那須塩原の秘境の渓流〜桜沢とスッカン沢で名瀑めぐり

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那須塩原の秘境の渓流〜桜沢とスッカン沢で名瀑めぐり

那須塩原の秘境の渓流〜桜沢とスッカン沢で名瀑めぐり

更新日:2018/08/27 16:14

大木 幹郎のプロフィール写真 大木 幹郎 巨木マニア、中級登山者、ブロガー

栃木県の那須塩原市にある塩原渓谷は、美しい自然景観の渓谷に塩原温泉郷が包まれた観光名所です。近年、この塩原渓谷に繋がる渓流で、人気が高まってきているところがあります。それは桜沢とスッカン沢。秘境と例えるに相応しい、苔生した大岩と原生林が織りなす深山幽谷の美しき渓流。咆哮霹靂の滝、雄飛の滝など、名瀑をめぐる2つの渓流のトレッキングをご案内します。

桜沢の名瀑・咆哮霹靂の滝

桜沢の名瀑・咆哮霹靂の滝

写真:大木 幹郎

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桜沢は塩原渓谷の南に位置する渓流。その奥地にある大迫力の滝が、咆哮霹靂の滝。激しい水流の轟きは咆哮のよう。ダムのように聳える水流に削られた岩盤、手前には砕けて累積した岩の山。山道の奥で目に飛び込む衝撃的な景観は、まさに霹靂。咆哮霹靂の滝は塩原10名瀑の中でも、特に荒々しく感じられる景観です。

桜沢の位置は、塩原渓谷から南に離れた矢板市にまたがる山域。源流とする高原山(標高1795m)の東山麓が流域。桜沢の少し北に離れてスッカン沢が並走。アクセスには県道56号線を経由し、矢板市側からが最短。滝の位置と沢沿いに続く山道の詳細は後述します。

桜沢の名瀑・咆哮霹靂の滝

写真:大木 幹郎

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滝壺から見上げた咆哮霹靂の滝は、岩を降らせそうな凄みのある姿。眼前を覆う黒々とした巨大な岩盤は震えているかのよう。岩肌を刻む激しい水流は、複雑かつ繊細で美しいものです。

ちなみに、桜沢の流れは、咆哮霹靂の滝から下流でスッカン沢と合流。その後、鹿股川の流れとなり北上し、塩原渓谷の箒川へ注ぎます。

桜沢の名瀑・咆哮霹靂の滝

写真:大木 幹郎

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山道の位置から眺めた咆哮霹靂の滝。山道から離れた滝に接近するのは一苦労。滝の前に累積した岩々は、大きなうえに濡れていて滑るため、安定して歩き易い場所を見極めて慎重に進んでください。

ちなみに、じつは咆哮霹靂の滝は2つの滝の総称。左奥の大きな滝が、前項2つの写真の「霹靂の滝」。右奥にも大きな岩肌を伝う「咆哮の滝」が隠れています。

桜沢の名瀑・雷霆の滝

桜沢の名瀑・雷霆の滝

写真:大木 幹郎

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ここは桜沢にある塩原10名瀑の1つ、雷霆の滝。巨大で滑らかな一枚の岩盤を上を、2段になって流れる大迫力の滝。咆哮霹靂の滝から上流に1kmほどの位置です。

雷霆(激しい雷)という名を冠する大きな滝ですが、見慣れてくると穏やかな雰囲気も感じられます。ここは原生林に覆われた渓流の中で、特別に明るく開けた場所で、岩肌も滑らかで明るい色合い。滝の飛沫に涼を感じながら、落ち着いて休憩できる場所です。

桜沢の名瀑・雷霆の滝

写真:大木 幹郎

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雷霆の滝を間近に見上げた迫力の姿。雷霆の滝には山道から簡単に接近できます。浅い滝壺の周囲は、傾斜の緩い広く大きな岩盤。このため足場が多く、様々な角度から眺めることができます。滑りやすい岩場なので、水流に勢いのある場所には接近せず、足元にはご注意を。

桜沢の名瀑・雷霆の滝

写真:大木 幹郎

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山道の位置から眺めた雷霆の滝。薄暗い山道の奥地で、陽光を浴びて輝く滝の広場は感動的。雷霆の滝には周辺にも見どころが。少し上流にも滝があり、山道から見下ろせます。下流の雷霆の吊橋までは、沢沿いの草木と岩々の景観が良く、幽玄な雰囲気を味わえます。

桜沢を行く山道・前山八方ヶ原線歩道

桜沢を行く山道・前山八方ヶ原線歩道

写真:大木 幹郎

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桜沢を行く山道の前山八方ヶ原線歩道。その入口は矢板市側の山域、高原の八方ヶ原にある施設「山の駅たかはら」のすぐ近く。この施設は山の情報館であり飲食もできる山中の拠点。

前山八方ヶ原線歩道の移動は、山の駅(標高1050m)から咆哮霹靂の滝(標高700m)まで約3.3km、約1時間10分。下り坂が続く山道なので、復路の時間は少し長くなります。なお、この山道の入口(トイレの隣)には、スッカン沢の「雄飛の滝線歩道」も示した案内図があります。出発前によく見ておきましょう。

桜沢を行く山道・前山八方ヶ原線歩道

写真:大木 幹郎

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山の駅から前山八方ヶ原線歩道へ入り、約1km、約15分で山神を祀る塚へ到着。ここまでの山道の傾斜は緩めです。

山神から雷霆の滝(標高約800m)までの移動は、約1.3km、約30分。山道の傾斜が急になり、階段状の下りも多くなってきます。復路では特に疲れる区間です。

桜沢を行く山道・前山八方ヶ原線歩道

写真:大木 幹郎

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雷霆の滝から咆哮霹靂の滝までの移動は、約1km、約25分。途中にこの雷霆の吊橋があり、山道は沢の右岸から左岸へ。吊橋のしばらく先には分岐点があり、咆哮霹靂の滝には右へ。分岐点の左、スッカン沢の雄飛の滝線歩道へは岩盤の崩落により通行止。

なお、山道は咆哮霹靂の滝から先へも続きますが、咆哮霹靂の吊橋から先でも通行止。

スッカン沢の名瀑・雄飛の滝と周辺の見どころ

スッカン沢の名瀑・雄飛の滝と周辺の見どころ

写真:大木 幹郎

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スッカン沢は桜沢の北に並ぶ渓流。その奥地で密やかに流れる神秘の滝こそ雄飛の滝。峡谷の黒々とした岩壁が形作るドーム状の空間。そこに差す一条の光のような水流の帯と、妖しく輝く青い淵。塩原10名瀑の中でも、特に神秘的に感じられる景観です。

スッカン沢を行く山道、雄飛の滝線歩道の入口は、山の駅から県道56号線を那須塩原に向かって車で約10分。近くに駐車場がある雄飛橋の左岸が山道の入口。ちなみに、雄飛橋に向かう途中にある県道沿いの駐車場は、桜沢上流にある「おしらじの滝」への入口です。

スッカン沢の名瀑・雄飛の滝と周辺の見どころ

写真:大木 幹郎

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雄飛の滝線歩道は、雄飛の滝から先にも見どころがあります。入口から約1.5kmの位置にあるのは、山道を沢の左岸から右岸へ渡すスッカン橋。この橋の右岸の袂には、見事なカツラ(桂)の巨木が立っています。このスッカン沢の大カツラは、幹周りが9m近くもある、栃木県内で最大級のカツラの巨木。

スッカン沢の名瀑・雄飛の滝と周辺の見どころ

写真:大木 幹郎

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スッカン橋を渡った後、右手に見えてくる特徴的な岩壁が薙刀岩。これは高原山から流出した溶岩による、柱状節理の構造が顕著なもの。沢の水が所々で青白いのは火山成分を含むためで、飲用に適しません。水が「酢辛い」が訛ってスッカン沢という名前になったそうです。

なお、薙刀岩から先は岩盤の崩落で通行止め。この先で繋がる前山八方ヶ原線歩道へは抜けられません。

雄飛の滝へのアクセス方法

雄飛の滝へのアクセス方法

写真:大木 幹郎

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雄飛の滝線歩道を入口の雄飛橋(標高約880m)から約25分。雄飛の滝(標高約770m)の展望台に到着。ここまで山道の傾斜は概ね緩いもの。展望台からは雄飛の滝の全貌は見えません。また、周囲は危険な断崖のため、ここから滝への接近は無理です。ひとまず、スッカン橋まで山道を進みましょう。

ちなみに、雄飛の滝の上流には、見事な2つの滝があります。「素連の滝」は岩壁を伝う簾のような繊細な滝。周辺には青白い色の美しい淵が多いのも魅力。「仁三郎の滝」は断崖をジャンプするような勢いのある滝です。

雄飛の滝へのアクセス方法

写真:大木 幹郎

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雄飛の滝の展望台から約5分、スッカン橋の手前(左岸)に到着。写真の右側、2本の木の根元にご注目を。ここから沢へ下りて行く踏み跡が続いています。この踏み跡を辿り、沢の左岸端を10分ほど遡れば、雄飛の滝の前へ到着。同行者に登山経験があり、細い踏み跡を見慣れた方が居れば安心です。

雄飛の滝へのアクセス方法

写真:大木 幹郎

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スッカン橋の上から眺める上流の景色。雄飛の滝の前へは、前述の踏み跡を辿り、沢の左岸端(写真右端)を遡ります。そこは正規の山道から外れたルート(自己責任)。落石の痕跡が多く、土砂が崩れた所もあるので、十分にご注意を。

以上、那須塩原の秘境の渓流、桜沢とスッカン沢での名瀑めぐりでした。塩原渓谷よりも標高が高く深い山中にあるため、より濃い深山幽谷の雰囲気を味わえます。咆哮霹靂の滝と雄飛の滝は、塩原10名瀑でも特に秘境らしい景観。夏の避暑には最高で、帰りは塩原温泉で汗を流せます。那須塩原にお越しの方、高原山へ登山される方。一足伸ばして絶景の秘境へ訪れてみませんか。

山の駅たかはらの基本情報

所在地:栃木県矢板市下伊佐野991-3
連絡先:0278-43-1515
施設概要:レストラン、売店、展示室、休憩室
営業時間:9時〜16時(冬季は10時〜15時)
定休日:水曜日(冬季は金曜日を除く平日)
交通・車:東北道・矢板ICから車で35分
交通・駅:東北本線・矢板駅からタクシーで30分

以下、補足情報です。
■移動時間・前山八方ヶ原線歩道
山の駅−山神(15分)−雷霆の滝(30分)−雷霆の吊橋(10分)−咆哮霹靂の滝(15分)
(合計で行きは1時間10分、戻りは1時間30分ほど)

■移動時間・雄飛の滝線歩道
県道56号・雄飛橋−雄飛の滝展望台(25分)−スッカン橋(5分)−雄飛の滝(10分)
(行きも戻りも40分ほど)

■山道の通行止
前山八方ヶ原線歩道と雄飛の滝線歩道は、後半で繋がっています。しかし、薙刀岩から先が岩盤の崩落のため通行止。両山道は行き来できず、入口からの往復のみ。また、前山八方ヶ原線歩道は、咆哮霹靂の吊橋から先も通行止です。

■服装について
靴は渓流沿いの山道のため、防水で滑りにくいソールのトレッキングシューズが最適。また、天候の悪化に備え、上下のレインウェアと、夏季でも薄い防寒着を用意しましょう。

■持ち物について
熊など野生動物との遭遇を避けるめ、鈴など音の鳴るものを携帯しましょう。また、沢の水は火山の成分を含むため飲用に適しません。十分な飲み水も持参しましょう。

2018年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/07/22 訪問

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