写真:野口 まさゆき
地図を見る「田丸橋」は内子町に5つある屋根付き橋のひとつで、麓川(ふもとがわ)の中流域に架かります。
JR予讃線の内子駅から車で国道56号線を北上し、県道243号を左に分岐します。さらに北上して約20分くらいで河内という地区に着きます。麓川は県道の右側を流れていますので橋を見逃さないよう注意してくださいね。
県道沿いから田丸橋の全景を眺めることができます。周囲は山と緑の森とに囲まれ人家はまばら。小雨降る中で田丸橋はひっそりと佇み、周囲の里山風景に溶け込んでいます。
当時の農村風景をとどめるシンボルとして、司馬遼太郎の代表作でTVドラマ化された『坂の上の雲』のロケ地として選ばれました。主人公の秋山真之と正岡子規の妹の律が語り合う場面は、美しい田園風景を背景とした印象的な名シーンでした。
写真:野口 まさゆき
地図を見る県道から川に下っていくと橋を渡ることができます。橋の手前には「内子町指定有形文化財」の石碑が立ちます。橋の長さは12m、幅2m、杉皮葺きの切妻屋根で愛媛県特有の形状です。洪水で流出したものを1944年(昭和19年)に地元住民の力で再建しました。
当初は橋の屋根は耐久性を保つために設けられましたが、時の経過と共に、当時製造が盛んだった木炭や農産物などの保管場所として使用されました。その後は地域の集会所的な場所として、コミュニティの場となっています。今でも田丸橋保存会によって大切に管理されているんです。
晴れの日は川沿いに吹き抜ける風を感じながら、雨の日は雨宿りをしながら、どんな時でも居心地のよい場所なんです!
写真:野口 まさゆき
地図を見る田丸橋の全体構造は、橋桁を両岸から斜めに渡した木材で支え、橋脚を省いた構造です。これは昭和18年(1943年)の洪水で、橋脚に流木がからまり流失した経験から、地元の大工さんの工夫で「川をふわりとまたぐ」姿になりました。
<基本情報>
住所: 愛媛県喜多郡内子町河内2201
写真:野口 まさゆき
地図を見る県道243号をさらに北上していくと石畳地区に入ります。そこからさらに山道を上っていくと山頂付近で弓削神社に到着します。
室町時代に創建されたと伝えられる弓削神社。社殿を囲む池には神社の参道の役割を果たしている「太鼓橋」が架けられています。昭和30年頃の完成で、橋の長さ約22メートル。屋根は杉皮葺きで橋脚には栗の丸太が使われています。神社の氏子がこの橋を渡り、地域の五穀豊穣を祈る「日参り信仰」が今も続けられてします。
境内全体が景勝地と言われ、池に映るアーチ形の橋の素朴な風景とともに、春には梅や桜の花、初夏には花菖蒲が周辺を彩ります。
<基本情報>
住所:愛媛県喜多郡内子町石畳甲(弓削神社地内)
写真:野口 まさゆき
地図を見る内子町の最奥部ともいえる石畳地区は麓川の源流域であり、栗や椎茸生産などの農林業を主とする約60人くらいの集落があります。ここには山の斜面に沿った棚田や湧水、シダレザクラの銘木などがあって、里山散策にはぴったりのエリアです。約15体の御大師様が鎮座した場所を巡る「石畳ミニ八十八か所」も楽しいコースです。
春にはシダレザクラ祭りと弓削神社の大祭。夏から秋は田んぼが緑から黄金色へと輝き、大きな栗の木が田んぼに影を落とします。冬は太鼓橋の雪景色も美しいですよ。
内子町に現存する屋根付き橋は、下の宮橋、鳥居元橋、常盤橋を含め五つです。コンクリート造になったものもありますが、伝統的な農村景観を残そうと地元の団体が保存活動を続けています。
内子町は明治時代に木蝋生産で栄えた町で、重要文化財の「内子座」や八日市・護国地区の街並みなども保存され活用されています。町の東側の御禊(みそぎ)地区の山あいにあり、日本の棚田百選でスケールの大きい「泉谷の棚田」もおススメです。
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2018年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/4更新)
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