「鉱石の道」のメインとなる施設は「生野銀山」。戦国時代に発見され、昭和48年まで1200年の長きにわたって採掘が続けられました。閉山後の現在は観光施設として営業しており、1kmにわたる観光坑道や露天掘りの跡を見学することができます。
生野銀山の観光坑道は展示がとても充実しています。特にたくさんのマネキンを使った当時の採掘作業の再現はリアルでついつい見入ってしまいます。実は生野銀山では非常にユニークなイベントをしており、60体あるマネキンに名前とプロフィールを与え、超地下アイドル「銀山ボーイズ」として売り出しているのです。シングルを発表し、総選挙を行ったりしています。自分の好きなアイドルに坑道に入ればどこかで会える。とても面白い企画です。
生野銀山の観光坑道は当時の様子がかなり残されていることも大変魅力です。中でも地下880mまで降りるエレベータを動かしていた巨大な巻き上げ機が、当時の姿のまま保存されていることには驚きです。
坑道内を歩く距離は約1kmと長いですが、ベビーカーや車いすでも入ることができるほど歩きやすく、ペット連れでもOKです。
生野銀山には観光坑道以外にも見学できる施設がいくつかあります。生野銀山の歴史や仕様されていた機械が展示されている「鉱山資料館」、江戸時代の精錬所の作業を紹介する「吹屋資料館」などです。
往復30分かけて階段と林道を歩きますが、「坑道外コース」として江戸時代の露天掘りと行動を見学できるルートも設定されています。観光坑道のように作業の再現などはありませんが、江戸時代に人間の手だけで掘った鉱山採掘の跡を間近で見ることができます。
生野銀山から退場しても、駐車場にも見どころがあるので見逃さないでおきましょう。坑道内を走ったトロッコの現物が保存されており、またその近くには坑道の入口があり、入ることはできませんが内部をうかがうことができます。この先にも300mを超える地下に続く立坑があるそうです。
<生野銀山の基本情報>
住所:兵庫県朝来市生野町小野33-5
電話番号:079-679-2010
料金:大人900円、中高生600円、小学生400円
休業日:2月〜2月の3ヶ月間のみ毎週火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日)
営業時間:
(4月〜10月)9:00〜17:30
(11月)9:00〜17:00
(12月〜2月)9:30〜16:30
(3月)9:30〜17:00
※最終入坑は40分前まで
アクセス:播但連絡道路・生野ICもしくは生野北第一ICより約10分
「明延鉱山」から採掘された鉱石を「神子畑選鉱所」や「生野精錬所」まで輸送するため1886年から2年の歳月をかけて約16kmの鉱石運搬道路が建設されたのが「鉱石の道」です。生野銀山から神子畑選鉱所に車で向かうと、途中に遺構として現在も残る「神子畑鋳鉄橋(みこはたちゅうてつきょう)」を見ることができます。
鉱石の運搬に使われた道は今はありませんが、川にかかる橋は当時のままの姿で残っています。この神子畑鋳鉄橋は日本に現存している全鋳鉄製の橋としては最も古いもので、重要文化財に指定されています。
橋が渡る神子畑川にも古い石垣が組まれており、かつてこの付近に様々な施設があったことを伺い知れます。川原に下りて、石の上を渡りながらですが橋の下に入ることが可能です。橋の真下から見るとその構造がよくわかります。橋の部品を型に流し込んだ鉄から作り出し、組み上げた橋なのです。
<神子畑鋳鉄橋の基本情報>
住所:兵庫県朝来市佐嚢字水田
電話番号:079-672-4003(朝来市役所産業振興部観光交流課)
営業時間:見学自由
休業日:無休
料金:無料
アクセス:播但連絡有料道路・朝来ICより車で約10分
「神子畑選鉱所」は山向こうの「明延鉱山」で採掘された鉱石の選鉱所として栄えておりましたが、昭和62年に閉鎖となり、現在は選鉱所の堅牢な土台とその上下を往き来したインクラインのレールとその操作室だけが残っています。選鉱所は幅110m、長さ165m。高低差は75mにもおよび、その規模は東洋一だったそうです。最盛期は昼夜問わず24時間フル稼働しており、不夜城と呼ばれていました。
内部に立ち入ることはできませんが、間近から選鉱所跡の姿を見ることができます。シックナーの下には、かつてその大掛かりな装置を作動させたであろう機械の一部が今も残っています。稼働停止より30年以上が経過し、廃墟のようになっていますが、かつての栄華を今もなお感じることができます。
明治時代にフランスより招かれた鉱山技師の居宅「ムーセ旧居」も残されており、資料館として開放されています。明治時代の洋風建築としても見ごたえがあります。
また6Kmにも及ぶトンネルで山向こうの明延鉱山から鉱石や人を運んだ「一円電車」も敷地内に展示されており、敷地に隣接して神子畑小学校跡があるなど、見どころがいっぱいの場所です。
<神子畑選鉱所跡の基本情報>
住所:兵庫県朝来市佐嚢1826番地1
電話番号:079-677-2111(あさご観光協会)
料金:無料
休業日:年中無休(ムーセ旧居は土日祝のみ、12/29〜2月末は休館)
営業時間:10:00〜17:00(ムーセ旧居)
アクセス:播但連絡有料道路・朝来ICより自動車で約15分
県道6号線で明延鉱山区に入るとすぐに「探検坑道」があります。探検行動の見学は通常要予約が必要。4月第二日曜日から10月末の日曜日は予約なしで見学できます。公開されている探検坑道は総延長650m。立坑跡とエレベーター、鉱山機械、削岩機など当時と同じ姿で展示されています。
明延鉱山跡へ向かう道沿いに残る公衆浴場の「第一浴場跡」が残っています。かつて鉱山関係者の人口が4000人を超えていた一帯には6箇所の公衆浴場があり、入浴料は無料だったそうです。現在は明延鉱山に関する資料の保管(不定期に開放)されています。
明延鉱山の歴史は古く、奈良時代に東大寺の大仏鋳造のための銅を献上したと伝えられています。殆どの施設が撤去されましたが、インクラインのレールだけが錆び付きながらも残っています。固く閉ざされた坑道の入口からは地下1000m、総延長550kmの坑道が張り巡らされていました。
<明延鉱山跡の基本情報>
住所:兵庫県養父市大屋町明延
電話番号:079-668-0258(養父市立あけのべ自然学校)
料金:無料(探検行動は大人1200円、子供600円)
休業日:探検行動は3日前までに予約要
※4月第2日曜〜11月第1日曜までの毎日曜日は予約不要
営業時間:10:00〜15:00(探検行動)
アクセス:
北近畿豊岡自動車道養父ICより県道6号線を約40分
播但連絡有料道路・朝来ICより県道6号線を約45分
鉱山の道の見学は車で訪れることが前提です。生野銀山と神子畑選鉱所は高速道路のインターチェンジから程近いのですが、明延鉱山は山の中をかなり走ります。ドライブが苦手なら明延鉱山を竹田城に変えても遺跡探検の気分を濃厚に味わえます。その場合、季節によっては雲海が出現し、まだ混んでいない朝に竹田城へ訪れることがオススメです。
2018年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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