写真:いなもと かおり
地図を見る通称「歴博」こと国立歴史民俗博物館は、昭和58年に開館した博物館です。先史・古代から現在に至るまでの歴史や、考古学、民俗学、自然科学など多岐にわたる資料を展示。さらには、研究機関として学術の進展に寄与し、未来の研究者育成にも力をいれています。
歴博は、歴史が好きな人にとっては憧れの存在! 展示スペースは広大で、滞在時間は2〜3時間では足りないほどです。さらには、お子さんや、歴史に詳しくない人にもわかりやすいように展示方法が工夫され、多角的な視点から歴史を楽しむことができます! わくわくさせる展示は、きっとあなたの知的好奇心を刺激してくれますよ。
写真:いなもと かおり
地図を見る「近世」がテーマの第3展示室。国際社会の中で成長していく江戸時代の日本や、農業生産、物流など、人々の生活や文化に焦点をあてた展示が見どころです。とりわけ、教科書には載らないような、江戸で暮らす町人を紹介する展示が面白い!
例えば、『江戸図屏風』は表面をただ見るだけではなく、探したり、立体模型を観察することで、展示物と来館者とのコミュニケーションをはかる工夫がされています。
写真:いなもと かおり
地図を見る『江戸図屏風』とは、 17世紀前半の江戸の町を描いた絵画です。屏風には、江戸城や日本橋、浅草、上野、増上寺、また埼玉にある川越城や、富士山も描かれています。
さらには、日本庭園や湊の風景、そして町人や動物たちなど、細かい描写からも当時の姿を読み取ることができるので探してみてください。屏風の前に設置された機械では、絵画を拡大してじっくりと観察できるようになっています。
写真:いなもと かおり
地図を見る江戸の城下町について興味を持った方は「江戸橋広小路模型」もオススメ!「江戸橋広小路模型」は、日本橋付近の町・市場・盛り場を復元した模型です。120万人が暮らす江戸は、世界有数の都市であり経済の拠点でもありました。とくに日本橋は、現在にも続く老舗が並び、人や物が行き交う交差点のよう。
望遠鏡で覗き見すると……なんだか話し声が聞こえてきそうなくらいリアル!商業の発展は、彼ら一人一人の力があってこそと改めて感じられます。
写真:いなもと かおり
地図を見る可視化された展示は他にもありますよ! 例えば、民俗学を取扱う第4展示室では「妖怪の世界」に関する展示があります。
展示物の中央には河童が! 実は、河童についての研究はすでに江戸時代から行われていたそうです。文献に登場する初見は、なんと室町時代まで遡るそう。言葉や文字で現代まで語り継がれてきたなんて、スゴイことですよね。
写真:いなもと かおり
地図を見る体験することはできても目では見えないものといえば、人の一生もそうです。七五三や結婚式、葬式などの儀礼は、祈りやまじないのなかで生まれたもの。鎮魂や、幸せを願う「想い」は形となって私たちの一生に寄り添っています。これらの行事は、地域性もある点が面白いところですね!
また、人智を超えた見えないものに対するいとなみを紹介した「おそれと祈り」の展示も、歴博ならではのマニアックな内容となっています。
写真:いなもと かおり
地図を見るそして、注目の展示はコチラ!
2011年に東日本を襲った震災で、津波に飲み込まれた住宅を復元展示しています。展示されている尾形家は、宮城県気仙沼市にあるイワシ漁の網元として江戸時代から200年以上続く由緒ある家です。
歴博では、津波で流された生活用具や民具を救出してクリーニングし、流失を免れた部材も使いながら、津波に飲み込まれる前の空間を復元。気仙沼の歴史ある家をここに蘇らせたのです!
写真:いなもと かおり
地図を見る歴博の楽しみ方は、見る・体感するだけではありません!
第6展示室は1930年〜1970年までの現在史がテーマ。「戦争と平和」の展示では、歴博が位置する佐倉城址に置かれていた大日本帝国陸軍・歩兵第二連隊(のちに第五十七連隊)の兵営について紹介されてます。地域と一体となった佐倉市ならではの展示が見どころです!
写真:いなもと かおり
地図を見るこの当時、満20歳になる男子は徴兵検査を受け、選ばれた者は軍隊へ入り兵士となる義務がありました。歴博では、佐倉連隊兵舎の一部を実物大で再現。どのようなご飯を食べ、どのような生活を送っていたのかリアルに感じ取ることができます。
1日のタイムスケジュールは管理され、軍隊ラッパによって合図があったそう。ラッパの前に用意されたボタンを押して、「起床」「点呼」「食事」「突撃」「消灯」の5つの音の違いを聞き取ってみてください! 目を閉じて聞くその音からは、誇りと怖さが伝わってきます。
他にも、第3展示室「ひとともののながれ」のコーナーでは、嗅覚で感じる展示もあります。こうした工夫が随所で見られる歴博。展示物への興味がさらに増していきますよ!
写真:いなもと かおり
地図を見る楽しい想い出は、お土産にして持ち帰りたい……そんな時はミュージアムショップへ! 歴博独特のデザインがユニークでかわいいです。
ちなみに、おすすめは「洛中洛外図屏風 歴博甲本」の解説付き復元ミニ屏風。歴博で見た展示物を、まるで家に持ち帰るかのような歴史好きにはたまらないお土産です。
さらには「漢委奴国王」の文字が彫られた金印のレプリカも販売中!教科書に載るくらい有名な国宝のレプリカを、身近に置くことができるなんて特別感がありますね。
写真:いなもと かおり
地図を見るランチは歴博のレストラン内にある「古代カレー」がオススメ!不老長寿の米として歴代の中国皇帝に献上していたという古代米は、白米に比べてたんぱく質・ビタミンB1・カルシウム・マグネシウムなどが豊富に含まれ、さらには老化防止・発ガン抑制にも効果があるそうです。もちっとしたお米は、カレーのおいしさを引き立てます。
写真:いなもと かおり
地図を見る「歴史は五感で楽しむもの」と、歴博の展示はそう教えてくれます。さあ、あなたも歴史の渦の中に迷い込んでみて! 遠い昔の存在だと感じていた歴史を、もっともっと身近に感じてみてくださいね。
住所:千葉県佐倉市城内町117
電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル)
営業時間:9:30〜17:00(10月〜2月は16:30まで)、入館は閉館時間の30分前まで
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日火曜日)、年末年始
入館料:大人420円、大学生・高校生250円、中学生以下は無料
※企画展示は別料金が必要です。
アクセス:総武本線・佐倉駅より「ちばグリーンバス田町車庫行き」バス約15分、「国立歴史民俗博物館」または「国立博物館入口」バス停下車。または、京成・佐倉駅より「ちばグリーンバス田町車庫行き」バス約5分、「国立歴史民俗博物館」または「国立博物館入口」バス停下車。京成・佐倉駅から徒歩15分ほど。
取材協力:佐倉市/国立歴史民俗博物館
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(2024/11/9更新)
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