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写真:塚本 隆司
地図を見る朝6時、明けの鐘が聞こえてくる。
ここは、長崎五島・小値賀島の宿「小西旅館」の屋上。朝日を眺めていると、寺鐘が鳴り始めた。海の向こうの島々からか、教会の鐘の音も聞こえてくる。小値賀島のいつもの朝は、旅人にとって幻想的で忘れがたい響きだ。
長崎県北松浦郡小値賀町には大小17の島があり、6つの島に集落がある。その中心的役割を担っているのが小値賀島だ。
東隣りの朝日が昇る島は、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」のひとつ「野崎島の集落跡」として知られる野崎島だ。今やほぼ無人の島と化し「旧野首教会」と朽ち果てた集落跡が潜伏キリシタンの物語を残す。
写真:塚本 隆司
地図を見る写真:塚本 隆司
地図を見る五島列島の北部に位置する小値賀島は、古くからアジアとの交易の要衝として重要な役割を果たしてきた。
地図には小値賀空港があるが、現在定期便は就航していない。
小値賀港へは佐世保港からフェリーで約3時間、高速船なら約1.5時間。福岡港からならフェリーで約5時間の場所にある。博多港や福江港(五島市)、青方港(新上五島町)、有川港(新上五島町)を結ぶ便も運航しており、発着時刻など詳しくは小値賀町役場の公式ページを参考にしてほしい。
写真:塚本 隆司
地図を見る世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」のひとつ「野崎島の集落跡」へ行くなら、町営渡船「はまゆう」を利用することになる。発着所は小値賀港ターミナルから徒歩5分。時期により変動するが、1日2往復が基本と便数が少ないため事前の計画が重要になる。
小値賀での旅を助けてくれるのが、NPO法人おぢかアイランドツーリズム協会だ。7日前までに申込が必要な野崎島への上陸の窓口でもあり、旅のプランや悪天候時の対応など心強いサポートをしてくれる。
<町営船「はまゆう」>
料金:片道500円、小学生以下250円
便数:1日往復2便
発着時間や運休日、増便情報など、詳しくはおぢかアイランドツーリズム公式ページを確認ください。
写真:塚本 隆司
地図を見る小値賀港ターミナルは、五島列島北部における観光拠点で売店や貸自転車などがある。NPO法人おぢかアイランドツーリズム協会の窓口も売店のとなりだ。
小値賀島に泊まることをおすすめしたい理由は、旅人を魅了してやまない島の魅力があるからだ。
<おぢかアイランドツーリズム>
住所:長崎県北松浦郡小値賀町笛吹郷2791-13 小値賀港ターミナル内
連絡先:0959-56-2646
営業時間:9時〜18時、年末年始を除き無休
写真:塚本 隆司
地図を見る海に囲まれ漁師も多いのに、実は魚屋がない小値賀島。島では魚は当たり前すぎて、自分で捕るか、野菜などと物々交換で手にするものらしい。
そんな魚の島で、下手な魚料理を提供する店など存在するわけがない。魚好きの旅人には夢のような島だ。
特に島で力を入れているのが、長崎の人が「いっさき」と呼ぶイサキ。写真の盛り合わせにドンと構えているのが小値賀島のブランド魚「値賀咲(ちかさき)」だ。
写真:塚本 隆司
地図を見る観光客を小値賀の幸で迎えてくれるのが「古民家レストラン 藤松」。捕鯨や酒造りで財を成した藤松家の屋敷跡を改装したレストランだ。島の旬の食材と100%天然の魚をふんだんに使ったコース料理を提供してくれる。2018年6月から夜の営業を開始し、小値賀の夜が一層魅力的なものになった。
写真は「島幸コース 雅」(2人前)。1人前5400円(税込)。この日の魚は、アカジョウ(アカハタ)をメーンに、自慢の値賀咲、ハガツオなどが並ぶ。一品も全て島の幸。天草で作ったところてんや特産ピーナツの豆腐など、揚げ物、焼き物、煮物と小値賀の幸を存分に楽しめる。混ぜるととろみが出るカジメやアオサ、ワカメを使ったみそ汁も、普段は味わえない旅ならではの一杯だ。
値賀咲の棒寿司は、世界文化遺産登録を意識した新メニューで小値賀港でも販売されている。
写真:塚本 隆司
地図を見る<古民家レストラン 藤松>
住所:長崎県北松浦郡小値賀町前方郷3694
営業時間:11時〜15時(ラストオーダー)、18時〜22時(最終入店20時、ラストオーダー21時半)
定休日:年末年始、火曜日(祝日の場合は営業、翌日が休み)、行事や天候により休業あり
予約:前々日18時まで
連絡先:0959-56-2646(おぢかアイランドツーリズム)
写真:塚本 隆司
地図を見る小値賀島の特産品として注目されているのが落花生。北隣の納島で子どものおやつように作り始めたのがきっかけで、おいしさが評判を呼び小値賀町の名物になった。おいしさの秘密は島を覆う赤土。ミネラルが豊富な粘りけのある赤土が、大きくなろうとするのをグッと抑えて甘みを凝縮。小粒ながら味が濃い。塩煎りはもちろん、ピーナツバターなどのお土産が人気だ。
写真:塚本 隆司
地図を見る小値賀島の特産を生かした商品開発をしている「小値賀町担い手公社」のおすすめがピーナツカレーだ。レトルトタイプではなく、スパイスとピーナツペーストにレシピがセットになった「カレーブック」。30分ほどで本格的なスパイスカレーが作れる4人前キットになっている。
土産話と一緒に手作りピーナツカレーなら、旅の後の楽しみが倍増だ。
写真:塚本 隆司
地図を見る他にも、島ならではの海産物を使ったお土産がターミナルの売店に並んでいる。おすすめは、ハガツオを薫製した生節。そのままでもよし、パスタに和えるのもよし。コロッケに入れるのもおいしいとか。生のアジを使ったかまぼこも島だからできる逸品だ。
写真:塚本 隆司
地図を見る小値賀島の宿は、民宿や旅館が10軒。最近では民泊や古民家ステイにも力を入れている。小西旅館は、小値賀港から一番近い旅館だ。
写真:塚本 隆司
地図を見る写真:塚本 隆司
地図を見るうまい魚がメーンの朝食に食が進む。1泊朝食付きでの宿泊では、女将さんらと話をできるのもほんのひととき。アットホームな雰囲気に島の人たちとの交流の時間をもっと持ちたくなる。
できれば2泊して、島のことなどゆっくり話を聞きたくなるのも小値賀島の魅力だ。小さな島だが、有名人も多く訪れているのが納得できる。
世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」で注目の五島列島。実際のところ、個人でプランを組むのはなかなか難しい。
小値賀島は、五島の北部を訪れるなら、きっと一度は上陸することになる島だ。うまい島の幸と温かな島の人たち。そして、小値賀島ならではの体験。旅の中継地として素通りしてしまうのはもったいない。
2018年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
取材協力:長崎県
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