滝のある街、ナイアガラ・フォールズは、ナイアガラ川のほとりにあり、ホテルやレストラン、カジノや遊園地が立ち並ぶ、ラスベガスのようなところ。それもそのはず、ナイアガラの滝を訪れる人の数は、カナダ側だけでも年間1500万人。カナダ屈指の人気スポットだけ、アミューズメント施設が充実しているのです。
写真:松田 朝子
地図を見るでは、かの有名なナイアガラの滝はどこかというと、そのナイアガラ川のど真ん中に忽然と現れるのです。滝とは山から落ちる水、みたいなイメージを持っていると、この滝の現れ方にはびっくりするでしょう。
ナイアガラの滝は、北米の五大湖の中のエリー湖からオンタリオ湖に流れるナイアガラ川にあります。川の真ん中には国境線があり、カナダのオンタリオ州とアメリカのニューヨーク州とを分けています。
写真:松田 朝子
地図を見るナイアガラの滝は複数あって、カナダ側の方にあるのは、カナダ滝 (落差56m、幅675m、滝壺の深さ55m)、そしてアメリカ側、カナダ滝の右手にあるのが写真のアメリカ滝 (落差58m、幅330m)と、隣にひっそりと並ぶブライダルベール滝 (落差55m、幅15m)です。
有名なのは馬蹄形をしたカナダ滝のほうですが、水の間から岩が見えているアメリカ滝も趣があります。ブライダルベール滝は、ともするとアメリカ滝と一括りにされてしまいそうな規模です。
写真:松田 朝子
地図を見る壮大なナイアガラの滝をパノラミックに楽しめるのは、ヘリコプターによるツアー。約10分間のヘリツアーでは、アメリカ滝、カナダ滝を上空から楽しめます。青い水面に、白い水煙をあげたカナダ滝が見えてくる瞬間は感動的です。
写真:松田 朝子
地図を見るナイアガラの滝が生まれたのは12500年前。幾度もの氷河期を経て、溶けた氷でナイアガラ川が生まれ、さらに地殻変動でナイアガラの滝が発生しました。長年に渡る浸食は今も続いており、発生当初より滝は上流へ11kmもずれています。
写真:松田 朝子
地図を見る滝に流れる水量は、毎分168,000立方メートル。水の90%はカナダ滝に流れ込んでいるといわれます。これは水力発電にも使われており、ナイアガラの滝は欧米最大級の水力発電所でもあります。それゆえ水量はコントロールされています。
アフリカのヴィクトリア滝、南米のイグアスの滝と並んで、ナイアガラの滝は世界三大瀑布に数えられていますが、唯一世界遺産になっていないのは、そんな風に人の手が加わっているからなのです。
写真:松田 朝子
地図を見るナイアガラの滝観光の一押しは、ボートに乗っての滝壺へのクルーズ。約30分のクルーズは、船でカナダ滝の直前に向かいます。
かつて先住民たちは、この滝のことを「オンギアーラ」(轟く水)と呼んでいました。それがナイアガラの語源ともいわれています。そんな、轟く水の懐に行くのに、濡れないわけはありません。なの乗船前には使い捨てビニール製の赤いポンチョが配られます。それでも足元は濡れるので、ゴム草履などを持って行くといいでしょう。カメラは、水しぶきが激化したらすぐポンチョの下にしまえるスマホくらいは大丈夫ですが、一眼レフカメラなど持って行く場合は雨天用の装備が要るでしょう。
写真:松田 朝子
地図を見る水しぶきはアメリカ滝はそれほどでもありませんが、カナダ滝に近づく時は要注意。濡れたくなかったら船の後ろの方に避難したり、大柄な人の後ろに立ったりするといいでしょう。
でも、ここまで来たのであれば、滝の水を被ってもカナダ滝を目の当たりにしたいもの。視界いっぱいに広がる滝は、巨大な水の壁。流れ落ちる水は水というより生き物のよう。立ち込める水煙の中で、しばらくは呆然としてしまうでしょう。
写真:松田 朝子
地図を見るさらに滝に近づくには、ジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズという、カナダ滝を裏側から見るツアーに参加します。これは、130年前に造られた滝調査用の地下通路を利用して、滝の裏や真横に造られたテラスからの景色を楽しむというもの。滝壺クルーズほどではありませんが、テラスでは水しぶきがかかるので、使い捨ての黄色いポンチョを渡されます。
そして地下の通路にはナイアガラの滝の歴史に関する資料も。ここには、一部岩を切り開いて造られたビューウインドーがあり、暴風雨のように飛び込んでくる滝の水が見られます。
写真:松田 朝子
地図を見るナイアガラの滝から車で約30分、ナイアガラ川がオンタリオ湖に出るあたりに、ナイアガラ・オン・ザ・レイクという街があります。ここは、カナダのワインカントリー。緯度がフランス・ボルドーと同じということもあり、この周囲には50以上のワイナリーが点在しています。
特に有名なのは、アイスワイン。ナイアガラでは1980年代からアイスワイン作りが始まり、今や世界で一番アイスワインが作られている場所でもあります。
写真:松田 朝子
地図を見るアイスワインは世界でも産地が限られている希少なもの。アイスワインを作るためには、まず、秋になってぶどうが熟しても収穫せず、鳥よけの網を張って、寒波が訪れるのを待ちます。12月から1月くらいに気温が氷点下10度を下回り、ぶどうが完全に凍りついたらたら収穫します。これは、氷点下10度以下が保てるナイアガラでしかできないことなのです。
収穫は深夜から早朝にかけてすべて手作業で行われます。凍ったぶどう1粒で、アイスワインは1滴しか取れません。アイスワインの甘みは天然のもの。凍らせることで水分が抜けて凝縮され、糖度が増すのです。
写真:松田 朝子
地図を見るシャトー・デ・シャルムは、 フランス系移民のオーナーが1978年に創始したワイナリー。東京ドーム25個分という広大な4つの畑には、14種類のぶどうが栽培されています。ここで造られるワインは25種類。冷涼なナイアガラの気候は、シャルドネ、メルロー、カヴェルネ・ソーヴィニヨンなどのブドウ作りに適していると言われます。また、アイスワインはリースリングで作られることが多いです。
アイスワインは、口の中に入れたらすぐ飲み込まず、10秒くらい含んでから飲み込むと芳醇な風味を楽しめます。適量はお猪口に一杯くらい。そしてデザートワインとして飲む他、スパークリングワインに入れたり、アイスクリームにかけたりしても美味しくいただけます。
<基本情報>
住所:1025 York Rd, St. Davids, ON L0S 1P0
電話番号:+1-905-262-4219
ナイアガラはトロントから120キロメートル、車では約90分のところにあります。滝の印象が強すぎて、ナイアガラのワイナリーはまだ日本では知られていないでしょう。ここには、アイスワインを含めて日本では手に入らないワインがたくさんあります。ナイアガラで迫力ある滝の景色を堪能した後は、ワイナリーを訪れてみましょう。現地でしか飲めない、希少なワインを楽しむと、この地の自然の懐の深さに改めて感動することでしょう。
日本からトロントへは、アメリカ中西部を経由するデルタ航空で。成田〜デトロイト、羽田〜ミネアポリス、名古屋〜デトロイトなどが便利です。詳しいフライトスケジュールは関連MEMOのデルタ航空公式サイトへ。またデルタの機内では、機内wi-fiを使って、スマートフォンからテキストメッセージを無料で送信できます。これはフェイスブックのメッセンジャー、アップルのimessege、 WhatsAppメッセンジャーなどで利用可能です。機内wi-fi対応すべての国際線用機材と、米国内の基幹路線用機材、一部のリージョナルジェット機材で可能です。
取材協力:カナダ観光局、オンタリオ州観光局、ナイアガラ・フォールズ・ツーリズム、デルタ航空
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(2024/11/6更新)
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