写真:SAORI GRAPH
地図を見る下ノ廊下への出発起点は黒部ダム。長野県大町市の扇沢駅(駐車場完備)から関電トンネルトロリーバスに乗り、黒部ダム駅で下車します。このトロリーバスは2018年11月末日をもって運行を終了し、2019年4月からは新しく電気バスが導入されることが決まっています。
下ノ廊下は、黒部渓谷の核心部を通る上級者向けのコース。下ノ廊下を含む、黒部ダム〜仙人谷ダムまでの歩道は「旧日電歩道」と呼ばれ、約16.6kmあります。更にその先は富山県黒部市の欅平まで約13kmにわたって「水平歩道」が延びています。
なお扇沢駅にマイカーを停めて黒部ダムから欅平まで歩き抜く場合は、マイカーの回送サービスを利用すると良いでしょう。
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地図を見る黒部ダム駅の登山者出口を出て、旧日電歩道方面へ山道を降りていくと、黒部ダムの下流に架けられた丸太の橋があります。
通常は上から見下ろす黒部ダムですが、丸太の橋からはこのように下から黒部ダムを見上げることも出来ます。時間帯によっては迫力満点なダムの放水が見られますよ!
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地図を見る山々に囲まれた旧日電歩道は、歩道に沿って黒部川が流れ、大自然を感じながらのトレッキングが楽しめるでしょう。
ただし山肌に一本の線を引いたような旧日電歩道は、狭いところで道幅50〜60cmの箇所も。滑落防止の柵などは一切なく、あるのは山側に打ち付けられたアンカーに通した手すり代わりのワイヤーが一本だけ。景色に夢中になりすぎて滑落しないよう、足元への意識は怠らないようにしましょう!
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地図を見る黒部渓谷は日本有数の豪雪地帯。登山道の整備は残雪がある程度溶ける初夏になってから始まるため、開通するのは例年9月下旬頃。11月になると積雪や凍結が始まるため、通行可能なのは1年間のうち秋の1ヶ月程に限られています。
ただこれはあくまで目安であり、天候によっては整備が進まず開通が遅れたり、年によっては残雪が多く開通しない場合もあります。下ノ廊下への行く場合は、必ずこまめに状況をチェックするようにしましょう。
写真:SAORI GRAPH
地図を見る自然の登山道なので、崩壊の危険がある箇所や、若干崩れている箇所もあります。
注意書きに従い、ルート外のトレッキングはしないようにしましょう。
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地図を見るところどころに架けられている丸太の桟道やハシゴは、整備作業員の方が長さ6mもある丸太を担いで搬送し、時には岩壁にぶら下がりながら作ってくれているもの。他にも土砂の除去や、手すりとなるワイヤーの張替えなど、登山道開通に向けて毎年夏から秋にかけて整備をしているのです。
登山者がトレッキングや絶景を楽しめるのも、命懸けで整備をしてくださっている作業員の方がいるからこそ。実際に歩いてみると、その凄さが実感できます。
写真:SAORI GRAPH
地図を見るでは「黒部に怪我なし」と言われている黒部渓谷の様子をご紹介します。
まずは高さ十数メートルもある梯子。しかもほぼ垂直なので、実際に荷物を背負いながらの昇り降りはかなり怖いです。一歩間違えれば黒部川の藻屑となりかねません。
下を見ると足がすくんでしまったり手に力が入らなくなってしまいそうなので、あまり下は見ずに焦らず確実にクリアしましょう。
写真:SAORI GRAPH
地図を見る場所によっては頭上に岩が迫っている場所もあるので、ヘルメットを被ると頭部の安全も確保できます。
黒部渓谷の核心部「下ノ廊下」の辺りは、歩道から谷底まで100m以上の落差があるところも。道幅は非常に狭い場所も多く、人ひとりが通るのがやっと。足元はゴツゴツした岩で歩きづらかったり、石に乗ると足を滑らせたりと常に滑落の危険と隣り合わせなので、気を抜かずに慎重に進んでくださいね。
写真:SAORI GRAPH
地図を見る時には滝のようになっている道を水を被りながら通ることも。万が一足を滑らせると、そのまま谷底まで一直線です。
両手は常に空けた状態にしておき、カメラなどを構えながら歩くことのないようにしましょう。
写真:SAORI GRAPH
地図を見る険しい道が続く下ノ廊下ですが、秘境に相応しい景勝地が数多く存在します。
代表的なものだと、こちらの「十字峡」。十字峡吊り橋の上から見る事が出来ます。
左岸から剱沢、右岸から棒小屋沢がほぼ同じ場所で合流し、黒部川本流とあわせて十字の形を作っているので「十字峡」と呼ばれています。エメラルドグリーンの水の色も美しいですね。
写真:SAORI GRAPH
地図を見るこちらは「S字峡」と呼ばれる景勝地。
深い谷底を流れる川が、アルファベットのSを描くようにくねくねと曲がっています。10月中旬頃になると、S字峡の両岸が鮮やかな紅葉で彩られ、それはそれは見事な景色を見ることができます。
写真:SAORI GRAPH
地図を見る朝、黒部ダムを出発し1日歩くと阿曽原温泉小屋に到着。ここで小屋に泊まったりキャンプ場にテントを張って1泊します。
小屋への宿泊は素泊まりプランと夕食付きのプランがあり、温泉の入浴も可能。ハイシーズンはかなり混雑するので、早めに予約をしましょう。テントを張る場合は1人800円で、温泉への入浴料は別途700円かかります。なお、テント場は予約ができません。到着した順に、適地を見つけてテントを張るようになります。
写真:SAORI GRAPH
地図を見る温泉は1つしかないので、1時間ごとに男女交代制で入浴。小屋や温泉の入口に男女別の入浴時間割が貼られているので、そちらで時間を確認して入ります。
温泉は小屋から5分ほど下ったところにあり、脱衣場はありません。靴を脱ぎ、すのこの上で脱衣し、備え付けの洗面器で体を流して湯舟に入ります。
大自然の中に豪快に作られた温泉に浸かるとどっと力が抜け、まるで1日歩き続けた足が「やっと解放された〜!」と言っているよう。温泉に浸かり、ゆっくり寝て、翌日に備えましょう。
普通の登山とはまた違ったスリリングな登山道で人気の下ノ廊下。
ただ危険な箇所も多く、実際に滑落事故も起こっています。山に慣れていても油断は禁物。事前に阿曽原温泉小屋のWEBサイトで山の状況を確認したり、ルートを確認するなど情報収集もしっかりしましょう!
10月中旬の紅葉の時期は、下ノ廊下のハイシーズン。安全に配慮し、いつもと違った登山と秘境ならではの美しい景色を楽しんでくださいね!
2019年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/10/11更新)
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