わたらせ渓谷鐵道に乗っていこう!終着駅から始まる足尾銅山の遺構巡り

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わたらせ渓谷鐵道に乗っていこう!終着駅から始まる足尾銅山の遺構巡り

わたらせ渓谷鐵道に乗っていこう!終着駅から始まる足尾銅山の遺構巡り

更新日:2018/09/28 09:27

清水 克樹のプロフィール写真 清水 克樹 フォトライター

日本の近代産業の歴史を語る上で欠かせない足尾銅山。
江戸時代から銅の採掘が始まり、明治以降は当時の最先端技術を駆使し、東洋一と謳われる銅の一大生産地と発展しました。
銅山の閉山後、周辺にはかつての採掘施設の遺構の多くが残され往時を偲ぶことができます。
今回はわたらせ渓谷鐵道の終着駅間藤から旧足尾本山駅への廃線跡を辿りながら、誰でもお手軽に楽しめる足尾銅山跡地のおすすめポイントを紹介していきます。

わたらせ渓谷鐵道に乗って終着、間藤駅へ

わたらせ渓谷鐵道に乗って終着、間藤駅へ

写真:清水 克樹

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群馬県の桐生駅から美しい風景を見せる渡良瀬川に沿って走るローカル線、わたらせ渓谷鐵道。
この路線は銅山で採掘された銅の輸送のため明治44年に足尾鉄道として開業、その後の国有化による国鉄足尾線時代にも多くの貨物輸送で活躍、足尾銅山の近代化と発展に貢献した鉄道です。
平成元年にわたらせ渓谷鐵道として渡良瀬川の渓谷美を堪能できる観光路線に特化した鉄道となりましたが、足尾銅山の歴史を語る生き証人でもあります。
今回の遺構巡りはこのわたらせ渓谷鐵道の終着駅である間藤駅からスタートとなります。

わたらせ渓谷鐵道に乗って終着、間藤駅へ

写真:清水 克樹

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わたらせ渓谷鐵道の終着駅は確かにここ間藤駅なのですが、実はかつてここから足尾本山の精錬所への貨物線が約2キロほど伸びていました。
足尾本山駅までの貨物線は大正3年に開通。銅山の閉山した昭和48年からも輸入された鉱石の製錬が足尾本山で続けられ、その貨物輸送としてもしばらく運行が続けられましたが昭和63年に製錬の終了に伴い貨物線の役割も失われそれ以降列車が走ることもなくなりました。

わたらせ渓谷鐵道に乗って終着、間藤駅へ

写真:清水 克樹

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貨物列車の運行が終了後もしばらくの間、休止線として正式な廃線にならなかったことから今でも線路など多くの鉄道設備が現存しています。
駅に裏の駐車場にも線路こそ撤去されているものの、枕木や路盤がそのまま足尾本山方面へと伸びています。

<間藤駅の基本情報>
住所:栃木県日光市足尾町下間藤2番地
電話番号:0277-73-2110(わたらせ渓谷鐵道株式会社)
※終日無人駅のため駅員さんはおりません
アクセス:JR桐生駅からわたらせ渓谷線に乗り換えて約1時間30分。
     東武鉄道相老駅からわたらせ渓谷線に乗り換えて約1時間20分。

まるで現役のように残る松木街道踏切周辺の鉄道遺構

まるで現役のように残る松木街道踏切周辺の鉄道遺構

写真:清水 克樹

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間藤駅から貨物線跡の並走する栃木県道250号を5分ほど歩くと踏切の跡が見えてきます。
ここはかつて貨物線が県道を横断していた松木街道踏切の跡地であり、当時使用されていた警報器がそのままの形で残されています。

まるで現役のように残る松木街道踏切周辺の鉄道遺構

写真:清水 克樹

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踏切の場所から足尾本山方面へはしっかりと線路も残されており、まるで現役の路線のようでもあります。しかし、草が生い茂り錆びついた線路がすでにここに列車が来ないことを語っています。
線路内は私有地となるため立ち入り禁止となっていますが、踏切跡からは柵越しにその様子を見ることができます。

まるで現役のように残る松木街道踏切周辺の鉄道遺構

写真:清水 克樹

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奥に見える鉄橋は渡良瀬川にかかっている第二松木川橋梁。貨物線開通当時から使用されており、現在でも立派なその姿を見ることができます。

足尾銅山近代化への足掛かり、間藤水力発電所跡

足尾銅山近代化への足掛かり、間藤水力発電所跡

写真:清水 克樹

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足尾銅山の近代化は明治10年に古川市兵衛による鉱山の経営が開始されてから始まりました。その際、鉱山の設備の動力近代化に伴い多くの電気が必要とされたことから日本最初期の水力発電所である間藤水力発電所が設置されました。
明治39年には発電規模の多い日光細尾発電所の使用が開始されたことによりその役割を終えていますが、現在でも当時使用された鉄管の一部が県道沿いに保存されています。

足尾銅山近代化への足掛かり、間藤水力発電所跡

写真:清水 克樹

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鉄管が保存されている場所の眼下に渡良瀬川沿いにあった間藤水力発電所の跡地があります。かつてここには上層の鉄管から水を流し、その水圧によって電力を発生させるトルビン式横水車を設置した原動所がありましたが、現在ではそのレンガ部分の基礎だけを見ることができます。

<間藤水力発電所跡の基本情報>
住所:栃木県上都賀郡足尾町上間藤
アクセス:わたらせ渓谷線間藤駅から徒歩10分

足尾銅山の拠点、本山製錬所と古河橋

足尾銅山の拠点、本山製錬所と古河橋

写真:清水 克樹

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間藤駅から延びていた貨物線跡地の終着になるのが本山製錬所。
明治からの鉱山近代化は銅の産出量を飛躍的に増加させ、それに対応するため明治17年に開業した本山製錬所。製錬所では鉱山で採集された鉱石を純粋な銅にする製錬が行われ、当時は足尾銅山の発展の中心地でもありました。一方、製錬の過程で生じた重金属を含む排水や亜硫酸ガスは足尾銅山鉱毒事件を引き起こし、日本の公害問題の原点としてその名を広めることにもなりました。昭和63年の製錬の終了後も設備が残されており、渡良瀬川の対岸からはその全景を見ることもできます。

足尾銅山の拠点、本山製錬所と古河橋

写真:清水 克樹

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本山製錬所の入り口に架かるのが古河橋。足尾銅山の創業者の名を冠したこの橋は、明治23年にそれまであった木造の橋を立て替えられる形で設置されて以降、当時の姿のままで現代に残され、国の重要文化財にも指定されている貴重な鉄橋です。

<本山製錬所と古河橋の基本情報>
住所:栃木県日光市足尾町本山
アクセス:わたらせ渓谷線間藤駅から徒歩30分
※施設内は立ち入り禁止となります。外観の見学だけに留めましょう。

お手軽に楽しめる、足尾銅山の魅力的な廃墟達

今回訪れたスポットは間藤駅から歩いてアクセスできる場所にあり、本山製錬所へは史跡を巡りながら徒歩30分ほどで行くことができます。いずれのスポットも公道から安全に見学できる場所にあるので初めての廃墟巡りにもおススメです。
わたらせ渓谷鐵道で雄大な渓谷や自然の美しさを満喫した後に、足尾銅山の遺構を巡りながら、かつての銅山の繁栄に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

2018年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/09/23 訪問

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