奇跡の一本松の先へ。復活を遂げた陸前高田の新たな魅力

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奇跡の一本松の先へ。復活を遂げた陸前高田の新たな魅力

奇跡の一本松の先へ。復活を遂げた陸前高田の新たな魅力

更新日:2018/09/28 17:01

菅野 育朗のプロフィール写真 菅野 育朗 ツアープランナー、温泉ライター、週末ランナー

三陸復興国立公園に指定され、岩手県で最も南に位置する街・陸前高田。2011年の東日本大震災で壊滅的な被害を受けながらも、大津波にも耐え抜いた奇跡の一本松で知られるところとなりましたが、7年を経て街の魅力が少しずつながらも戻りつつあります。海と切っては切れない岩手県陸前高田市の知られざる魅力をお伝えします。

陸前高田のシンボル・奇跡の一本松を望む

陸前高田のシンボル・奇跡の一本松を望む

写真:菅野 育朗

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東日本大震災から7年。大津波に街全体がのみこまれてしまった岩手県・陸前高田。8メートルに及ぶ市中心地のかさ上げがようやくほぼ終わり、元々の街に人々が戻りつつあります。街から見える海岸沿いに目を向けてみると、大津波にさらされながらも生き残った一本松がモニュメントとしてすっくと立っているのが見えます。

奇跡の一本松――2011年3月の東日本大震災が引き起こした15メートルを超える大津波で未曾有の被害を出した中、高田松原と呼ばれた松の中でで唯一流されずに耐え抜いた松です。いつからか「奇跡の一本松」と呼ばれ、7年もの間、多くの地元の方々の精神的な支えとして役割を果たしてきました。

陸前高田のシンボル・奇跡の一本松を望む

写真:菅野 育朗

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奇跡の一本松へは、車では一本松駐車場から専用歩道を歩いて15分ほど、公共交通利用ではBRT奇跡の一本松駅より20分ほどかかります。専用歩道はかさ上げ工事でしばしばルートが変わりますので、往復1時間はかかると考えておきましょう。

専用歩道の途中から陸前高田の山々を眺めていると、大津波があった事が信じられないのどかな風景が広がっています。

復興工事中の道路脇の歩道には途中2箇所にベンチがあり、休憩をとれるようになっています。日差しや雪、風を防ぐものは有りませんので、真夏には水を、真冬にはカイロ持参で休憩しながら訪れる事をお勧めします。

空へとそびえ立つ奇跡の一本松

空へとそびえ立つ奇跡の一本松

写真:菅野 育朗

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BRT奇跡の一本松駅より徒歩15分ほど、一本松駐車場より10分ほど専用歩道を進み、奇跡の一本松を真正面に見る橋の手前に到着します。

正面から見ると、想像以上に高くまっすぐに立ちすくむその姿は圧倒的な存在感。モニュメントとなった今でも陸前高田の街を見下ろし、守っている雰囲気が感じられます。

一本松までの専用歩道に設置された案内板に目を通してみると、高田松原と呼ばれた松林が2011年3月11日の大津波により7万本も流されてしまった事や、唯一残った一本松についての記述がみられます。

なお、奇跡の一本松への専用歩道は街のかさ上げ工事等で経路がしばしば変わり街灯がありません。夜間は21時まではライトアップをしていますが、一本松への専用歩道を通れるのは明るい時間帯のみ(日没まで)となりますので訪れる時間に気をつけましょう。

空へとそびえ立つ奇跡の一本松

提供元:岩手県陸前高田市

http://www.city.rikuzentakata.iwate.jp/地図を見る

奇跡の一本松へ到着。近くで見てみると思った以上の大きさに圧倒されます。空へ向かってすくっと伸びたその姿は、モニュメントとなった現在でもまるで生きているかのような力強さや独特の雰囲気を漂わせ、街を見守っています。

背景は旧陸前高田ユースホステル。折れ曲がった建物が痛々しく、大津波の傷跡が残ったままとなっています。奇跡の一本松の根元には献花台があり、花を片手に訪れる方が絶えません。

<基本情報>
住所: 岩手県陸前高田市気仙町砂盛176-6
見学時間:8:00〜17:00
アクセス:国道45号線沿い奇跡の一本松駐車場より徒歩約15分。JR大船渡線BRT奇跡の一本松駅下車、徒歩約20分

街を見下ろすもう一つのモニュメントへ

街を見下ろすもう一つのモニュメントへ

写真:菅野 育朗

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奇跡の一本松が知られるようになった陸前高田。その奇跡の一本松より車で15分ほど東へ進み、狭い山道を上った気仙大工左官伝承館の敷地内に、東日本大震災のもう一つのモニュメントが造られています。

なお、県道38号線から気仙大工左官伝承館へたどる細い道は、途中からはすれ違いができないほどになりますので対向車には十分に気をつけてゆっくり進みましょう。

街を見下ろすもう一つのモニュメントへ

提供元:岩手県陸前高田市

http://www.city.rikuzentakata.iwate.jp/地図を見る

気仙大工左官伝承館の奥の街を見渡せる一角に石造りのケースが置かれています。

「希望の灯り」。東日本大震災のあった2011年12月に作られ、石の台座と合わせ高さ1.6メートルのガス灯です。阪神淡路大震災後、神戸に作られた希望の灯りから分灯され、ケースの中で絶える事なく明るいオレンジ色の光を放っています。

今もなお訪れる方が多く、義援金を納めていく方の姿もちらほら。地元の方々にとっては特別な思いのある灯りとなっている大切な灯りです。

希望の灯りからは復興へと進む陸前高田の街や海岸線が見渡せ、地震や津波を決して忘れないようにと被災地の方々へ光を照らし続けています。

<基本情報>
住所:岩手県陸前高田市小友町茗荷1-237
電話番号:0192-56-2911
営業時間:9:00〜16:00
休館日:水曜日、年末年始
拝観料:無料
アクセス:国道45号線・広田半島入口信号より県道38号線に入り約10分(公共交通機関なし)

待ちわびた砂浜が復活!広田半島・大野海岸へ

待ちわびた砂浜が復活!広田半島・大野海岸へ

写真:菅野 育朗

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気仙大工左官伝承館から車でさらに東へ15分ほど、奇跡の一本松からは30分ほどで広田半島と呼ばれるリアス式海岸特有の大きな半島の入口に到着します。県道38号線を広田方面の案内標識に従い、半島沿いのやや狭い道を南へ下ります。目印となるものがなく迷いやすい所ですので、小友という集落から黒崎仙峡温泉という日帰り温泉への標識を目安に進みましょう。広田半島に入って5分あまり進むと、2018年7月にようやく復活した白砂のビーチが現れてきます。

再生されたばかりの砂浜は美しい白砂と透明度の高い澄みきった海がいっぱいに広がり、爽やかな風が吹き抜けます。砂浜へ降りる手すりもあり、小さなお子さんやシニアと一緒に訪れても安全。

待ちわびた砂浜が復活!広田半島・大野海岸へ

写真:菅野 育朗

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遠浅の海岸で沖にはテトラポットが多く配置され、波は穏やかです。波際を歩くと柔らかく細かい砂がふんわりと足を包んでくれます。のどかさを絵に描いたような風景で、かつて大津波が起こった事など信じられないようなゆったりとした時間が流れます。

自然の中に作られた砂浜は周囲には民家が立ち並ぶだけのエリアです。砂浜入口の防潮堤を越えた所にコンビニが1軒あり、サンドイッチやお弁当、ドリンク等を購入できます。

ドリンク片手に砂浜の端から端までを歩いても15分ほど。海風に吹かれながらゆっくりと散歩をしてみるのもまた贅沢なひととき。

待ちわびた砂浜が復活!広田半島・大野海岸へ

写真:菅野 育朗

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帰り道に高台を走る県道38号線から大野海岸を遠く眺めてみると、砂浜の白と海の青のコントラストがとても鮮やか。夏の海水浴はもちろん、四季を問わず東北の素朴な隠れ家ビーチの魅力にとり付かれる事でしょう。

大津波から7年。未曾有の天災から立ち直りつつある岩手・陸前高田の街は今ようやくゆっくりと元の美しさを取り戻しつつあります。

奇跡の一本松とその少し先へ、素朴な三陸の方々の心に触れながらの旅へ、今こそ出ましょう。

住所:岩手県陸前高田市広田町前花貝5-5 大野海岸
アクセス:国道45号線・広田半島入口信号より県道38号線に入り約20分(公共交通機関なし)

三陸復興国立公園・陸前高田の自然に触れる

東日本大震災から7年を経てようやく街の活気が戻ってきている岩手県・陸前高田。奇跡の一本松ばかりが注目されますが、三陸復興国立公園にも指定されており、真っ白な砂浜や身の詰まった海の幸など、様々な魅力があちこちにある街です。海の街ならではの大自然や人の優しさに触れたい時にはきっと心に残る旅となることでしょう。

2018年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2018/08/23−2018/08/24 訪問

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