馬籠峠越え!石畳が残る歴史の古道・中山道木曽路の馬籠宿〜妻籠宿を歩く

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馬籠峠越え!石畳が残る歴史の古道・中山道木曽路の馬籠宿〜妻籠宿を歩く

馬籠峠越え!石畳が残る歴史の古道・中山道木曽路の馬籠宿〜妻籠宿を歩く

更新日:2018/10/09 10:27

和山 光一のプロフィール写真 和山 光一 ブロガー

江戸時代の風情を残す中山道木曽路の宿場町として人気の高い馬籠宿と妻籠宿は、車で行けば20分ほどの距離ですが、間にある標高801mの馬籠峠を越えて歩く散策路は、およそ2里(約8km弱)、木曽路の中でも旧街道の姿がよく残され、道中には男滝・女滝や大妻籠などの見どころもたくさんある人気のハイキングコースになっています。歴史を感じる石畳の道を昔の旅人の思いを想像しながら峠越えの醍醐味を味わってみませんか。

馬籠峠を妻籠宿から越えるか、馬籠宿から越えるか悩む出発地点

馬籠峠を妻籠宿から越えるか、馬籠宿から越えるか悩む出発地点

写真:和山 光一

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馬籠〜妻籠間は約8km弱、徒歩で約3時間弱のコースです。標高801mの馬籠峠の妻籠宿側は約6km、標高差約370mのゆるやかな長い坂ですが、馬籠宿側は約2km、標高差約200mの急な短い坂道です。どちらから歩き始めるかは体力と食事時間との兼ね合いになりますが、おすすめは馬籠宿からのスタートです。特に見どころの多い妻籠宿側を下りながら気軽に見て歩けるので、元気のあるうちに馬籠峠まで上ってしまいましょう。ということで馬籠宿スタートで案内します。

妻籠宿の第2駐車場に料金500円払って車を停めます。馬籠行きのバスは第1駐車場から出ますがこちらはバス・マイクロ専用になります。

馬籠峠を妻籠宿から越えるか、馬籠宿から越えるか悩む出発地点

写真:和山 光一

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南木曽町新交通システム(地域)通称ツツジ号馬籠線バスの運行は、4月28日〜5月6日、7月7日〜8月31日の間のみ8:42発馬籠行きがありますが、通常は10:12(馬籠10:40着)もしくは妻籠宿の観光や食事をしてからなら12:47(馬籠13:15着)があります。

馬籠峠を妻籠宿から越えるか、馬籠宿から越えるか悩む出発地点

写真:和山 光一

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馬籠バス停の前にあるのが食事・観光物産の馬籠館です。この近くには馬籠宿駐車場があります。馬籠宿だけを観光する場合は、こちらを利用してください。

この向かいからいよいよ馬籠宿がスタートします。

藤村が息づく石畳の坂道に軒を連ねるお店をめぐる「馬籠宿」

藤村が息づく石畳の坂道に軒を連ねるお店をめぐる「馬籠宿」

写真:和山 光一

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江戸日本橋を起点に43番目となる「馬籠宿」は、木曽11宿のひとつで、美濃と信濃の境にあります。街道が山の尾根に沿った急斜面を通っていて、その両側に石垣を築いて屋敷を造っていることから“坂のある宿場”が特徴となっています。

入口近くにある『車屋坂の枡形』と呼ばれるクランクを曲がると急峻な傾斜になります。坂の土砂が流失しないように木曽石と御影石を敷き詰めた石畳の沿道には、宿場時代を彷彿させる軒の低い格子造りの木造の店が約600mにわたって連なり、観光客で賑わっています。明治と大正に大火があり、現在の町並みは、往時の姿を再現しようと整備してできたものというから驚きですね。

藤村が息づく石畳の坂道に軒を連ねるお店をめぐる「馬籠宿」

写真:和山 光一

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島崎藤村生誕の地であり小説『夜明け前』の舞台でもある馬籠宿からは、振り返れば重なりあった宿場の瓦屋根の向こうに美濃(岐阜)の里が見渡せます。

藤村が息づく石畳の坂道に軒を連ねるお店をめぐる「馬籠宿」

写真:和山 光一

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重厚かつ落ち着きのある伝統建築で、地元のもち米で蒸した郷土料理“栗おこわ”が味わえるのが「大黒屋茶房」です。

この店の前身は造り酒屋で、島崎藤村の詩『初恋』のモデルになった「おふゆさん」の生家でもあります。また小説『夜明け前』には名物の栗おこわが登場しています。

<大黒屋茶房の基本情報>
住所:岐阜県中津川市馬籠4255-1
電話番号:0573-69-2504

コースの最高地・標高801mの馬籠峠を目指して上る

コースの最高地・標高801mの馬籠峠を目指して上る

写真:和山 光一

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宿場町を出て、正徳元年(1711)に幕府から出された掟書などが再現された馬籠宿高札場の近くに展望広場があります。見晴台からは、木曽山脈最南部にある恵那山(標高2192m)が望めます。

コースの最高地・標高801mの馬籠峠を目指して上る

写真:和山 光一

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県道7号線と交差しながら石畳の道や石畳の梨の木坂を上り馬籠峠を目指します。道中には『渋皮のむけし女は見えねども 栗のこわめしここ乃名物』と詠んだ十返舎一九の歌碑が佇んでいます。ここには休憩舎やトイレもあり一息つけますよ。

さらに急坂を上ると、かつては馬方や牛方衆の宿として賑わった集落「峠の集落」があります。宝暦12年(1762)の大火以来、災害を免れ現在に至る名前の通り峠の上にある集落には、江戸時代末期の貴重な建築遺構が多く残されています。特に集落の中ほどにある今井家は国の登録文化財に指定されています。

コースの最高地・標高801mの馬籠峠を目指して上る

写真:和山 光一

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馬を集めた所を「馬籠」と呼び、峠の呼び名は木曽の中心地である木曽福島からみて越えた向こう側集落をさしたことから「馬籠峠」と呼ばれるようになりました。

峠の茶屋では、五平餅やそばといったおなじみの郷土料理が並び、間食から昼食にまで利用できます。ここで飲料類を補給するものいいですよ。そのすぐ脇にはひっそりと『白雲や青葉若葉の三十里』と読んだ正岡子規の句碑があります。

のんびりと約6km下りながら名所・旧跡を訪れる

のんびりと約6km下りながら名所・旧跡を訪れる

写真:和山 光一

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馬籠峠を越え「一石栃立場茶屋」に立ち寄ります。立場とは宿と宿との間にあった休憩所とのことで、江戸時代後期に建てられた茶屋を使った無料休憩所です。囲炉裏もあり、ここでお茶を一服いただいて旅人の気分に浸りましょう。

茶屋の隣にある「一石栃白木改番所跡」は寛延2年(1749)から明治2年(1869)まで、尾張藩が伐採禁止木を使った木材などの移動を監視していました。周辺の山はほとんどが尾張藩のもので檜、サワラなどの木曽五木にケヤキを加えた樹種の伐採を無条件で禁止していたのです。

のんびりと約6km下りながら名所・旧跡を訪れる

写真:和山 光一

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男垂川の瀬音を聞きながら心地よい林の中を歩いていきます。県道に出たところからしばらく車道を歩くと「男滝女滝」の大きな案内板があり急坂を下っていきます。木曽に街道が開かれて以来、名所として旅人に親しまれてきた憩いのスポットであり、吉川英治の小説『宮本武蔵』の中で主人公・武蔵とお通のロマンスの舞台となった名勝です。

小川に架かる橋から「女滝」を眺めると滝と森林が織り成す清涼感は格別であり、女滝と比べると水量が多く、迫力のある「男滝」も森に囲まれて涼しげです。滝壺の近くまで下りて間近で見上げると、マイナスイオンを含んだひんやりとした風が顔にあたり心地よいです。

のんびりと約6km下りながら名所・旧跡を訪れる

写真:和山 光一

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下り谷の集落を過ぎ林の中、つづら折りの石畳の道を下ると「大妻籠」という卯達のある旅籠が昔ながらに残っている良い風情の家並みの集落を通ります。中にはご婚約前の秋篠宮妃紀子様が大学のサークル活動で合宿された民宿もあります。

さらに心地よい山道を下れば、木曽川の支流。蘭川の谷に今回の終点、妻籠宿があります。

江戸時代の風情を色濃く残す宿場町「妻籠宿」

江戸時代の風情を色濃く残す宿場町「妻籠宿」

写真:和山 光一

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中山道69次のうち江戸から数えて42番目となる「妻籠宿」は、江戸時代末期の家屋が立ち並び、その趣は風雪に耐え時代を乗り越えてきた風情を色濃く残しています。昭和51年(1976)には国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

特に写真の「寺下の町並み」は日本で最初に宿場保存事業が行われた妻籠宿保存の原点ともいうべき町並みです。このエリアは一段高くなっているのが特徴で、水害にあった経験から道がかさあげされています。

江戸時代の風情を色濃く残す宿場町「妻籠宿」

写真:和山 光一

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江戸時代の初めに制定された宿場は、一種の城塞の役割を持たされて整備され、宿場の出入口には必ず敵の進入を防ぐため鉤形に曲がった道“枡形”が設けられました。この妻籠宿の枡形はよく当時の姿を伝えています。

出梁造りや堅繁格子など旅籠風の家並みが約800mにわたり軒を連ねます。中山道と伊那街道が交差する交通の要綱として古くから賑わいを見せていた街道筋には曲げ物や木櫛、五平餅、栗菓子といった“木曽もの”の店が目白押しに並んでいますよ。

江戸時代の風情を色濃く残す宿場町「妻籠宿」

写真:和山 光一

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築100年の町家を改装した格子戸の美しい甘味処が「茶房 ゑびや」です。妻籠宿で一番古い茶房で、格子の窓越しに宿場を眺めながら座敷で甘味が楽しめます。

小豆から炊いて作る自家製のあんと栗を使った栗ぜんざいや栗あん汁粉、県内産の寒天を使ったクリームあんみつなど、約8kmの峠越えで疲れた体と心が喜ぶメニューですよ。

<茶房 ゑびやの基本情報>
住所:長野県木曽郡南木曽町吾妻2176-1
電話番号:0264-57-3054

木曽路馬籠・妻籠の二大宿場町を結ぶ峠道を楽しむ

島崎藤村が小説『夜明け前』の冒頭で“木曽路はすべて山の中である”と記した通りの風景は今も変わっていません。そのままの木曽の自然に抱かれて歩く木曽路の拠点であり、江戸時代さながらに宿場情緒が漂っているのが妻籠宿と馬籠宿です。

アクセスは、車利用の場合は中央自動車道中津川ICから国道19号経由が便利ですが、電車利用の場合は妻籠宿へJR中央本線南木曽駅からバスで7分、馬籠宿へはJR中央本線中津川駅からバスで25分です。妻籠〜馬籠間は馬籠峠経由でバスで30分です。

今回紹介したのは、体力に自信のあるお元気な方向けの約8kmハイキングコースですが、体力と時間のない方は、馬籠(妻籠)から峠までバスで行って下り坂のみ歩いてみることもできますよ。

2018年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/09/23 訪問

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