風光明媚な蒲郡のなかでも最も有名な景勝地、竹島。周囲680mほどの小さな小島で陸地からは橋でつながっています。長さ387mのこの橋は「縁結びの橋」とも呼ばれ、カップルのデートコースにぴったり。
竹島には開運、安産、縁結びの神様を祀った八百富神社や小さな砂浜があり、散策するのも楽しいところです。
竹島に向かう橋のすぐ近くにたたずむ海辺の文学記念館。平屋建てのモダンな建物で、背後には蒲郡の青い海が広がっています。
もともとこの地には料亭旅館「常磐館」があり、蒲郡の海や竹島とともに大正、昭和を代表する多くの文人たちに愛されてきました。川端康成、菊池寛、志賀直哉、井上靖、谷崎潤一郎というそうそうたる文豪たちが「常磐館」に逗留していたのです。
しかし建物の老朽化や時代の移り変わりによって「常磐館」は1982年、惜しまれつつも廃業、取り壊しとなりました。その後、文人たちの「常磐館」への想いを後世に残そうと蒲郡市にあった歴史的建造物「岡本医院」を模倣して建てられたのが海辺の文学記念館なのです。
海辺の文学記念館の内観はモダンそのもの。「常磐館」で使用されていた照明や調度品をそのまま飾っており、往年の「常磐館」の華やかさが伝わります。小説家の菊池寛は自身の小説『火華』のなかで「蒲郡の淋しい駅、あの駅を通り過ぎる旅客の誰が、この淋しい街の海岸にこれほど壮麗な旅館のあることを思い浮かべるだろう」と書いています。
海辺の文学記念館では、5年後、10年後の未来に向けて書く「時手紙」が大人気。未来の自分に書いても家族に書いてもOK。手紙を書いて、この時手紙ポストに投函すると指定した日に届けてくれます。
まずは記念館内にある券売機で券を購入。配達を希望する日が5年以内なら500円、6年1ヶ月から8年は700円、9年1ヶ月から10年は1,000円です(すべて税込)。時手紙の受付は15時30分までですので、気をつけましょう。
購入した券を記念館の方に渡すと「時手紙申込書」と便箋、封筒を渡されます。「時手紙申込書」には届出希望月とあて先、差出人の名前、住所などを記入します。筆記用具がない場合は、記念館の方で貸出をしてくれます。記念館にはいくつかデスクがあるので、そこでゆっくりと手紙を書きましょう。(写真の便箋は20周年記念の特別仕様のため、訪れる時期によっては異なる便箋になります)
メールやSNSで気軽に相手と連絡がとれる現代に、手紙を書くこと自体が貴重な体験です。何年後かの自分自身や家族、大切な人々に思いをはせながら、改めて今を振り返るよい機会になるでしょう。あなたも海辺の文学記念館で未来への手紙を書いてみませんか。
住所:愛知県蒲郡市竹島町15番62号
電話番号:0533-67-0070
アクセス:
JR東海道線「蒲郡駅」より徒歩15分
東名高速道路「音羽蒲郡IC」より車で15分
2018年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/4/19更新)
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