観光列車「おいこっと」で行く信州・飯山線ほっこり癒し旅

観光列車「おいこっと」で行く信州・飯山線ほっこり癒し旅

更新日:2018/08/17 12:33

和山 光一のプロフィール写真 和山 光一 ブロガー
千曲川沿いにのどかな田園風景が連なる、信州・長野と新潟・十日町を結ぶ飯山線には、観光列車「おいこっと」が走っています。ふるさと=田舎をイメージしてもらうため、東京の真逆にあるという意味でTOKYOの英語表記を反対にした「おいこっと」とひらがなで表現されています。大きな窓やボックス席、駅への立ち寄り停車、指定券があれば普通運賃だけで乗れる観光列車です。ふらっと気軽に楽しめる列車の旅はいかがですか。

いいかわ、いいそら、いいやません「おいこっと」

いいかわ、いいそら、いいやません「おいこっと」

写真:和山 光一

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コンセプトである“日本人のこころのふる里”を代表するローカル線として、訪れる人すべてにやすらぎと癒しを提供したいという思いと、田園風景や山、川など日本人が描くふるさと(田舎)をイメージにした列車が「おいこっと」です。土・日曜・祝日を中心に飯山線(一部しなの鉄道)の長野〜十日町間を1往復しています。

車両の正面等に描かれているアイコンは、「雪ん子」をイメージしたキャラクターと「おいこっと」が組み合わされ親しみのあるデザインで表現されています。

いいかわ、いいそら、いいやません「おいこっと」

写真:和山 光一

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外観デザインは、「ふる里」や「おばあちゃんの家」を連想する茅葺屋根の民家の襖や障子などをイメージしたものです。

また唱歌「故郷」(作詞・高野辰之:長野県中野市出身)の歌詞『兎追ひしかの山、小鮒釣りしかの川・・・』に登場する「兎」「山」「小鮒」などを、ふるさとをイメージした影絵風のマークが車両の内外に描かれていて、民話の世界観が楽しめます。

いいかわ、いいそら、いいやません「おいこっと」

写真:和山 光一

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1号車の車体は、クリーム色(アイボリー)とエンジ色の専用塗装。写真の2号車は、正面〜ドアにかけても色が反転してエンジ色ベースになっています。

古民家風の車内に散りばめられたロゴ

古民家風の車内に散りばめられたロゴ

写真:和山 光一

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内装も子どもの頃、夏休みに遊びに行っていたおばあちゃんの家のような、懐かしさ、楽しさを感じさせる「古民家」風のこころ落ち着く内装デザイン。床が板張りであったり、座席のシートが座布団のようなかすり生地風の和風柄だったりと温かみのある雰囲気を出しています。

車内の上部に備え付けられたモニターテレビかからは、沿線の観光地を紹介するDVDが流され、旅の気分を盛り上げてくれます。

古民家風の車内に散りばめられたロゴ

写真:和山 光一

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座席の配列は、赤茶色の布地の4人掛けボックスシートと通路を挟んで紺色の布地の2人掛け対面シート、そして端の両側にロングシートという配置。ロングシートは2席ごとにテーブル収納を兼ねた肘かけで区切られています。全席指定なのですが、えきねっとでは、予約の際座席指定ができないので注意してください。

ボックス席では1号車、2号車ともに2人掛けシートのほうが千曲川側になります。車窓からの眺めは千曲川側がおすすめです。写真を撮るのも朝方は逆光気味ですが問題ありません。反対に午後からは車体が影になってしまい手前に影が映り込んでしまいます。

古民家風の車内に散りばめられたロゴ

写真:和山 光一

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座席の種別の間仕切りや窓と窓の間の柱には、外装と同様「兎」「山」「小鮒」などの影絵風のマークがあしらわれています。

飯山線沿線の車窓と途中停車駅を楽しむ

飯山線沿線の車窓と途中停車駅を楽しむ

写真:和山 光一

車内では、沿線の木島平村出身の常田富士男さんのナレーションが流れます。「まんが日本昔ばなし」などでおなじみの声は、おいこっとの雰囲気にぴったりで沿線の魅力を語ってくれています。

長野駅から飯山駅までは雄大な千曲川沿いの里山の景色を見ながら列車に揺られいきます。写真の山は標高1351.5m、中野市・山ノ内町・木島平村の境界に位置する「高社山」で、別名「高井富士」とも呼ばれています。

飯山線沿線の車窓と途中停車駅を楽しむ

写真:和山 光一

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「おいこっと」は快速電車とありますが、長野駅から十日町駅までの間約86kmを約2時間半かけて走ります。途中「替佐」「飯山」「北飯山」「戸倉野沢温泉」「森宮野原」「津南」の6駅に停まりますが、特に飯山駅で15分、新潟県に入る手前の森宮野原駅で15分と発着に時間があります。

長野から40分程で2つ目の停止駅「飯山」に到着します。北陸新幹線の停車駅でもあり、新幹線なら10分です。15分程度の停車時間がある飯山駅では「おいこっとまるしぇ」をのぞいてみましょう。おいこっとの運転日にあわせて、飯山駅で地元ゆかりの品を販売しています。

飯山線沿線の車窓と途中停車駅を楽しむ

写真:和山 光一

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停車駅である北飯山駅と戸狩野沢温泉駅の間に「信濃平」があります。通過駅なのですがこの駅の駅舎は、貨物列車の車両を待合室に使ったもので、無人駅のホームの向かい側には菜の花畑が広がり、春には黄色の花絨毯が迎えてくれます。また飯山線を走る「おいこっと」との風景は撮り鉄の絶好のポイントになっています。

まだまだあります途中停車のお楽しみポイント

まだまだあります途中停車のお楽しみポイント

写真:和山 光一

戸狩野沢温泉駅ホームでは、野沢温泉に伝わる木造りの夫婦道祖神が迎えてくれます。八衛田毘古(男)神、八衛田毘賣(姫)神と伝えられる縁結び・子宝の神さまです。野沢温泉道祖神火祭りにゆかりの深く、野沢の火祭りは、「無病息災」「家内安全」「五穀豊穣」を願い、毎年1月15日に行われる国の重要無形民俗文化財に指定されている日本三大火祭りに数えられる祭です。

停車時間が1分しかないので写真を撮ったらすぐに近くドアから車内に飛び込みましょう。

まだまだあります途中停車のお楽しみポイント

写真:和山 光一

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新潟県との県境近くにある「森宮野原駅」は日本有数の豪雪地帯・栄村にあります。昭和20年(1945)2月12日に7.85mの積雪を記録したという「日本最高積雪地点」の標識がそびえたっています。標柱には50cmづつ目盛がうたれていてホームから日々の積雪量がわかるようになっています。3階建ての家ぐらいあるのかと考えると驚きですね。

まだまだあります途中停車のお楽しみポイント

写真:和山 光一

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森宮野原駅からトンネルを抜けるとそこは雪国・新潟県に入ります。千曲川は新潟県に入ると名前を信濃川と呼ばれるようになります。ちなみに全長367kmの信濃川のうち千曲川は上流の長野県内部分214kmをいいます。

「おいこっと」車内でのおたのしみ

「おいこっと」車内でのおたのしみ

写真:和山 光一

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「おいこっと」には「おいこっとあてんだんと」が一人乗務しています。昔なつかしい「もんぺ姿」で、車内での観光放送、記念撮影の補助、車内販売などの旅のお手伝いをしてくれています。

ふるまいのおもてなしとしては、木島平米のふるまいや飯山市内にある酒蔵の日本酒のふるまい、中野市産のりんごジュースのふるまいなどが日替わりで行われています。とりわけ、車内のおもてなしとして信州のお茶うけの定番「野沢菜漬」は毎回ふるまわれますよ。

「おいこっと」車内でのおたのしみ

写真:和山 光一

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車内や停車駅では日本の雪国で古くから用いられていた防雪具「すげぼうし」をかぶって写真を撮影することが可能です。誰でも可愛く写る「雪ん子」に変身、おいこっとキャラクターもかぶっています。

「おいこっと」車内でのおたのしみ

写真:和山 光一

車内では、乗車記念に写真のプラカードを持って記念撮影を「おいこっとあてんだん」に撮ってもらったり、連結部近くに置いてある乗車記念スタンプカードにスタンプを押すこともできます。

また車内販売では車内限定グッズとして、コースター(2枚入り)500円・ピンバッチ540円・キーホルダー750円・クリアファイル(2枚入り)500円を販売しています。

飯山線観光列車「おいこっと」の基本情報

運転区間:長野駅〜十日町駅 ※冬季は長野駅〜戸狩野沢温泉駅
運転日:土曜・日曜・休日で全車指定席(禁煙)
料金:乗車券と指定席券520円(利用日の1カ月前10時より販売)
※しなの鉄道線(長野〜豊野駅間)と飯山線直通で運転しており、別途250円必要な場合あり。(青春18きっぷ利用の場合等)
運転時刻:長野発9:15⇒十日町11:50着 /十日町発15:30⇒長野着18:07

2018年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/08/04 訪問

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