バードウォッチャーの聖地!長野県・白樺峠でタカ柱ウォッチ

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バードウォッチャーの聖地!長野県・白樺峠でタカ柱ウォッチ

バードウォッチャーの聖地!長野県・白樺峠でタカ柱ウォッチ

更新日:2018/09/26 09:56

古井 きまちのプロフィール写真 古井 きまち

野鳥好きにとっての秋といえば”渡り”の季節です。春から秋にかけて日本で繁殖してきたタカたちは、寒い冬に備えて食べ物のある暖かい地方(朝鮮半島・インドネシアやフィリピン近辺)へ渡っていきます。長野県の乗鞍と奈川にまたがる白樺峠では、上昇気流が発生し、その上昇気流に乗ってたくさんのタカが山を越えていく「タカの渡り」を見ることができます。週末、お弁当を持って、のんびり自然観測に出かけてみませんか?

渡り鳥たちの旅立ちの場所、いざ、白樺峠へ!

渡り鳥たちの旅立ちの場所、いざ、白樺峠へ!

提供元:松本市安曇・奈川地区地域おこし協力隊/岡部亮介

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長野県松本市、奈川と乗鞍の間にある白樺峠は、鳥好きには有名な”タカの渡り”を見ることができる日本有数のスポット。多い時には1日に3000羽ものタカたちが観察され、運が良ければ、たくさんのタカが群れをなして一斉に上昇気流で上っていく姿、「タカ柱」も見ることもできます。

タカが渡る国内の主なルートは二つ。一つは北海道から竜飛岬を経由し、日本海沿いを南下、この白樺峠から西へ向かい、瀬戸内海を抜け、九州、東南アジアへと渡るルート。もう一つは関東地方から伊豆半島などを通り、伊良湖岬、紀伊半島、四国、九州、東南アジアへと渡るルートです。

このルート上であればどこでも渡り鳥を見ることはできますが、写真を撮影するとなると、上空の鳥を間近で見られるポイントに限られます。ここ、白樺峠は標高1,600m。谷間からタカたちが上ってきて、その上面(背中側)も狙える写真スポットなので、望遠鏡のような大きなカメラや三脚を持った鳥好きの人たちが何日もかけて撮影されたりしています。

渡り鳥たちの旅立ちの場所、いざ、白樺峠へ!

提供元:松本市・信州ワシタカ類渡り調査研究グループ・ホークウォッチャーの皆さ

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これはノスリ。白樺峠では9月初め頃からサシバ、ハチクマが飛び始め、多いときは1日に1000羽を超える群れになります。それが一段落した10月初め頃からノスリとツミが増えて、11月中旬ぐらいまで渡りは続きます。白樺峠で見られるタカのほとんどはこの4種類ですが、この他にもミサゴ、トビ、ハヤブサ、オオタカ、ハイタカなど15種類ほどのタカが観測されています。

肉眼ではゴマ粒くらいにしか見えないものが多いので、是非双眼鏡を持ってでかけてみてください。タカの魅力に取り憑かれた人たちは、このタカの種類を見分けるのが楽しみのひとつでもあります。全体の大きさ、羽の形、模様など見分けるポイントがいくつかあります。毎年観察に来られる信州ワシタカ類渡り調査研究グループの方に聞くと、「開いた尾羽が三味線のバチの形に似ていればトビですよ」など丁寧に教えてくれますよ。

渡り鳥たちの旅立ちの場所、いざ、白樺峠へ!

写真:古井 きまち

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もともと何もなかったこの場所に、タカの渡りを観測するため、「信州ワシタカ類渡り調査研究グループ」が、”たか見の広場”を整備、現在も管理をされています。白樺峠ではサシバが最も多く観測されていますが、ハチの幼虫を食べることから命名されたというハチクマも多く、研究をグループでは2003年に、そのハチクマの体に発信機をつけて、渡りのルートを解明しようという研究が行われました。発信機をつけた旅立ったハチクマは、翌年の春、思った以上に複雑で長い長い旅を経て長野県の繁殖地に戻ってきたそうです。

大空を悠然と舞うタカの姿はそれだけで素晴らしいですが、海を越え、山を越え、国境のない大空を飛んで続く、タカたちの長い長い旅に思いを馳せるのも、タカの渡りの醍醐味かもしれません。

運がよければ「タカ柱」!

運がよければ「タカ柱」!

提供元:松本市・信州ワシタカ類渡り調査研究グループ・ホークウォッチャーの皆さ

白樺峠がタカの渡りの名所と言っても、いつでもたくさんのタカが見られるわけではありません。タカは、雨の日には飛びませんが、降り止んだ合間に一気に飛び立つ事があるので、余裕を持ったスケジュールでの計画をおすすめします。数日間雨の続いた後、またその翌日の晴れた日に多く見られる傾向があります。時間はお昼前後が多いとされていますが、こればかりは自然相手ですので、その時の風次第。

地表が太陽光で温められることによって発生する上昇気流を利用して、タカたちは旋回しながら上空へと上っていきます。このタカが同時にたくさんいると、円を描いて上昇するタカが柱のように見えるため、タカ柱と呼ばれています。タカたちは、ある程度の高さまで上ると、羽をちょっとすぼめて目的の方向へスーッと流れるように飛んでいきます。蟻の行列のように続くこともあれば、川のように帯になって行くこともあり、その光景は美しく、壮観で、見る人を虜にします。

運がよければ「タカ柱」!

写真:古井 きまち

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白樺峠への交通手段は、車のみになります。上高地・乗鞍スーパー林道にあり、奈川方面から行くと料金所の手前に駐車場があるので、料金はいりません。また、土砂崩れで乗鞍側が通行止めの場合がありますので、乗鞍側から行かれる際は確認してからお出かけください。

林道に駐車場があり、駐車場からたか見の広場へは遊歩道を15分ほど登ります。休日は朝の8時頃には満車になることもあるので、早めのお出かけがオススメ。標高1,600メートル、朝夕はダウンがあってもいいほど冷え、昼間が気温が上がるので、脱ぎ着できる服装で、防寒着を忘れずに。近くにコンビニや自動販売機はありません。お出かけの前にピクニック気分で、お弁当や飲み物を多めにご用意ください。寒い時にはお湯を持っていって温かい即席ものもいいかもしれません。アウトドアブームでコンパクトなバーナーなどありますが、ここは火気厳禁ですので、火を使わないものでご用意をお願いします。その他、観察地には以下のような注意事項があります。

・山菜やきのこ等の採集は禁止
・キャンプやバーベキューをする場所ではありませんので火気厳禁
・ゴミは持ち帰る
・ペット等動物はご遠慮下さい(犬の鳴き声でタカが近くを飛ばない場合もあります)
・たくさんの人が利用する場所ですので、お互いに迷惑にならないよう、譲り合って観察してください。

マナーを守って楽しい自然観測を楽しみましょう。

タカ見の後は、温泉でほっこり

タカ見の後は、温泉でほっこり

写真:古井 きまち

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奈川側からスーパー林道で白樺峠へ向かう途中にある奈川温泉。松本インターから車で約1時間ほどのところにあります。渓流黒川の沿いに湧く、山里の出湯。飲むこともできます。地元の方達はこのお湯でお粥を炊いたり、ワラビのアク抜きをしたり。自由に汲むことができるので、マナーを守って大切にしてくださいね。

タカ見の後は、温泉でほっこり

写真:古井 きまち

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この奈川温泉には、道から少し上がった高台に、一軒宿の富喜の湯があり、日帰り入浴ができます。お料理が自慢の料理旅館なので、日帰りでなく泊まりでタカの渡りを見に来る時の宿泊にもおすすめです。昔ながらの館内は、ノスタルジックで初めての方でも懐かしさを感じるような雰囲気。シャワーがなかったり、アメニティがなかったりと、今流行りの温泉のように考えると不便を感じるかもしれませんが、秘湯好きにはたまらない情緒があります。

タカ見の後は、温泉でほっこり

写真:古井 きまち

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富喜の湯には、内湯と露天が離れた場所にあります。一度衣服を脱ぎ着しなければならないので面倒ではありますが、是非両方入ってみてください。露天は奈川の山が美しく、冬は雪景色が楽しめます。鎌倉時代には開湯されたと伝わる温泉は、ナトリウム炭酸水素塩泉で、やさしい肌触り。効能は幅広く、飲湯すれば糖尿病や痛風、肥満、肝臓病に、浴用は火傷や美肌、神経痛などに効くといわれています。

タカの渡り観察は、バードウォッチングの中でも待ち時間が長く、一見地味で忍耐力のいる野鳥観察です。でも、その待ち時間があるからこそ、タカ柱が見られた時の感動は大きく、その場全体が盛り上がり、ここでしか見られない天空のショーです。読書やおしゃべりをしながら長時間の観測で冷えた体は、温泉でのんびり温めて、ゆっくりとした休日を過ごしてみてはいかがでしょうか。

白樺峠の基本情報

住所:長野県松本市奈川白樺峠
電話番号:0263-79-2125 ながわ観光協会
アクセス:車で松本ICからR158、奈川木祖線利用、約1時間/上高地線「新島々」駅下車、タクシーで40分(公共交通機関ご利用のみで白樺峠へは行けません)

※2018年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2011/09/23−2018/06/30 訪問

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