写真:万葉 りえ
地図を見る与謝野晶子など多くの文人たちに愛され、志賀直哉の滞在は「城の崎にて」という名著を生み出しました。しかも過去の文人たちだけでなく、万城目学氏や湊かなえ氏など現代のベストセラー作家にも愛されている城崎温泉。ここにはゆかりの深い作家に関連する品々を展示した「城崎文芸館」があります。
その文芸館と同じように町の中心を流れる大谿(おおたに)川の南側に、300年の歴史があり、日本でここだけに伝わっている麦わら細工を紹介する「城崎麦わら細工伝承館」が建っています。白壁の土蔵を活かした建物なので、川沿いを歩けば目に入ってくることでしょう。
写真:万葉 りえ
地図を見る着色したわらを細くさいてから小箱などに貼り付けて模様を作っていく、麦わら細工。この技術は、約300年ほど前、城崎に湯治に来た職人が竹笛などに色麦わらを貼って売ったのが始まりと言われています。その後技術が進み、さらに高名な画家が下絵を作るなど芸術作品が作られるようになっていきました。
江戸時代の長崎で医者として赴任していたシーボルト。彼は帰国する際に様々な日本の文物をヨーロッパに持ち帰りましたが、城崎麦わら細工もそのコレクションに入っていたそうです。
伝承館では江戸時代から伝えられてきた技法や歴史を紹介するだけでなく、作品も展示しています。現代の作家の作品を中心に展示している1階では、作品が生まれてくる工程も映像を使って紹介しています。映像を見るだけでも、緻密な模様を作っていく作業にため息が出てくるでしょう。
写真:万葉 りえ
地図を見る写真をご覧になって、小箱に描かれているのは日本画…?と思われたかもしれませんが、こちらは2階に展示されている江戸時代から昭和初期にかけて作られた作品の一つです。まるで筆で表したかのようにミリ単位以下で麦わらを調節して表している超絶技巧の世界!材料には、細く裂いていくとまるで絹のような手触りになり、上質の艶を出す大麦のわらが使われます。
写真:万葉 りえ
地図を見る他にも、どれだけの時間を費やして作成されたのか想像できない作品が展示されているので、麦わら細工の奥の深さをじっくりとご覧になってください。
写真:万葉 りえ
地図を見る芸術性の高い作品を見れば、麦わら細工の作品が欲しくなるでしょう。暑い季節なら、カバンに入れられる大きさの団扇(うちわ)など、自分用に、そして誰かへのお土産に良さそうですよね。
写真:万葉 りえ
地図を見る伝承館では絵はがきや小箱などの麦わら細工の体験受付も行っています。作品の大きさにもよりますが、20分くらいで作り上げられるものもあるので、伝承館の方と難しさなどを相談しながら選ぶと良いでしょう。
歴史も風情もあり、一年を通して訪れる人が絶えない城崎温泉。温泉に癒されるだけでなく、それぞれの季節の日本海の幸もたっぷり味わっていってくださいね。
住所:兵庫県城崎町湯島376-1
電話番号:0796-32-0515
アクセス:JR城崎温泉駅から徒歩10分
閉館日:毎週水曜日
2018年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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