兵庫県たつの市「觜崎磨崖仏」は寝釈迦の嶺を向くお地蔵さま

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兵庫県たつの市「觜崎磨崖仏」は寝釈迦の嶺を向くお地蔵さま

兵庫県たつの市「觜崎磨崖仏」は寝釈迦の嶺を向くお地蔵さま

更新日:2018/08/19 15:18

政田 マリのプロフィール写真 政田 マリ 仏像ナビゲーター
兵庫県たつの市、そうめんの産地として知られる揖保川沿い「觜崎(はしさき)」はゴツゴツとした岩肌がむき出しの山が連なり、その大岩には「屏風岩」「タイコ岩」など名前が付けられ親しまれています。觜崎橋のそばの大岩には断崖に小さく彫られた仏像(磨崖仏)があります。子供のように可愛らしく、右手に錫杖、左手に宝珠を持つその姿は地蔵菩薩。その視線の先、対岸にはお釈迦様の堂々たる寝姿が!?
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特異な地質の神秘の山「鶴嘴山」

特異な地質の神秘の山「鶴嘴山」

写真:政田 マリ

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兵庫県の南西部に位置する兵庫県たつの市、揖保川に架かる觜崎橋(はしさきばし)の東側にある「鶴嘴山(つるはしやま・写真)」は、深い緑にところどころから覗く岩肌が目をひく標高263mの山です。その頂上から揖保川にかけて岩が連なりそびえ立つ「觜崎屏風岩(はしさきびょうぶいわ)」は、安山岩が露出した岩脈で、地質学上貴重な資料として天然記念物に指定されています。

この特異な姿に太古の人々は神秘を感じていたようで、奈良時代の「播磨国風土記」にも屏風岩に関する記述が登場します。

特異な地質の神秘の山「鶴嘴山」

写真:政田 マリ

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このあたりは揖保川と瀬戸内海からの水運のほかに、山陽道・美作道(みまさかどう)、因幡街道(いなばかいどう)など交通の要衝として発展してきました。

橋の東詰南側には、以前ここに渡し舟があったことを示す石碑があります。その渡し舟は、ちょうど揖保川の対岸の山々が頭を南にした釈迦の横たわる姿に見えることから「寝釈迦の渡し」と呼ばれ、街道を行く人々が利用して大いに賑わっていました。

渡し舟は現在「觜崎橋」に

渡し舟は現在「觜崎橋」に

写真:政田 マリ

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現在は渡し舟の代わりに立派な「觜崎橋」があります。橋から上流を見渡すとJR姫新線が走る橋梁が架けられていて、山々の緑の中、揖保川を横切る電車の姿はとても清涼感があり、撮影スポットとしても人気があります。

その橋の東岸にあるのが、今回ご紹介する「觜崎磨崖仏」です。

渡し舟は現在「觜崎橋」に

写真:政田 マリ

川沿いの細い砂利道を北へ入っていくのですが、とても見つけにくいです。ちょうど入り口に昭和61年に新宮町教育委員会が設置した手描き看板があるので、それを頼りに曲がってください。

渡し舟は現在「觜崎橋」に

写真:政田 マリ

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しばらく川沿いを歩くと大きな岩が見えてきます。高さが15mほどあろうかというその岩肌のちょうどまん中に地蔵菩薩が彫られています。

見上げる先に等身大の地蔵菩薩

見上げる先に等身大の地蔵菩薩

写真:政田 マリ

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15mほどの大きな岩に対して2m、ほぼ等身大の地蔵菩薩は少し小さく感じてしまいます。彫られているのは高さ7mのあたりで、岩のすぐそばから見上げると半立体の厚肉彫りで彫られていることがよくわかります。

なぜこの高さに彫られたのか、詳しくは分かっていませんが、川を挟んで対岸にこの磨崖仏の拝殿があり、そこからでも見えるように少し高めの場所に彫られたともいわれています。

見上げる先に等身大の地蔵菩薩

写真:政田 マリ

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宝珠を右手に、錫杖を左手に持つ僧形のお姿。法衣の裾の襞も細かく彫られ、光背の舟形に厚みを持たせ、蓮の台座もうっすら残っていて、像の周囲も丁寧に彫られていることがよくわかります。

また、銘文も刻まれていて、南北朝時代の文和3年(1354)10月24日に藤原某氏(解読不明)の追善供養のために彫られたとあります。制作年代が明らかな磨崖仏としては兵庫県内最古のものです。

周囲に額縁のように縁取られた線と四角い穴は、以前この磨崖仏に屋根が付けられていた跡。風雨にさらされ磨耗により仏像が消えてしまわないように付けられたと思われ、信仰心が深かったことがうかがえます。

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近くに地蔵磨崖仏がもう4体

近くに地蔵磨崖仏がもう4体

写真:政田 マリ

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実は地蔵菩薩が彫られた磨崖仏は近くにもう一箇所あります。

先ほどご紹介した磨崖仏から10mほど上流に行くと、同じく川沿いに大きな岩肌が見えてきます。その左下部に、よく見るとうっすらと小さな地蔵菩薩が4体見えてきます。

近くに地蔵磨崖仏がもう4体

写真:政田 マリ

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磨耗が激しく、4体あるうちの2体しか顔がわからず、他2体に関してははっきりした容姿はわかりませんが、光背が残っており、そこに4体並んでいたことがわかります。

高さは1体1mほど。小さいながらも錫杖など持物も確認でき、こちらも細部まで丁寧に彫られていたと思われます。

地蔵尊が向く先には寝釈迦の山々

地蔵尊が向く先には寝釈迦の山々

写真:政田 マリ

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磨崖仏の岩の上に古宮天満宮という神社があり、その階段の横には「寝釈迦嶺」の文字が入った歌碑があります。階段を上がり対岸を見ると、ちょうど釈迦の寝姿と例えられた嶺がよく見え、磨崖仏の真向かいが足のあたりになります。ダブルの仏さまに守られたこの里は聖なる場所だったのでしょう。

寝釈迦の嶺に向かう形で小さな地蔵尊が合計5体刻まれた「觜崎磨崖仏」。地元の方々の心の拠り所であり、長い旅の道中、「寝釈迦の渡し」で舟を利用する人々から旅の安全を祈念されてきました。屋根を失ったものの長年の風化に耐え、その貴重な姿を今に伝えています。みなさんもぜひ訪れてみてください。

觜崎磨崖仏の基本情報

住所:兵庫県たつの市新宮町觜崎
アクセス:JR姫新線「東觜崎」から北へ徒歩15分、觜崎橋東詰を北へ5分

2018年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2018/07/31 訪問

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