東京都八王子市にある「滝山城」は、多摩川と秋川の合流点の南側に広がる「加住丘陵」上に築いた丘山城(山城ほど険しくなく、平城ほど平坦ではない)です。自然の地形と堀・土塁などで構築されており、平安時代の修験道の文化の名残もあります。
長い年月を掛けて、地域の住民の方々と行政等が共に協力して桜(ソメイヨシノ、ヤマザクラなど)を植樹し、都内有数の桜の名所となっています。桜の時期の後も、GW頃に開花するヤマツツジの花もとてもきれいですが、城跡の石碑はそんな賑やかな場所から外れた、山の頂上付近に佇んでいます。
八王子の滝山街道沿いから4カ所ほど、滝山城への登城道がありますが、駐車場があるのは八王子市丹木町3丁目の交差点のそばの「滝山観光駐車場」。八王子駅からのバス停もあるので、ここからの登城をお勧めします。
駐車場から2分で、登城道の入り口に着きます。ここから滝山城跡の空堀や曲輪などの遺構群が待っています。
何本もの道が複雑に交差しています。どっちへ行こうか悩んで立ち止ってしまうと、上の方から城を守る武士たちから、石つぶてや弓から放たれた矢が降り注いできます。
間違った道を進むと、行き止まりか元来た道に戻ってしまいます。迷ってしまうと、攻め込んだ時の勇気や大義が萎んでしまい、守る武士たちの格好の餌食になってしまいます。
でも守る武士たちも余りに広い城域(東京ドーム5面以上)を、どうやって敵から防げばいいのか?きっと悩んだことでしょう。
とても広い中の丸曲輪です。奥の建物の辺りには、2000年頃まで国民宿舎「滝山荘」がありました。
その建物には「続百名城スタンプ」が置かれています。
城の入口から本丸を目指す道は複雑に折れ曲がって造られています。敵に攻め込まれた時に、真っすぐな道では勢いを付けさせてしまいます。その勢いを削ぐためには、戻り道や行き止まり道を造って、惑わせておく必要があるのです。
中の丸から本丸へ渡るには引き橋を通りますが、その橋の上から曲輪(お城の中の区分けされた敷地)の間を通る分かれ道があります(写真)。攻め込んできた敵がどっちへ行けばいいのか、悩む姿が見えるようです。
ここは二の丸です。木の根が蔓延って、曲輪の縁を壊してしまいました。全国のお城の石垣も、このようにして壊れる事が数多くあります。
本丸へ向かう石畳の道が復元されています。それぞれ別の時期に、この滝山城に攻め込んだと言われている上杉謙信や武田信玄の武士たちも、この石畳の道を登って行ったのでしょうか?そんなことに思いを馳せながら登っていきましょう。
花の丸から本丸へ掛かっている木橋(今はしっかりと補強されています)です。矢立(自分の身を隠す木の板)に守られながら、攻め込んでくる敵に向かって、防戦している小田原北条氏の姿が見えてくるようです。
花の丸から本丸方向です。
本丸の敷地も広大で、小田原北条氏が治めていた頃は館群が立ち並んでいた場所。滝山城を目標にする時は、道の駅「八王子滝山」を目標にすると分かりでしょう。もちろんここから歩くには距離があります。その他にも、滝山城の近くには日本百名城の一つ「八王子城」もあり、城主北条氏照はこの滝山城を捨てて、八王子城に移りました。
思い立ったらすぐ行ける八王子の滝山城、ここには戦国の英雄たちが各々の大義を果たそうと、攻めて守った戦いの跡が感じ取れます。皆さんもその攻防戦の跡を確かめに、ぜひお出掛け下さい。
住所:東京都八王子市高月町及び丹木町2丁目と3丁目
電話番号:042-623-1615(小宮公園サービスセンター)
アクセス:
・JR及び京王八王子駅からバスで戸吹行き乗車、滝山城址下下車(城入口までは5分)
・八王子インターから「道の駅八王子滝山」方面を目指して、約15分
2018年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/9/18更新)
- 広告 -