長野県松本市・白骨温泉の見所〜秘湯で自然・文学散策を満喫!

長野県松本市・白骨温泉の見所〜秘湯で自然・文学散策を満喫!

更新日:2018/08/16 14:09

松縄 正彦のプロフィール写真 松縄 正彦 ビジネスコンサルタント、眼・視覚・色ブロガー、歴史旅ブロガー
中部山岳国立公園、乗鞍岳に近い長野県松本市安曇にある白骨温泉。ここは温泉だけでなく静謐な空気と自然がじっくりと楽しめる場所。また若山牧水など文人や墨客とも深いつながりがある場所です。都会をはなれ、自然の中で散策を楽しみませんか?四季折々の見どころもここにありますよ。

山奥の温泉地「白骨温泉」

山奥の温泉地「白骨温泉」

写真:松縄 正彦

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古来、“三日入れば三年風邪をひかない”といわれたのが白骨温泉です。中部山岳国立公園内にある山奥の温泉地ですが、ここは温泉を楽しむだけでなく、のんびりと自然の中で散策を楽しめる場所でもあります。早速出かけましょう。

山奥の温泉地「白骨温泉」

写真:松縄 正彦

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ここの湯は、炭酸石灰分が多く乳白色をしている事が特徴ですが、温泉の噴出口周囲にはこの石灰分が堆積し、大きな岩のように固まった光景がみられます。これが「噴湯丘」といわれるものです。

温泉地を流れる川を挟んだ両側2ヶ所でこの噴湯丘を見る事ができます。なかには球状になった石灰岩があり、これは国の天然記念物になっています。

<基本情報>
アクセス:噴湯丘は白船グランドホテルの脇(写真)と、かつらの湯・丸永旅館脇にあります(関連MEMO欄参照)。
白船グランドホテルまでは観光案内所(後述段落の基本情報参照)から車で数分、徒歩では登り道を約10〜15分程

山奥の温泉地「白骨温泉」

写真:松縄 正彦

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白骨温泉は胃腸病や呼吸器疾患などに効用があるとされていますが、江戸時代に、この効用を得た伊那谷、三河や飛騨からの湯治客の方々が建立したといわれるのが「三十三観音」です。中央に地蔵様がおられ、その両脇に一列にずらりと観音様が並んでおられます病気も治癒を祈願してみるのもいいでしょう。

なお、散策途中で困るのがトイレですが、この観音様の近くに公衆トイレがあります。非常にきれいなトイレですので、ここを利用されると良いでしょう。

<基本情報>
アクセス:観光案内所から徒歩約5分

水が豊富で絶景が眼の前に!

水が豊富で絶景が眼の前に!

写真:松縄 正彦

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三十三観音の近く、道路沿いにあるのが「竜神の滝」です。白く輝く幾重もの水流が岩肌を激しく流れています。夏に近づけば涼感満点、とても涼しくてその場を離れがたくなりますが、ここは、春には木々の緑と、また秋には紅葉と水の白さとのバランスが絶妙と、四季によって違う魅力が堪能できます。但し、この滝は道路沿いの斜面にありますので往来の車には充分にご注意ください。

<基本情報>
アクセス:三十三観音から徒歩約4分

水が豊富で絶景が眼の前に!

写真:松縄 正彦

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滝を楽しんだら、道路をはさんだ向かいにある細い道を下りましょう。しばらくすると橋が見えてきます。この橋の前方左にみえるのが「隧(つい)通し」といわれる場所です。ここは白骨温泉の中央を流れる川の急流が石灰岩を浸食して開けた自然のトンネルで、涼感抜群の光景です。

水が豊富で絶景が眼の前に!

写真:松縄 正彦

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またこの隧通しの周囲は「冠水渓」といわれ、ゴツゴツした岩肌の間を水が激しく流れています。橋の手前がベストスポット。紅葉の時期には美しい光景がひろがります。

<基本情報>
アクセス:竜神の滝から下り道を徒歩約5分

若山牧水ら文人が愛した白骨温泉

若山牧水ら文人が愛した白骨温泉

写真:松縄 正彦

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白骨温泉をこよなく愛した文人がいます。自然や旅を愛した歌人・若山牧水です。名前に“水”が入っているように、水が豊富なこの地を好きだったのもうなずけますが、牧水亡き後、夫人(喜志子)も夫を偲んでこの地を一人で訪ねたといわれます。この関係でこの地には「若山牧水・喜志子夫妻の碑」が建てられています。

また、この碑のすぐ横に薬師堂があります。白骨温泉が胃腸病などに効用がある事から薬師様が信仰され、江戸時代にここに建てられたものです。ちなみに若山牧水は急性胃腸炎と肝硬変を併発したのが死因とされています。

<基本情報>
アクセス:湯元斉藤旅館(関連MEMO欄参照)の入り口にあります。
観光案内所から車で数分、徒歩では登り道を約10分〜15分程度

若山牧水ら文人が愛した白骨温泉

写真:松縄 正彦

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他にも文人や墨客に愛された白骨温泉ですが、実は有名な小説にも登場します。長編時代小説『大菩薩峠』です。1913年から20年以上に渡り新聞に掲載され、大衆文学の母胎ともいわれる小説ですが、主人公の剣士、机竜之介が失明後、辻斬りを重ねたあげくにこの地に来たと書かれているのです。

江戸時代には既に効用が知られていた白骨温泉ですが、以前はまさにここは秘湯で、この小説によって初めて全国に知られる存在になったといわれます。この小説にちなみ、著者の「中里介山文学碑」が白骨温泉の入り口、観光案内所の裏手に建てられています。

<基本情報>
アクセス:観光案内所から徒歩1分

白骨温泉の基本情報

住所:長野県松本市安曇4197-16(白骨温泉観光案内所)
電話:0263-93-3251(白骨温泉観光案内所)
アクセス:長野道松本ICで下車し、国道158号線で沢渡(さわんど)温泉を過ぎ300号線に入り10〜15分

2018年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/08/06−2018/08/07 訪問

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