写真:Mayumi Kawai
地図を見るかつてシルクロードの要衝として栄え、1991年のソ連崩壊まで旧ソ連の一つであった中央アジアの国・ウズベキスタン。そのため、今でも国民はロシア語を話し、公用語のウズベク語にロシア語が併記されたり、旧ソ連色の建物も少なくありません。
そのうちの一つに首都タシュケントを走る地下鉄があります。タシュケント地下鉄は中央アジアで最初の地下鉄として1977年に開業し、以来、庶民の生活の足として活躍しています。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る旧ソ連時代、核シェルターの役割の一環で建設された地下鉄。しかし設計にはウズベキスタンの高名な建築家や芸術家が参画し、各駅意匠を凝らした芸術品のような仕上がりになっています。
しかし、ウズベキスタンでは政府建物や軍事関連施設の撮影はご法度。巡回の警官らに厳しく取り締まられ、見つかればデータを削除されたり、運が悪いと別室に連行されることも。そのため、旅行者の間では長らくベールに包まれていたのですが、2018年6月、満を持して地下鉄に限り撮影が解禁されたのです!
現在、タシュケント地下鉄はチランザール線(Chilonzor)12駅、ウズベキスタン線(O’zbekiston)11駅、ユヌサバード線(Yunusobod)6駅の計29駅が開通されており、その一駅一駅がすべて異なるデザインになっています。その華麗なる美の世界を厳選してご紹介いたします。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るこちらはアリシェル・ナバイ(Alisher Navoi)駅。モスクを思わせるアーチ型の大理石の支柱に天井ドーム、イスラム文様の天井画に、ホーム壁面には歴史のストーリーを思わせる青のタイル画が配されています。タシュケント地下鉄の中でもっとも絢爛豪華な駅の一つです。
当駅はチランザール線のパフタコール(Paxtakor)駅への乗換駅でもあり、タイムトンネルのような連絡通路も見応えがあります。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るこちらはムスタキリーク(Mustakillik)駅。天井からはシャンデリアが掛かり、石膏や大理石からなる真っ白なホームは白亜の地下宮殿のようです。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るこちらはミング・ウリク(Ming O’rik)駅。クラシカルなデザインと照明が特徴的で、こちらも地下宮殿を思わせます。
当駅はウズベキスタン線のアイベク(Oybek)駅への乗換駅でもあり、アイベク駅もアラベスク模様が美しいモダンな角柱を擁しています。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るこちらはコスモナフトラル(Kosmonavtlar)駅。宇宙をイメージした青い空間のホームで、ガラスで彩られた緑の支柱や天井が照明でキラキラ輝き、まるでプラネタリウム。ホーム壁面にはウズベキスタンが誇る天文学者や宇宙飛行士などの石版肖像画が飾られています。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るこちらはガフル・グロム(Gafur Gulyam)駅。ブルーグリーンの支柱にホーム壁面を彩る青基調のモザイク抽象画がとてもアーティステックです。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るこちらはバダムザール(Bodomzor)駅。白基調のアーチ型の天井に描かれた幾何学模様にはさまざまな植物をモチーフにした陶器の絵柄が散りばめられ、アートミュージアムのようです。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るこちらはタシュケント駅。タシュケント地下鉄のメイン駅というだけあり駅の随所に凝った意匠が施されています。中でも目を奪われるのはホーム壁面にある青の陶磁の巨大壁画。絵本の1ページのような緻密で美しいデザインが広がります。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るこちらはパフタコール(Paxtakor)駅。中央アジアを象徴するような美しいイスラム建築のアラベスク模様が壁一面に施されています。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る最後はアミール・ティムール広場(Amir Temur Xiyoboni)駅。旧ソ連時代はロシア革命にちなんだ「10月革命駅」という名称でしたが、独立後は駅前広場への中央アジアの始祖ティムール像の設置に伴い改名されました。
白を基調とした天井には繊細なアラベスク模様が施され、実に壮麗かつ重厚なたたずまいとなっています。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る最後にタシュケント地下鉄の乗り方を簡単にご説明します。まず、町中にある「M(=Metro)」の看板の地下を目指すと「KASSA」と書かれた切符売り場があるので、そこでトークンを購入します(乗車料金一律1,200スム)。現金のみの取扱ですのであらかじめ少額を用意しておきましょう。
改札前には簡単な荷物検査がありますが、大きめの荷物以外はそのまま改札に入っても問題ありません。改札機にトークンを入れ、目的地では「EXIT」と書かれた出口扉から出るのが一連の流れです。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るちなみに、駅構内に路線図はありません。駅ホームには方角の書かれた案内板が設置されていますが、小さく読みづらくウズベク語とロシア語だけなので、路線図を事前にプリントアウトするなどして用意しておくと便利です。
撮影上の注意は、駅職員や係員を撮影しないこと、また動画撮影も禁止です。こっそり撮ったのがバレたら全消去あるいは最悪別室送りになるのでご注意を。
いかがでしたでしょうか。タシュケント地下鉄は現在29駅存在します。それぞれが個性的でまるで美術館を訪ね歩くようなワクワク感があります。モスクとはまた違ったウズベキスタンの華麗なる美の世界、ぜひウズベキスタン訪問の際はタシュケント地下鉄に立ち寄ってみてください。
住所:Tashkent Metro Station, Turkiston Street, Tashkent, Uzbekistan
営業時間:5:00〜25:00
乗車料金:一律1,200スム(約17円前後)
アクセス:町中にある「M(=Metro)」マークを目印に探してください。日本のように◯番出口のような標識はないのでご注意を。
2018年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/9/11更新)
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