見逃せない伊・ミラノの古城「スフォルツァ城」と寛ぎ公園センピオーネ

見逃せない伊・ミラノの古城「スフォルツァ城」と寛ぎ公園センピオーネ

更新日:2018/10/02 14:25

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
イタリア第二の都市ミラノでの観光は、シンボル的存在のドゥオーモが建つドゥオーモ広場が中心となりがち。広場に面して、アーチ型ガラス天井と両側に建ち並ぶ建物が美しいガッレリアもあり観光客で溢れ返っています。

このドゥオーモ広場から徒歩でも行ける立地のスフォルツァ城も見逃せない観光スポットの一つです。要塞としての外観は武骨ですが、市立博物館が入ってミラノ公国の歴史を今に伝えており、見応えがあります。

要塞としての建物だった古城「スフォルツァ城」

要塞としての建物だった古城「スフォルツァ城」

写真:Hiroko Oji

地図を見る

イタリア第二の都市ミラノは、何百年もの歴史の中で積み上げられてきた建築群や芸術作品が魅力の一つ。観光の中心となるドゥオーモ広場周辺だけでも見どころがギュッと凝縮され、丸一日でも過ごせる観光客に人気のエリアです。

このドゥオーモ広場から徒歩でも行ける立地にあるのが、ミラノのルネッサンス期最大の宮殿「スフォルツァ城」。地下鉄に乗れば簡単にアクセスできます。

要塞としての建物だった古城「スフォルツァ城」

写真:Hiroko Oji

地図を見る

スフォルツァ城は、ミラノの名族ヴィスコンティ家の僭主ガレアッツォ2世・ヴィスコンティによって14世紀に建立された居城を、1450年にミラノ公爵のフランチェスコ・スフォルツァが城塞として改築したものです。16世紀から17世紀にかけては増改築されてきて、今では欧州有数の規模を誇る重厚な石造りのお城になっています。

入り口正面の高く聳える塔は「フィレーテの塔」。塔の中央にある白い石像はミラノの守護聖人「聖アンブロージョ石像」です。

要塞としての建物だった古城「スフォルツァ城」

写真:Hiroko Oji

地図を見る

フィレーテの塔の周囲を正方形に近い形で回廊が巡らされ、内側に広い中庭があります。最大のルネッサンス建造物として現存している建物群は、元々の面積の1/4程度で、残りは公園や道路になっています。

一階に入る古代美術館

一階に入る古代美術館

写真:Hiroko Oji

地図を見る

城内には市立博物館が入っており、入り口のロッカーにリュックなどの大きな荷物は預けて見学開始です。

まず1階の広い空間は古代美術館のスペース。みごとな彫像やレリーフの施された石棺が目を引きます。展示室奥の中央にはボニーノ・ダ・カンピョーネによる「ベルナボ・ヴィスコンティの霊廟」が置かれています。ベルナボは、当時のミラノ領主です。騎馬像部分は1363年完成、石棺下部は1380〜1385年完成です。

一階に入る古代美術館

写真:Hiroko Oji

地図を見る

展示品のみならず、建物そのものも見応えがあります。天井や壁面に目を向けると、素晴らしいフレスコ画が残されています。写真はその中の一つ、ミラノ公国時代のスフォルツァ家の紋章。また、「アッセの間」の天井一面を覆う植物の装飾画は、レオナルド・ダ・ヴィンチによるもので、異次元の雰囲気が味わえます。

他にも、15世紀半ばの優れた彫像類を集めた「コロンビーナの間」や重厚なゴブラン織りでできた宗教行事用の大きな旗やタペストリーが見事な「旗の間」、「公爵の礼拝堂」なども素晴らしい天井画が見られます。

一階に入る古代美術館

写真:Hiroko Oji

地図を見る

「メディチの銀行の門」などの門が並ぶ第14展示室は緑の間とも呼ばれ、15〜16世紀の彫刻や武器、石棺などが展示されています。何重にも続くように見える門は、両側の付け柱や上枠に素晴らしいレリーフ装飾が施されています。

また見逃せないのは、ミケランジェロのロンダニーニのピエタ像。89歳という長寿で亡くなったミケランジェロは4つのピエタを残していますが、死の直前まで視力を失いながらも手掛けていた最後の作品という事でも有名。「未完のピエタ像」とも言われています。

家具や陶器・絵画の膨大なコレクション

家具や陶器・絵画の膨大なコレクション

写真:Hiroko Oji

地図を見る

古代美術館に続く各部屋はアンティーク家具・木彫り博物館。かつて活躍した家具の数々が年代別に集められて展示されています。

手の込んだ木彫り家具に貝殻細工の装飾が施されていたり、ゴブラン織りや金箔で覆われた椅子・鏡などに加えて、銀製の神々の彫像が柄になったナイフやフォークに水盤、繊細な木目込み細工など、目を瞠る美しい家具が並びます。

家具や陶器・絵画の膨大なコレクション

写真:Hiroko Oji

地図を見る

絵画館にも、素晴らしい絵画が並んでいます。

マンテーニャの「聖母と聖人」、ベンボの「多翼祭壇画」、ベッリーニの「聖母子」「月桂冠を戴いた詩人」、コレッジョの「男の肖像」など名画を探しながら進んでださいね。

家具や陶器・絵画の膨大なコレクション

写真:Hiroko Oji

地図を見る

また、陶器コレクションの数もかなりなもの。中世後期からルネッサンスにかけての膨大な数の陶器を所蔵しており、イタリア北部の食堂洋食器一式としてよく使われたものなどが並んでいます。

膨大な数の古代楽器の博物館

膨大な数の古代楽器の博物館

写真:Hiroko Oji

地図を見る

楽器に興味のある方には必見のスペースは古代楽器博物館になっています。

こちらは年代物の鍵盤楽器がずらりと並んでいるコーナー。演奏の工夫された仕掛けがあるだけでなく、蓋の内部まで施された絵も貴重なものです。

膨大な数の古代楽器の博物館

写真:Hiroko Oji

地図を見る

ガラスケースに収められた弦楽器や管楽器も含めてかなり広い面積に多数展示され、見応えがあります。

膨大な数の古代楽器の博物館

写真:Hiroko Oji

地図を見る

さらに古代エジプト博物館、装飾芸術博物館、考古学および古銭博物館、トリブルツィアーナ図書館などが続きます。これらをじっくり見て回るのには1〜2時間では足りないかもしれません。見学には時間の余裕を持たせて訪問されることをお勧めします。

背後に広がるセンピオーネ公園で寛ごう!

背後に広がるセンピオーネ公園で寛ごう!

写真:Hiroko Oji

地図を見る

城内見学でたっぷり歩き回ったら、城の奥に隣接する広大で緑豊かなセンピオーネ公園へ行ってみましょう。ここは地元の人の憩いの場となっています。

背後に広がるセンピオーネ公園で寛ごう!

写真:Hiroko Oji

地図を見る

45万平方メートルにもおよぶ公園内にはアレーナや水族館、公園タワー、市立図書館などがあり、ミラノ市内で最大の公園です。木陰や水辺、芝生の上でのんびりできる空間が広がりますので、疲れた体と頭を癒してくださいね。

背後に広がるセンピオーネ公園で寛ごう!

写真:Hiroko Oji

地図を見る

一番奥にあるのが「平和の門」。高さ25メートル、幅24メートルのネオクラシック様式の凱旋門です。ファサード上部を飾る彫像は、大理石とブロンズでできており、ライプッツィヒの戦いやウィーン会議など、重要な歴史的出来事を物語っています。最上段にはイタリア彫刻家アッボンディオ・サンジョルジョの作品「6頭馬車の像」がのっています。

スフォルツァ城の基本情報

住所:Piazza Castello, 20121 Milano,
開城時間:7:00〜19:30
休館日:月曜日
アクセス:地下鉄1号線カドルナ(Cadorna)駅とカイロリ(Cairoli)駅、地下鉄2号線ランツァ(Lanza)駅、国鉄ミラノ北(ノルド)駅からそれぞれ徒歩2〜3分

2018年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/07/18 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -