紀泉温泉修験道とは、和歌山県(紀州)と大阪府(泉州)にまたがる紀泉地方からスタートした湯巡りスタンプラリー。今では奈良県や三重県までその範囲を広げています。このエリアには世界遺産にも登録された熊野三山や高野山、そして伊勢神宮があり、そこに辿り着くまでの祈りの道が駆け巡っています。その道沿いには旅人の疲れを癒した魅力ある温泉が多数点在。紀泉温泉修験道では、巡礼の修行を追体験するかのように、点在する温泉を巡っていきます。
参加方法は、参加施設で写真の先達帳(200円)を購入します。そこへ入浴するごとに1つスタンプを受け、8か所スタンプが集まればゴール。あとは事務局の花山温泉に郵送または持参で名人を申請します。申請料は2000円で、特製タオルなどの記念品がもらえます。
写真:野水 綾乃
地図を見る高野山のふもと、かつらぎ町にある「かつらぎ温泉 八風の湯」は、和歌山市街からもアクセスしやすく、湯巡りのスタートにおすすめの日帰り温泉施設。100年ほど前にできた造り酒屋の建物を利用していて、大浴場の高い天井や梁にその名残を感じることができます。
こちらの特徴が、4種の異なる源泉を使用していること。なかでも凄いのが、大浴場の大浴槽を満たす第五源泉。数万年前の太古の海水が温泉となったもので、日本でもトップクラスの塩分濃度を誇ります。あまりにも濃いため、第四源泉と混合させて、まろやかにしているほど。茶褐色に濁った温泉は、保温と保湿効果に優れています。
写真:野水 綾乃
地図を見るさらに、第四源泉を単独で味わえる壺風呂も人気です。この壺風呂は20度前後で湧き出す第四源泉をそのまま使用した、冷たい温泉。泉質は日本でも数少ない二酸化炭素泉で、浸かるとすぐ肌にプクプクと気泡が付いてきます。気泡の炭酸ガスが皮膚から吸収されて血行が促進され、肌色を明るくみせてくれる効果がありますよ。
<かつらぎ温泉 八風の湯の基本情報>
入浴料:平日1000円、土・日・祝1200円、全日20時以降700円
住所:和歌山県伊都郡かつらぎ町佐野702
電話番号:0736-23-1126
アクセス:JR和歌山線笠田駅より徒歩5分
※改装工事に伴い2019年2月1日から3月末まで露天風呂(大浴場)のみ利用不可。2019年4月リニューアルオープン予定。
写真:野水 綾乃
地図を見る熊野古道「中辺路」ルートの中間地点、「アイリスパーク」という自然豊かなオートキャンプ場に併設した「女神の湯」があります。ここは温泉愛好家たちの評価がとっても高い温泉。
小さなプレハブ小屋に男女別の内湯があり、3〜4人サイズのポリバスがひとつあるだけの簡素な施設ですが、この温泉が浸かってみると本当にびっくり。日本でも最強レベルのトロトロ度です。泉質は「重曹泉」と呼ばれるナトリウム―炭酸水素塩泉で、とろみのある温泉が肌にまとわりつき、ツルツルにしてくれる美人の湯です。
<女神の湯 アイリスパークの基本情報>
入浴料:650円
住所:和歌山県田辺市中辺路町近露128-1
電話番号:0739-65-0410
アクセス:JR紀勢本線紀伊田辺駅より本宮大社または発心門王子行きバスで約1時間、「観音寺前」バス停下車徒歩10分
写真:野水 綾乃
地図を見るもうひとつ、マニア心をくすぐる温泉が、日本最古の温泉とされる湯の峰温泉にあります。温泉街の中心を流れる湯ノ峰川のほとりに建つ「伊せや」は、一度水害で廃業するも、温泉好きの現オーナーの手によって2015年に復活した老舗旅館。
こちらのお湯には、卵スープか湯葉を思わせる大きな湯の花がゆらゆらと漂っています。女湯のほうが源泉に近いため、湯の花の量も多いとのこと。ツルツルとした湯の感触も肌に心地よく、硫黄のこっくりとした香りにも癒されます。
<伊せやの基本情報>
入浴料:600円
住所:和歌山県田辺市本宮町湯峰102
電話番号:0735-42-1126
アクセス:JR紀勢本線新宮駅より熊野本宮線バスで約1時間「湯の峰温泉」下車すぐ
写真:野水 綾乃
地図を見る絶景のロケーションで選ぶなら、川湯温泉の「山水館 川湯みどりや」が外せません。露天風呂があるのは宿のすぐそばを流れる大塔川の河原。専用の湯浴み着を借りて入る混浴で、大自然に抱かれる開放感がたまりません。温泉は無色透明のナトリウムー炭酸水素塩・塩化物温泉ですが、白い消しゴム状の湯の花がたくさん浮いていて、ほのかに硫黄の香りが漂います。
普段は穏やかな大塔川ですが、2018年8月の台風20号の影響で氾濫。みどりやも深刻な被害を受け、同年12月に営業再開したばかりです。川湯温泉の冬の風物詩、大塔川をせき止めた巨大露天風呂「仙人風呂」も2018年度は12月22日〜2月末までオープンしています。
<山水館 川湯みどりやの基本情報>
入浴料:800円
住所:和歌山県田辺市本宮町川湯13
電話番号:0735-42-1011
アクセス:JR紀勢本線新宮駅より熊野本宮線バスで約50分、「川湯温泉」下車徒歩2分
和歌山の市街地の外れにある「花山温泉 薬師の湯」は、関西最強と言われる濃い温泉が大人気。自分の体が見えなくなってしまうほど濃い茶褐色の湯は、天然の二酸化炭素を高濃度で含む炭酸鉄泉。温泉に含まれる炭酸カルシウムが積み重なり、鍾乳石のようになった湯船も、温泉の濃さを物語っています。
炭酸成分が高濃度でふくまれているかけ流しの源泉風呂(26度)と、加温した大浴槽に交互に浸かるのがオススメの入浴法。炭酸ガスの効果と温冷交互の刺激で血流がアップし、自然治癒力を高めてくれます。
<花山温泉 薬師の湯の基本情報>
入浴料:1100円、17時以降850円
住所:和歌山県和歌山市鳴神574
電話番号:073-471-3277
アクセス:JR和歌山駅より信愛短大または紀伊風土記の丘行きで15分、「秋月」下車徒歩10分
点在する温泉を効率よく巡るならドライブがおすすめです。今回紹介した温泉を中心に、1泊2日で8湯を制覇できるモデルコースはこちら。
1日目:JR和歌山駅→かつらぎ温泉 八風の湯→やどり温泉いやしの湯→龍神温泉元湯→わたらせ温泉大露天風呂→山水館 川湯みどりや
2日目:湯の峰温泉見学→伊せや→女神の湯 アイリスパーク→花山温泉 薬師の湯
名人の申請は郵送でもできますが、現地で済ませたい場合は事務局の花山温泉 薬師の湯を最後に訪れるとよいでしょう。
紀泉温泉修験道の参加施設は4県で46施設(2019年1月現在)。関連MEMOのホームページには参加施設が一目で分かるマップが掲載されていますので、湯巡りプランの参考にしてください。
2019年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/15更新)
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