写真:島塚 渓
地図を見る有限会社上林春松本店は、京都府宇治市で茶の製造や販売を行っている老舗のお茶屋さん。戦国の動乱期にあたる永禄年間(1558〜1569年)の創業と聞くと、その歴史の深さが分かるのではないでしょうか。最近では、日本コカ・コーラと共同開発した「綾鷹」がヒットし、高級感溢れる王道の日本茶を作り続ける会社として知られています。
写真:島塚 渓
地図を見るお店を営む上林家は、桃山時代に豊臣秀吉に重用され、江戸時代には宇治を仕切る「御物茶師(ごもつちゃし)」として発展してきました。これは将軍に納めるお茶の調達を一手に任せられていたことを意味しており、茶園の管理や精製、さらには出来上がった茶葉を茶壷に詰める作業を行っていました。いまでも「宇治・上林記念館」の正面には、当時のステータスの象徴である長屋門が残されており、隆盛を誇った上林家の様子を偲ぶことができます。
写真:島塚 渓
地図を見る宇治でのお茶栽培が始まったのは鎌倉時代の初めごろ。以来、時の権力者によって庇護を受けながら、高級茶の代名詞として時代とともに発展していきます。特に茶園に覆いを掛けて直射日光を避け、甘みの強いお茶へと変化させた玉露や抹茶は名高く、いまでも多くのお茶好きを虜にしています。
写真:島塚 渓
地図を見る多くの種類のお茶を販売しているとともに、茶道の家にも抹茶を納めている上林春松本店。記念館の隣の小売店では、近くの工場で作られた挽きたてのお茶を購入することができます。ですが、ひと口にお茶といっても、その味や価格は千差万別で、なかなか1つの商品に決めることは難しいのではないでしょうか。そんな人に重宝されるのが、お店の一画に用意されている喫茶コーナー。実際にいくつかのお茶を味わってから、自分にピッタリのお茶を購入するのがいいかもしれませんね。
写真:島塚 渓
地図を見る「宇治・上林記念館」には、上林家に代々伝わる貴重な茶道具などが展示されています。茶道具は織田信長のころに、一国一城の価値があるとされ、武将たちがこぞって集めた品々。なかでも茶壷は、芸術品としても重宝されつつ、湿気を嫌うお茶を密閉して保存しておくための実用的な道具でした。すでに触れたように、茶壷にお茶を詰める作業は上林家の大切な仕事で、現代でもその慣例が残されているほど。展示品のなかには「呂宗壺(るそんつぼ)」と呼ばれるフィリピンから舶載された珍しい茶壷もありますよ!
写真:島塚 渓
地図を見る「宇治・上林記念館」では、お茶を製造するために使用していた道具の数々も展示されています。例えば茶葉を挽くのに欠かせなかったのが、こちらの石臼。いまでは機械で代用されることが多くなりましたが、石臼でゆっくり挽くことにより、熱が発生しにくく、色や香りも飛ばないおいしい抹茶を作ることができます。時間も手間もかかる大変な作業ですが、丁寧に挽くからこそ、最高級の美味しいお茶ができるんです。
住所:京都府宇治市宇治妙楽38
開館時間:
10:00〜16:00(宇治上林記念館)
9:00〜日暮れまで(直営小売店)
料金:200円、小人無料(宇治上林記念館)
2018年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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