京都「酬恩庵一休寺」一休さんのお寺は穴場紅葉スポットだった

京都「酬恩庵一休寺」一休さんのお寺は穴場紅葉スポットだった

更新日:2018/10/08 17:20

bowのプロフィール写真 bow トラベルライター
京都府南部にある京田辺市。ここに“とんちの一休さん”でお馴染みの一休禅師ゆかりの寺があります。その名も「酬恩庵(しゅうおんあん)一休寺」。2018年秋のJR東海「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンにも選ばれ、隠れた紅葉名所として今注目を集めています。

あの「一休さん」ゆかりの寺

あの「一休さん」ゆかりの寺

写真:bow

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昭和50年代から60年代にかけて放映されたアニメ「一休さん」。とんちを使って次々と難題を解決していく痛快なストーリーは、最高視聴率が40%を超えたという子供たちに人気の番組でした。その一休さんのモデルになったのは室町時代を生きた一休禅師(一休宗純)。その一休が晩年、この世を去るまで25年間にわたって過ごした「一休寺」と呼ばれる禅寺があります。

あの「一休さん」ゆかりの寺

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一休寺の正式名称は「酬恩庵(しゅうおんあん)」。もともとは大徳寺を開いた高僧・大燈国師の師である大応国師(南浦紹明)が、鎌倉時代に開いた禅の道場「妙勝寺」がルーツ。その妙勝寺が戦火により荒廃していたのを一休禅師が中興。宗祖のご恩に報いるという意味を込めて「酬恩庵」と名付けられたのです。

知る人ぞ知る紅葉穴場「酬恩庵一休寺」

知る人ぞ知る紅葉穴場「酬恩庵一休寺」

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そんな一休寺は境内にもみじのトンネルが続く、知る人ぞ知る紅葉名所!そして一休寺は2018年秋のJR東海キャンペーンの寺院に選ばれ、一気に注目度が上昇中!

ちなみに一休寺があるのは京都府南部・京田辺市。今までは京都市内中心部からは遠いイメージがありましたが、阪神高速京都線の開通により格段にアクセスが向上しています。そして京都市内と比べても「紅葉渋滞」なども起きない、ある意味穴場な存在。京都にいながら快適に紅葉を楽しめるというのも特筆できるポイントです。

知る人ぞ知る紅葉穴場「酬恩庵一休寺」

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紅葉の見ごろは例年11月下旬で、紅葉最盛期の参道は真紅に染まってフォトジェニック!ついつい参道で足が止まり、なかなか先へ進めない人も多いのではないでしょうか。

知る人ぞ知る紅葉穴場「酬恩庵一休寺」

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また見ごろを過ぎても、もうひとつの楽しみがあります。それは”散りもみじ”や”敷きもみじ”と呼ばれる散ったあとの紅葉。石畳の参道脇には青々とした苔のじゅうたんが広がっており、その上に敷き詰められる赤々とした落ち葉は京都らしい情緒に溢れる光景なのです。

一休寺で出会う「一休宗純」

一休寺で出会う「一休宗純」

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総門をくぐればすぐに目に入って来る大きな「一休禅師墨蹟碑」。一休禅師の書体でお釈迦様の教え「諸悪莫作、衆善奉行」と書かれています。これは「悪いことをするな、善いことをせよ。そうすれば自然と心が清く美しくなる。」という、一見当たり前のような真理が書かれています。

一休寺で出会う「一休宗純」

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境内には画像の石像をはじめいくつかの像がありますが、中でも方丈にある「一休宗純木像」は重要文化財。これは一休が亡くなる直前に弟子たちに命じ造らせたもの。今にも動き出しそうなリアリティに溢れる木像なのですが、一休は自らの頭髪と髭を像に植え付けたそう。現在は残念ながら抜け落ちてしまっていますが、その痕跡をじっくりと見てみましょう。

一休寺で出会う「一休宗純」

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また一休寺には一休禅師の墓所「宗純王廟」もあります。一休禅師は後小松天皇の皇子であるため、お墓は陵墓扱いで宮内庁が管理しています。そのため門扉に菊の御門も。

そういえばアニメでも幼少の頃に出家させられていたり、将軍様と度々会っていたりというのは一休の出生に秘密があったのです。

一休寺で出会う「一休さん」

一休寺で出会う「一休さん」

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一休寺では「一休宗純」だけではなく、「一休さん」にも出会えます。境内には見慣れた小坊主姿の一休さんの像もあるのです。ほうきを持って掃除中の一休さんですが、世の中の汚れを箒で一掃して明るい世の中にしたいとの願いがこめられているそう。とんちの一休さんだけに頭を撫でればご利益があるとされるのか、頭の部分はテッカテカになっています。

一休寺で出会う「一休さん」

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さらには一休さんの有名エピソードのひとつでもある「このはしわたるべからず」の橋も境内にありますので探してみてください。ついつい橋の真ん中を渡ってしまいたくなりますね。

一休寺で出会う「一休さん」

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他にも絵馬所や、絵馬のデザインにも一休さんを見ることができます。絵馬には「一日一善」ではなく「一善一年」と書かれていますが、一休寺の絵馬は願掛けではなく、誓いごとをするための絵馬。1月1日生まれの一休禅師にちなんで「一善一年」、つまりこの一年努力する善い行いを年初に誓い、善哉(ぜんざい)をいただいて成就を願うという風習があります。

ちなみに善哉は、一休禅師が大徳寺の住職からお餅の入った小豆汁をごちそうになり「善哉此汁(よきかなこのしる)」といったところから善哉となったと言われています。

一休寺、その他のみどころ

一休寺、その他のみどころ

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一休禅師手植えとされる名物の三本杉があり、この杉は蓮如上人が1本、さらにもう1本はあの蜷川新右衛門が植えたとされています(現在は2代目の杉に代替わりしています)。

自分の知っている一休さんと、リアルに生きた一休禅師がどう生きたのか。ここで出会い、深く知ってみるのも楽しいのではと思います。

一休寺、その他のみどころ

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そしてもちろん京都らしい禅寺の風情というのも存分に味わってほしいもの。とくに方丈では時間をかけてゆっくりと過ごすことをオススメ。方丈を囲む枯山水式庭園は江戸時代を代表する庭園として名勝に指定されていて、北庭・南庭・東庭と趣の異なる三つの姿を楽しめます。また方丈では狩野探幽による襖絵も見逃せません。

一休寺、その他のみどころ

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そして一休寺では素晴らしい紅葉とも出会えるということ。境内には切り取って持って帰りたくなるような光景がそこかしこに待っています。まさに紅葉の穴場というべき一休寺、この紅葉シーズンに足を運んでみてはいかがでしょうか?

酬恩庵一休寺の基本情報

住所:京都府京田辺市薪里ノ内102
電話番号:0774-62-0193
時間:9:00〜17:00(宝物殿 9:30〜16:30)
拝観料:中学生以上500円、小学生250円
アクセス:JR学研都市線「京田辺」下車徒歩約15分、近鉄京都線「新田辺」下車徒歩約20分

2018年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/11/21 訪問

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