上野山に散った彰義隊士が眠る!東京荒川区・円通寺

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上野山に散った彰義隊士が眠る!東京荒川区・円通寺

上野山に散った彰義隊士が眠る!東京荒川区・円通寺

更新日:2018/10/09 21:27

井伊 たびをのプロフィール写真 井伊 たびを 社寺ナビゲーター、狛犬愛好家

「上野山」とは現在“上野公園”があるあたりのこと。江戸時代は将軍家の墓所とされ、増上寺と並び権威を誇った“寛永寺”があった。明治時代の夜明け前、この寛永寺に立て籠もる「彰義隊」は、新政府軍により、わずか1日で壊滅した。円通寺には、その戦いの激しさを物語る「旧上野の黒門」が移設されている。栄華を誇った徳川幕府の終焉が始まった史跡ともいえる。そのとき、戦死した彰義隊士は、当寺にて手厚く葬られている。

全長12mの“聖観世音菩薩”が出迎えてくださる

全長12mの“聖観世音菩薩”が出迎えてくださる

写真:井伊 たびを

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東京メトロ日比谷線「三ノ輪駅」の3番出口を出れば、明治通りと昭和通りが交差する「大関横丁」という交差点である。昭和通りは、ここから東北方面へと向かう「国道4号線」に合流する。

その4号線を北へ5分ほど歩いた左手に、今回ご案内しょうとする「円通寺」がある。空に向かってスクッと立つ、全長12mの“聖観世音菩薩像(しょうかんぜおんぼさつぞう)”が、出迎えてくださる。

円通寺は山号を「補陀山」と称し、曹洞宗の寺院で、本尊は“聖観世音菩薩”である。聖観世音菩薩は、「観音経」にある七難という、外から身に降りかかる災難から守ってくださる。

全長12mの“聖観世音菩薩”が出迎えてくださる

写真:井伊 たびを

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寺伝によれば当寺は、791年(延暦10年)坂上田村麻呂が開創したとされ、後に八幡太郎の名で有名な源義家が再建したとされている。

全長12mの“聖観世音菩薩”が出迎えてくださる

写真:井伊 たびを

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江戸時代には、下谷の広徳寺や、入谷の鬼子母神とともに「下谷の三寺」と呼ばれ、現代でも多くの参詣者が訪れている。

また、秩父、坂東、西国霊場の百体の観音様を安置した観音堂があったことから「百観音」の通称で親しまれていたが、お堂は1866年(安政2年)の大地震で、大部分が倒壊してしまった。現在では33体だけ本堂に安置されている。

境内には、石造りの「七重塔」や「彰義隊士(しょうぎたいし)の墓」、1296年(永仁4年)銘をはじめとする、荒川区指定文化財である「板碑四基」などがある。

歴史の証人である「旧上野の黒門」

歴史の証人である「旧上野の黒門」

写真:井伊 たびを

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1868年(慶応4年)5月15日、大村益次郎が指揮する新政府軍により、「上野山」の寛永寺に立て籠もる「彰義隊(しょうぎたい)」に総攻撃が開始された。だが、わずか1日で彰義隊は壊滅したという史実がある。

境内にはその証人ともいえる「旧上野の黒門」が、1907年(明治40年)に移設されている。元々は「上野山」の寛永寺にあったもの。荒川区指定の有形文化財であり、歴史資料でもある。

ちなみに、「上野山」とは、東京都台東区にある、通称“上野公園”とも呼ばれる「上野恩賜公園(うえのおんしこうえん)」一帯の台地のこと。江戸時代は将軍家の墓所とされ、増上寺と並び権威を誇った寛永寺があった。

歴史の証人である「旧上野の黒門」

写真:井伊 たびを

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「黒門」のそこかしこに残る凄まじい弾痕は、まるで蜂の巣のよう。いかに激しい戦いだったかを、見る者に語りかけてくる。この時の戦いは、「上野戦争」として史実に残っている。この門あたりが、この戦いでの最大の激戦地であった。

移設されているので、当時の実際の場所とは違うのだが、この門の周囲で大勢の彰義隊士が命絶えたと思うと、感慨に浸るばかりだ。栄華を誇った徳川幕府の終焉が、始まった場所ともいえるだろう。

また、境内の左奥には「彰義隊士の墓」がある。この戦いで戦死した266体の遺体は「上野山」で荼毘に附し、ここ「円通寺」に埋葬された。そして現在は、荒川区史跡に指定されている。

「首塚」と「七重の石塔」

「首塚」と「七重の石塔」

写真:井伊 たびを

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境内の一角に「首塚」がある。平安時代のこと、源義家が奥羽征伐にて賊首四十八をこの地に埋め、「四十八塚(首塚)」を築いたのだ。これにより、この地が「小塚原」と呼ばれている。

その首塚の上に建っているのが、この寺の由緒「重興圓通寺記幵塔銘」が刻んである、七重の石塔である。その台座の脇には、1296年(永仁4年)10月銘ほかの「板碑4基」がある。ともに、荒川区指定有形文化財である。

出迎えてくれる山門横にいる狛犬

出迎えてくれる山門横にいる狛犬

写真:井伊 たびを

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小柄ながら存在感のある狛犬だ。雄ライオンの鬣をも彷彿とさせる、オシャレなアフロヘア!?とても愛くるしい!

出迎えてくれる山門横にいる狛犬

写真:井伊 たびを

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鉄柵沿いにいるので、非常に写真が撮りにくい。狛犬愛好家泣かせであるが、狛犬愛好家にはファンが多い狛犬である。

当寺への参詣時、もしもお時間に余裕があれば、すぐ近くの「素盞雄神社」にもお参りされることをお薦めする。
※「素盞雄神社」については、別の記事に詳しくまとめているので、記事下の関連MEMOをご参照のこと。

円通寺の基本情報

住所:東京都荒川区南千住一丁目59番11号
電話番号:03-3891-1368
アクセス:東京メトロ・日比谷線「三ノ輪駅」3番出口から歩いて5分

2018年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/05/20 訪問

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