな時は浴槽のお湯を汲んで頭から被るのがツウな洗い方。湯口からはひしゃくで飲泉もできます。
写真:泉 よしか
地図を見る内風呂は男女別ですが、実は露天風呂は混浴です。混浴はムリと思う方もご安心を。山崎旅館では、脱衣所に専用の腰巻きを用意してあります。
女性は赤、男性は紺。お湯の中でも重くならず、透けることもありません。そしてこの腰巻きを体に巻かないと、露天風呂に出てはいけないルールなのです。
写真:泉 よしか
地図を見る露天風呂は岩風呂。そして男性側と女性側の間に大きな岩があるのがポイント。岩陰なら見られません。お湯はほぼ透明ですが、腰巻きと岩のおかげで女性にもかなり入りやすい混浴風呂となっています。
ですからぜひ男性も女性も、臆せずこの素晴らしい露天風呂に入ってみてください。
写真:泉 よしか
地図を見る山崎旅館の食事は山の中の秘湯らしいメニュー。例えば塩焼きにするイワナは夕食時間前に炭火でじっくりと火を通します。
写真:泉 よしか
地図を見るジビエにも定評あり。イノシシ肉はほぼ必ず夕食に上ります。まれに珍しい鹿肉や熊肉が手に入ることも。
白山の熊は国内でも特に味が良いと珍重されています。もし鹿や熊を召し上がりたい方がいらしたら、事前に余裕を持って宿に相談してみてください。
写真:泉 よしか
地図を見る飛騨牛のプランで申し込めばA5ランクの飛騨牛もいただけます。これがまたほっぺたが落ちそうなほど美味しい!
山崎旅館の建つこのあたりは、都道府県の区分は石川県ですが、昔から飛騨地方と文化交流があり、岐阜らしい食文化も。"す"が入った固めの豆腐「こも豆腐」などもその一つ。朝食で食べられますのでぜひ味わってみてください。
不便な立地ではありますが、ここが人里離れた山の中の秘湯だからこそ日常から離れた特別な休日が過ごせるかもしれません。
晴れた夜に山崎旅館の露天風呂に入れば、頭上は満天の星空。天の川も流れ星もはっきり見えるほど。この感動を味わいに、あなたもぜひ訪れてみてください。
2018年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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