“脇町と祖谷峡”徳島県の2つの歴史ある重伝建地区を巡る旅

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“脇町と祖谷峡”徳島県の2つの歴史ある重伝建地区を巡る旅

“脇町と祖谷峡”徳島県の2つの歴史ある重伝建地区を巡る旅

更新日:2018/08/24 10:30

常盤 兼成のプロフィール写真 常盤 兼成 酷道・険道・重伝建マニア

日本国内にある重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)は117地区あり、43道府県に点在しています。西日本は特に多く徳島県だけでも3つの地区が選定されています。今回は比較的近くに隣接する2つの歴史ある重伝建地区を訪ねます。吉野川流域にある美馬市脇町の商家町、三好市東祖谷にある山村集落。2つの異なる重伝建地区を見比べながら、近世から続く生活の歴史を感じる旅のご紹介です。

美馬市脇町「うだつの町並み」の漆喰白壁の商家群

美馬市脇町「うだつの町並み」の漆喰白壁の商家群

写真:常盤 兼成

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徳島市内から徳島自動車道で40分ほど、吉野川沿いにある「道の駅藍ランドうだつ」が今回の旅のスタート。「うだつの町並み」で有名な脇町地区に隣接する道の駅に車を止め、町並み見学をさっそく開始。

駐車場からの道では、美馬市観光協会所属の「うだつまる」君が歓迎してくれます。

美馬市脇町「うだつの町並み」の漆喰白壁の商家群

写真:常盤 兼成

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主に防火の役割をする「うだつ」は、この脇町の商家の多くの家屋に見られます。江戸中期には装飾としての意味合いが高くなり、財力の象徴としても「うだつ」が使われるようになりました。

「うだつがあがらない」という言葉の語源とも言われる「うだつ」ですが、ここ脇町には、その「うだつの町並み」を見ようと多くの観光客が訪れます。

美馬市脇町「うだつの町並み」の漆喰白壁の商家群

写真:常盤 兼成

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町並みを歩くと「うだつ」以外にもレトロな風景に出会えます。昭和のなつかしい看板は、江戸時代から続く町並みにも似合います。

脇町の集落は電柱がありません。また、早朝なら人もほとんど歩いていないので、江戸時代にタイムスリップしたかのような風景に出会えます。

「むしこ窓」に「自働電話」 興味深い施設の数々

「むしこ窓」に「自働電話」 興味深い施設の数々

写真:常盤 兼成

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「うだつの町並み」の商家には「うだつ」以外の特徴もあります。「むしこ窓」と言われる窓です。漆喰塗りで防火対策にもなっているのですが、「うだつ」同様徐々に装飾的意味合いも兼ねるようになってきました。

建物の2階部分にある漆喰の窓がその「むしこ窓」です。虫かごのように見えることから名づけられたとのこと。京都の町屋などにもよく見られますが、主に西日本に多く見られる窓です。

「むしこ窓」に「自働電話」 興味深い施設の数々

写真:常盤 兼成

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明治時代の電話ボックスも町並みにマッチしていますね。江戸時代の商家、明治時代の電話ボックス、昭和のホーロー看板、いくつもの時代の流れが町全体に溶け込んでいるかのようです。

ちなみに明治時代にはこのような六角形の電話ボックスが主流で、公衆電話ではなく自働電話と呼んでいたそうです。はじめは白色の電話ボックスでしたが、徐々に赤が多くなっていったとのこと。脇町の赤い電話ボックスも町並みのアクセントとなっています。

歴史資料館や藍の保管蔵、映画ロケに使われた劇場などの見どころもたくさん

歴史資料館や藍の保管蔵、映画ロケに使われた劇場などの見どころもたくさん

写真:常盤 兼成

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「自働電話」のすぐ隣にある「美馬市観光文化資料館」。こちらは明治時代の旧脇町税務署をモチーフにした建物で、歴史資料の展示をする観光案内所として使われています。

歴史資料館や藍の保管蔵、映画ロケに使われた劇場などの見どころもたくさん

写真:常盤 兼成

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吉野川流域にある脇町は、しばしば洪水の被害に悩まされ稲作には不適な土地でした。ただ、土地は肥沃であったために、米の代わりに藍を育てるようになり、阿波藍の生産地となっていきました。

「うだつの町並み」にある「藍蔵」は、その収穫した藍を保管していた蔵を改造したお店。1階では藍製品を扱ったお土産物の販売、2階のカフェは町並み散策の休憩などに利用できます。

歴史資料館や藍の保管蔵、映画ロケに使われた劇場などの見どころもたくさん

写真:常盤 兼成

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西洋モダンな外観の「オデオン座」は、昭和8年に建てられた芝居小屋。内部は回り舞台や奈落など、本格的な作りの芝居小屋で、見学も可能です。

戦後は映画上映など地域の憩いの場として利用されてきましたが、建物の老朽化が目立つようになり取り壊される運命に・・・。
しかし映画のロケで使わたことがきっかけで、町の指定文化財となり、昭和初期の姿に修復され現在に至っています。

「うだつの町並み」から少し離れた位置にありますが、一見の価値ありの建物ですよ。

日本三大秘境ともいわれる祖谷峡と重伝建落合集落

日本三大秘境ともいわれる祖谷峡と重伝建落合集落

写真:常盤 兼成

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「うだつの町並み」のある脇町から、山間部へ車を進めること2時間弱。目の前に突然あらわれるのがこちらの小便小僧。

200メートルの断崖絶壁にたたずむこちらの小便小僧。祖谷川が流れる深いV字谷に向かって、今にも小便をしそうな姿がほほえましいです。実際に小便をしたら、谷からの風ですべてしぶきとなってしまいそうですが、昔は子どもたちの度胸試しに使われた場所なのだとか。秋には小便小僧の向こうに美しい紅葉風景が広がります。

日本三大秘境ともいわれる祖谷峡と重伝建落合集落

写真:常盤 兼成

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小便小僧からさらに四国山地の剣山方面に車を走らせてようやくたどり着くのが、2つめの重伝建地区である、東祖谷の落合集落です。

落合集落の正面にある展望台からは、集落の全容が見えます。高低差約400メートルもある急斜面にいくつかの家屋が点在しているのが見えます。平家の落人伝説が残る落合集落は、この展望台から眺めがベストです。

日本三大秘境ともいわれる祖谷峡と重伝建落合集落

写真:常盤 兼成

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東祖谷には「案山子の里」という100体を超える案山子がいる地域もありますが、落合集落を眺める展望台にも、5人の案山子がいます。

案山子というよりもぬいぐるみ人形に近いですが、遠くから見ると、5人の家族が落合集落を眺めているように見え、なんともほほえましい姿です。

落合集落からの風景も見事です

落合集落からの風景も見事です

写真:常盤 兼成

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展望台から落合集落内部に移動します。道はつづら折りがどこまでも続き離合困難な場所も多数あるため、運転に自信がない場合は徒歩で巡るのがおすすめ。

急な斜面に組まれた石垣や棚田、茅葺やトタン屋根の家屋、これらのすべてが重伝建に選定されている理由なのでしょう。日本むかしばなしに出てきそうな風景です。

落合集落からの風景も見事です

写真:常盤 兼成

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落合集落には茅葺の古民家をリノベーションした宿泊施設があります。建物は落合集落になじむ茅葺の外観ですが、中はIHヒーターが整ったキッチン、空調設備に床暖房など、快適に宿泊できるよう改装されています。

快適な古民家の宿に滞在し、静かな祖谷峡の夜を堪能するのもおすすめです。古き良き日本の風景をより多く感じられることでしょう。

宿泊受付は旧落合小学校内、旧落合保育所となっています。

徳島県の重伝建めぐり

今回ご紹介した徳島県の2つの重伝建めぐりは、車での移動を前提としています。ただし、山間部の非常に狭い道を通りますので、運転に自信がないという方は、観光タクシーなどを利用するとよいでしょう。

鉄道でアクセスする場合、美馬市脇町の「うだつの町並み」へは、JR徳島線の穴吹駅から路線バスが1日に3本あります。東祖谷の落合集落へは、JR土讃線の阿波池田駅から路線バスが1日に4本ありますが、観光には不向きです。バスを降りたら次のバスが来るのは数時間後となりますのでご注意ください。

2018年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/07/28 訪問

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