ここは現世?絶景の神苑千本鳥居と龍神宮 津軽「高山稲荷神社」

ここは現世?絶景の神苑千本鳥居と龍神宮 津軽「高山稲荷神社」

更新日:2018/09/23 20:36

赤い鳥居が続く千本鳥居。その千本鳥居が日本庭園のような場所にあったとしたら…?想像しただけで「そんな場所があったら行ってみたい」と思うのではないでしょうか。それが、津軽の高山稲荷神社にあるのです!

神苑の中に続く千本鳥居に、龍神池の畔に建つ龍神宮は「どこの世に迷い込んだ?」と思うほどの美しさ。ぜひ足を運んでほしい、高山稲荷神社をご紹介いたします。

ここに千本鳥居があるのは想像がつかない?

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青森県の津軽半島、日本海にほど近い場所に高山稲荷神社はあります。のどかな田園風景から森の中へと進んで行くと、突然現れる大鳥居。

その大鳥居をくぐるとすぐに駐車場があり、正面には参集殿(写真上)。とても開けた印象で、この場所からはこの神社に美しい風景の千本鳥居があるということは想像ができません。

ここに千本鳥居があるのは想像がつかない?
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神社社殿へは狛犬が迎える急な階段を上る必要があります。高山稲荷神社以外にも境内社のほとんどがあるのが、この階段の先にある木々に囲まれた高台。

千本鳥居があるのはさらにその奥、神社社殿がある高台から今度は急な階段を下った先にあります。階段がキツイ方は少し遠回りになりますが、階段より緩やかな女坂を利用すると良いでしょう。

山王神社と高山稲荷神社

山王神社と高山稲荷神社
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高山稲荷神社の創建は鎌倉時代から室町時代にかけてこの辺りを治めていた、安藤氏によるものと伝えられています。

現在考えられている創建は、境内社である山王神社が初めに祀られたのではないか、ということ。というのも山王神社の社伝には「安藤氏の祈願所であった十三湊の三王坊日吉神社から御霊が飛び去り、高山の地に降りられた」とあるのです。

その後江戸時代に入り赤穂藩お取り潰しの際、赤穂城中に祀られていた稲荷神社が、流浪の末に遷られたのがこの高山の地。稲荷信仰が盛んになったこともあり、現在でも高山稲荷神社として篤く信仰されているのです。

※山王神社は稲荷神社本殿の奥にあります。

山王神社と高山稲荷神社
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高山稲荷神社拝殿の欄間には見事な龍の彫刻。お稲荷さんで龍?と少し不思議な気もしますが、これは龍が水を司ることによる火除けのお守りです。現在の社殿は明治25年の火災焼失により再建されたもの。本殿向拝の柱にも左に昇龍、右側に降龍の彫刻があり、火災によって再び焼失することがないように守っているのです。

山王神社と高山稲荷神社
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神社本殿を正面に見て右手にある赤い鳥居をくぐると、急な下り階段があります。この階段の先にあるのが龍神宮と千本鳥居。開けた印象の参集殿付近、木々に囲まれた高台にある稲荷神社とはまったく違った風景がこの先に待っています。

龍神宮と龍神池、美しすぎて不思議な感覚になるかも?

龍神宮と龍神池、美しすぎて不思議な感覚になるかも?
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階段を下りるとまず現れるのは龍神宮。清々しい空気に包まれた、その景色の美しさには思わず言葉を失います。赤い鳥居と太鼓橋、そして艶やかな緑の睡蓮の葉。極楽浄土はこんな感じなのでは?と思うほど、美しいという言葉ではとても表現が足りません。(極楽浄土は仏教の概念。ここは神社なので表現は適していませんが…)

龍神宮と龍神池、美しすぎて不思議な感覚になるかも?
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この龍神宮の辺りは元々湿地帯で湧き水による池があり、龍神信仰の「龍神池」として地域の方々に信仰されていました。昭和18年に樺太で漁業を営む方から「高山龍神様により大漁が授けられた」と本殿が奉納されます。昭和28年には火災からの復興60年を祝しさらに整備を行い、今のような美しい姿となりました。

龍神宮と龍神池、美しすぎて不思議な感覚になるかも?
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夏の龍神池は白や濃いピンクの睡蓮の花が、彩りを添えています。こんな美しい池には本当に龍神が棲んでいるような気になります。

龍神池の畔に佇んでいると、ここがどこなのかいつの世なのか、一瞬分からなくなるような不思議な感覚になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

神苑に延びる千本鳥居

神苑に延びる千本鳥居
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美しい龍神宮を過ぎて少し大きめの鳥居をくぐると、その先にいよいよ千本鳥居が見えて来ます。

千本鳥居というと信者が祈願成就のために奉納されて増えていった、という由来が多いのではないでしょうか。しかしここの千本鳥居には奉納された方のお名前が一切記載されていません。

昭和57年(火災からの復興90年)この場所に神苑を造った際に、地元の農業組合が寄進したのがこの千本鳥居。地域の方の願いが込められた鳥居なのです。

神苑に延びる千本鳥居
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神苑の中の千本鳥居を歩く醍醐味は、なんと言っても赤い鳥居の隙間から見える景色ではないでしょうか。季節によっては紫陽花などの花も咲いています。木々の緑に空の青、赤い鳥居に池もあり、どこをとっても絵になる風景。鳥居をひとつくぐる度に見える景色が少しずつ異なるので、ついつい足が止まってしまいます。

神苑に延びる千本鳥居
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鮮やかな赤の千本鳥居の横には池があり、こちらにも睡蓮が見られます。そして鳥居を進んで行くと現れるのは赤い太鼓橋と、どこから来た水なのか岩から流れ落ちる滝。この水は龍神池を通ってなんと日本海へと流れ出でているのです。

絶景!神明社から眺める神苑の千本鳥居

絶景!神明社から眺める神苑の千本鳥居
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千本鳥居を抜けると少し開けた高台に出ます。ここにあるのは神明社で、天照大神を祀り農耕に関係のある社。

この神明社の裏には溜池があり、実はこの水が汲み上げられて滝となっているのです。昔はこの辺りも田圃だったのですが、神苑を造営する際に溜池が造られました。

絶景!神明社から眺める神苑の千本鳥居
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神明社の傍らの斜面には奉納された狐様。「お稲荷さん」の象徴的存在ですが、ここまで沢山並んでいるのも珍しいのではないでしょうか。顔や大きさもそれぞれ違うのでゆっくり眺めて見るのも楽しみ方の一つ。ほとんどが左右対になっています。

絶景!神明社から眺める神苑の千本鳥居

神明社から千本鳥居を振り返ると、緑と水の神苑の中を赤い鳥居が遠くまで続いています。その様子は筆舌に尽くし難いほどの絶景。こんなに美しい千本鳥居は、世界のどこを探してもないのではないでしょうか。

五穀豊穣の稲荷様に水を司る龍神様。現在のこの美しい風景が、地域の人々に篤く信仰されて来たことの何よりの証ではないでしょうか。ぜひ津軽の高山稲荷神社を訪れて、この素晴らしい景色を体感してください。

※高山稲荷神社の「高」は、正式には「はしごだか」

高山稲荷神社の基本情報

住所:青森県つがる市牛潟町鷲野沢147-1
電話番号:0173-56-2015
アクセス:
【電車】五所川原駅〜バス弘南バス小泊線(十三経由)〜高山稲荷神社入口バス停下車〜タクシー(もしくは徒歩)約3.2km
【車】東北自動車道 浪岡IC〜浪岡五所川原道路〜五所川原西バイパス〜R101号〜県道114号〜県道12号〜県道228号経由、約45km

2018年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/08/18 訪問

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