写真:乾口 達司
地図を見る国営飛鳥歴史公園(こくえいあすかれきしこうえん)は、奈良県明日香村に設置されている国営公園です。明日香村に点在する貴重な歴史遺産や風土の保存・活用を目的として1971年に着工。現在までに祝戸地区・石舞台地区・高松塚地区・甘樫丘地区・キトラ古墳周辺地区が整備されています。今回、ご紹介するキトラ古墳周辺地区は2016年の秋にオープン。5地区のうち、もっとも新しい国営公園です。
その盟主的な存在こそキトラ古墳。上段の直径9.4メートル、高さ2.4メートル、下段の直径13.8メートル、高さ90センチメートルから成る二段築造の円墳で、内部に横口式石槨を持ち、その壁面には四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)や天文図などが描かれています。
壁画が発見されたのは、1983年のこと。しかし、壁画の劣化等を危惧した国は壁画の剥ぎ取りを決断。剥ぎ取りの成功後は墳丘自体も築造当時の姿に復元されました。
写真:乾口 達司
地図を見るキトラ古墳とその壁画についての概要は、キトラ古墳のすぐ下にある「キトラ古墳壁画体験館四神の館」で学ぶことが出来ます。写真はキトラ古墳の石室の原寸大の模型。この規模の石室の内部に壁画が描かれたことが具体的に理解出来ますよ。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらは石室の天井に描かれていた天文図を模した意匠。キトラ古墳の天文図がどのような星々の配置によって成り立っているかがわかります。
写真:乾口 達司
地図を見るもう一つ、忘れてならないのは、当地が渡来人の数多く暮らしたところであるということ。そのことは園内に隣接する「於美阿志神社(おみあしじんしゃ)」からもうかがえます。
於美阿志神社の鎮座する地は「檜隈寺(ひのくまでら)」と呼ばれる古代寺院があったところ。檜隈寺は渡来系氏族である「東漢氏(やまとのあやのうじ)」の氏寺とされています。創建は7世紀後半。発掘調査の結果、塔を挟んで南に金堂、北に講堂が位置していたことが判明しています。このような配置は非常に珍しいもので、いまでも建物を支えていた礎石群が残されています。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらの十三重石塔(国の重要文化財)は平安時代のもの。この十三重石塔が立つところに創建当初の搭が建てられており、当時の心礎や四天柱の礎石も残されています。
写真:乾口 達司
地図を見る講堂のあった付近を散策すると、ご覧のような瓦の破片を見つけることが出来ます。表面に布目模様が見られる瓦は古代の技法で焼かれたもので、古代瓦はそれを大量に積み上げて造った瓦積基壇の一部と考えられています。
写真:乾口 達司
地図を見る丘陵地を整備する形で整備された関係上、キトラ古墳周辺地区からは明日香村の各地を眺めることが出来ます。
とりわけ、ご覧いただきたいのが、こちらの写真。画面中央に見えているのが、キトラ古墳と並んで良く知られる高松塚古墳(たかまつづかこふん)。同じく彩色壁画を有する終末期古墳です。キトラ古墳周辺地区を散策した後は、その足で高松塚古墳まで足をのばしてみてはいかがでしょうか。
国営飛鳥歴史公園キトラ古墳周辺地区の魅力、おわかりいただけたでしょうか。古代のロマンを感じるのに格好の公園ゆえ、明日香村を訪れたらキトラ古墳周辺地区まで足をのばし、キトラ古墳や渡来人の里の魅力をご堪能ください。
場所:奈良県高市郡明日香村大字阿部山
電話番号:0744-54-2441(国営飛鳥歴史公園飛鳥管理センター)
アクセス:近鉄飛鳥駅より徒歩約20分
2018年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/29更新)
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