写真:M Maririn
地図を見る松江の中心に堂々とした姿でそびえたつ松江城。1611年に堀尾吉晴と孫の忠晴によって築城以来、不昧公ほか歴代の松江藩主が城主をつとめた城です。全国に現存する12天守の一つで、2015年に国宝に指定されました。
四重五階天守・地下一階付の複合式望楼型の城は、千鳥が羽を広げたような形の入母屋破風が用いられていることから別名「千鳥城」とも呼ばれています。穴太衆(あのうしゅう)によって「野面積み」「打ち込み接(はぎ)」で築かれた石垣、三層の中央にある寺院様式の「華頭窓」、一枚ごとに異なった顔を持つ「鬼瓦」など、特徴ある外観を楽しめます。
写真:M Maririn
地図を見る天守の内部も貴重な遺構が残っています。深さ24mの大きな井戸があり塩などの備蓄に使われた地階には、松江城が国宝指定される決め手となった「祈祷札」を打ち付けた様子が模擬札を使って再現されています。
城内には板を張って鎹(かすがい)や鉄輪で留められた「包板」を施した柱や火に強く虫に食われにくい厚さ約10センチの桐を使い、敵が来た時には取り外しができて進入を阻める階段、敵の頭上に石を落として攻撃する「石落とし」など、様々な工夫が見られます。
写真:M Maririn
地図を見る松江城には意外な見どころもあるんですよ。松江城の一階のハート型の木目が自然に現れた柱は隠れた縁結びスポット。最近人気なのが大手門から三の門跡に向かう途中の石垣にあるハートとウミガメのような石。探してみてくださいね。
<基本情報>
住所:松江市殿町1番地5(松江城公園管理事務所)
電話番号:0852-21-4030
アクセス:JR松江駅からレイクラインバス約10分、「国宝松江城(大手前)」下車
写真:M Maririn
地図を見る「明々庵」は不昧公好みによって建てられた茶室です。もとは松平藩家老の家に建てられ、不昧公もたびたび訪れ茶の湯を楽しんでいました。一時は東京など転々と場所を移されていましたが、不昧公没後150年に塩見縄手の松江城を望む高台の現在の地に移築されました。
明々庵は不昧公筆の「明々庵」の扁額が掲げられた茅葺の入母屋つくりの茶室。向切りの炉や中柱の無い造りなど、茶の湯の定石にとらわれない不昧公好みを伺えます。
写真:M Maririn
地図を見る明々庵の手前にはお茶席に亭主から招きがあるまで待つ腰掛待合があります。こちらには飾り雪隠(せっちん)というお手洗いがありますが、実際に使えるものではなく清潔にされたお手洗いを見せることで奥の茶室もきれいですと示すためのものです。
また高い飛び石の置かれた出雲式庭園には松平家の葵紋と、仙台伊達藩から嫁いだ不昧公の正室の笹に向かい雀の紋が彫られた灯篭もあります。
写真:M Maririn
地図を見るお茶文化の浸透とともに松江では不昧公好みの松江銘菓と呼ばれる和菓子も生まれました。明々庵の敷地にある「百草亭」でお茶と松江銘菓をいただきましょう。
こちらの菓子は不昧公が詠んだ歌が名前の由来となっている「若草」と、菜の花畑を白い蝶が飛び交う様子をあらわした不昧公命名の「菜種の里」。明々庵や緑に囲まれた庭園を眺めながら優雅な時間を過ごしてみませんか。
<基本情報>
住所:松江市北堀町278
電話番号:0852-21-9863
アクセス:JR松江駅から車で約10分、レイクラインバス約15分「塩見縄手」下車徒歩約5分
写真:M Maririn
地図を見る松江城の周りを取り囲む堀は城の一部築城と同時に作られ、今も当時のままの姿で残っています。「堀川めぐり」は全長3.7kmの堀を全長約8m・幅約2mの小さな船で一周を約50分かけてのんびり回るプチクルーズです。
写真:M Maririn
地図を見る遊覧船はヤブツバキの茂る椿谷のある自然区、今の松江の風景を楽しむ市街地区、塩見縄手や松江城を望む歴史区を巡ります。堀川には17の橋がありますが、橋げたの低い4つの橋の下を通るときはなんと船の屋根がグググッと下がってきますよ! 運航時間や料金等はHPでご確認ください。
写真:M Maririn
地図を見る不昧公200年祭に合わせて運航されるのが「茶の湯堀川遊覧船」。乗船時に渡される茶の湯セットを使って、船に乗りながら自分で抹茶点て体験ができる特別仕様の遊覧船です。お茶の経験がない人も船頭さんが点て方を教えてくれるので気軽に挑戦してみましょう!
お堀の眺めを楽しみながら松江銘菓と自分で点てたお茶をいただくなんてちょっと特別な思い出になりますね。要予約、30分前までに予約受付をして下さい。
<堀川めぐり(ふれあい広場乗船場)の基本情報>
住所:松江市黒田町507-1
電話番号:0852-27-0417(堀川遊覧管理事務所)
アクセス:JR松江駅からレイクラインバス約17分「堀川遊覧船乗場」下車
写真:M Maririn
地図を見る月照寺は松江城の西にある松江藩主松平家の菩提寺。初代藩主松平直政公が生母月照院を祀って以来、初代から9代までの歴代藩主が眠っています。
国指定史跡の境内には藩主松平家墓所や鐘楼、唐門など遺跡が残っています。自身が愛した松江城が見える墓所に不昧公は眠っています。墓所の廟門には名匠小林如泥作の見事なブドウの透かし彫りがあるのでご注目を。
6月中旬からは境内に約3万本の紫陽花の花が咲き誇り「山陰のあじさい寺」として多くの人が訪れています。
写真:M Maririn
地図を見る境内には不昧公ゆかりの茶室「大円庵」や茶の湯に愛用した「茶の湯の水」、毎年4月24日の不昧公命日に近い日曜日に茶筌供養が行われる「茶筌の供養塔」などがあります。書院「高真殿」では趣のある庭を眺めながら、名水で点てた抹茶と和菓子「路芝」をいただけます。
写真:M Maririn
地図を見る6代宗衍(むねのぶ)公の墓所に石でできた大亀の寿蔵碑があります。大人の背丈以上の大きさのこの大亀、小泉八雲の随筆によると亀を愛した藩主をしのんで作られたのですが、夜な夜な松江城下を歩き回り道で出会った人を食べてしまうので恐れられていました。
困った住職が亀に訳を聞いたところ「自分の意志とは裏腹に夜になると歩いてしまう」というので、甲羅の上に亡くなった藩主の功績を彫りこんだ石碑を背負わせたところ歩かなくなったとか。
昔は恐れられた大亀ですが、今は頭をなでると長生きができるという大変縁起のいい亀さんになっています。
<基本情報>
住所:島根県松江市外中原町179
電話番号:0852-21-6056
アクセス:JR松江駅からレイクラインバス約20分「月照寺前」下車
写真:M Maririn
地図を見る「楽山焼」は松江藩の藩窯であった歴史ある窯元です。江戸時代初期に御用窯として創設され、一時期低迷したものの不昧公が長岡住右衛門を起用し再興させ今日まで続いています。松江の郊外、楽山公園の登り口に楽山窯がありますが、ここはかつて松平家の別荘地があったところで御山(おやま)ともいわれ、楽山焼きも御山焼とも呼ばれました。
横幅が広い大きな登り窯は、赤松の薪を一回に4tほど使って焚かれるそうです。
写真:M Maririn
地図を見る代表的な作風の「伊羅保写し」など、技術を継承して作られる雅趣豊かな茶器は田部美術館などでも見られますが、最近ではフランスなど海外から見学に訪れる人も増えているそうです。※見学は事前に電話連絡が必要
<基本情報>
住所:島根県松江市西川津町2513-2
電話番号:0852-32-8695
アクセス:JR松江駅から市営バス約20分「楽山入り口」下車
2018年は松江では「不昧公200年祭」が行われ、記念の茶会やイベントが予定されています。普段とは一味違った松江の旅に出かけてみませんか。
今回ご紹介したスポットや松江の観光にはレトロな周遊バス・松江レイクラインが一日乗り放題の「レイクライン1日乗車券」や、市営バス全線及びレイクラインが連続した二日間乗り放題の「松江乗手形」がありますのでスケジュールに合わせてご利用ください。
2018年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
取材協力:島根県
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(2024/3/19更新)
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