港の景色と楽しむ!横浜みなとみらい21地区の臨港線廃線跡群

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港の景色と楽しむ!横浜みなとみらい21地区の臨港線廃線跡群

港の景色と楽しむ!横浜みなとみらい21地区の臨港線廃線跡群

更新日:2018/10/09 21:10

清水 克樹のプロフィール写真 清水 克樹 フォトライター

開港から150年以上の歴史を持つ横浜港。港に面する地区は近年の再開発により横浜みなとみらい21と呼ばれ、近代的なビル群や歴史的建造物が立ち並ぶ横浜の文化の中心地となっています。周辺には汽車道をはじめとするかつて横浜港の物流を支えた貨物線の跡地が整備され、保存されている場所が多くあります。今回は横浜を訪れた際にぜひとも見ておきたい、横浜みなとみらい21地区周辺の廃線跡を紹介します。

横浜みなとみらい21のプロムナード、汽車道

横浜みなとみらい21のプロムナード、汽車道

写真:清水 克樹

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JR桜木町駅前と赤レンガ倉庫などがある新港地区を結んでいる横浜みなとみらい21地区のプロムナードである汽車道。この遊歩道はかつて横浜港へ続いていた貨物線の跡地が利用されています。

臨港線とよばれたこの路線は横浜港の埠頭の整備とともに明治44年に開通、横浜駅と横浜港周辺を結ぶ路線として周辺に多くの支線が広がり、横浜港から多く水揚げされる貨物輸送に貢献していましたが、貨物のトラック輸送への移行などによって貨物線による輸送量が低下、昭和61に路線は廃止となりました。その後、人工島と鉄橋で結ばれる貨物線の一部が平成9年に遊歩道として整備され、現在は汽車道として多くの人々に親しまれています。

横浜みなとみらい21のプロムナード、汽車道

写真:清水 克樹

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現在では横浜みなとみらい21へのアクセスだけでなく景観を楽しむことができる汽車道ですが、明治時代に建設された鉄道の跡としてその産業的価値は非常に高く、三ケ所ある鉄橋もすべて近代化産業遺産群33及び横浜市認定歴史的建造物に認定されています。

鉄橋に張り付けられている銘板を見ると、いずれの鉄橋も現在から110年以上前にアメリカやイギリスで制作されていることが示されており、貴重な産業遺産だということが窺い知ることができます。

横浜みなとみらい21のプロムナード、汽車道

写真:清水 克樹

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臨港線が廃止後に整備された汽車道ですが、その歴史的遺産としての価値を見出しながら、優れた歩行者空間が創り上げられているという点から土木学会デザイン賞2001において最優秀賞を受賞しています。この汽車道は古き良き建築物が現在の都市景観の中に溶け込んでいる美しい廃線跡と言えます。

<汽車道の基本情報>
住所:神奈川県横浜市中区新港2丁目、西区みなとみらい2丁目
アクセス:JR桜木町駅から徒歩約5分

赤レンガパーク周辺に広がる廃線跡

赤レンガパーク周辺に広がる廃線跡

写真:清水 克樹

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臨港線と呼ばれた貨物線は横浜港周辺に多くの支線が展開されていました。そのため横浜みなとみらい21周辺には、汽車道の他にも所々に臨港線の名残が残されています。

汽車道を新港地区に歩いていくとやがて線路は道路に分断される形で途切れていますが、その先の新港中央広場には赤レンガ倉庫へ続く線路がタイルによって表現されています。線路はかつてここで横浜港方面や山下埠頭方面へと分岐していました。

赤レンガパーク周辺に広がる廃線跡

写真:清水 克樹

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横浜港周辺の観光スポットとして人気の赤レンガ倉庫。この倉庫群も横浜港の開発とともに明治から大正時代に建設され、国外から輸入した荷物を保管する保税倉庫として利用されてきました。そのため、倉庫に沿って多くの貨物線の引き込み線が敷設されており、ここからの貨物を運び出す列車が行き来していました。

赤レンガ倉庫は平成元年に倉庫としての役割を終えましたが、その後の再開発により現在は赤レンガパークとして商業施設などに整備されました。貨物線跡も写真のように歩道や広場に線路が埋め込まれる形で残されています。

赤レンガパーク周辺に広がる廃線跡

写真:清水 克樹

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赤レンガパークから山下公園方面に向かう道路に架けられた鉄橋。新港橋梁と呼ばれるこの鉄橋も臨港線に使用されていたものです。日本国内で製造され大正元年に架設、トラス橋と呼ばれる種類の鉄橋では初期のものになり、現在は歩行者用の橋として使用されています。

<赤レンガパークの基本情報>
住所:神奈川県横浜市中区新港1-1
アクセス:JR桜木町駅から徒歩約15分、みなとみらい線馬車道駅から徒歩約6分

かつての国際航路の玄関口、横浜港駅跡

かつての国際航路の玄関口、横浜港駅跡

写真:清水 克樹

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赤レンガパークの中で保存されている横浜港駅のプラットホームの跡。横浜港駅は新港埠頭からの貨物を横浜駅へと輸送する拠点として明治時代に建設、大正9年には旅客も扱う正式な駅として開業しました。新港埠頭からはアメリカのサンフランシスコへ向かう国際航路の客船が出ており、かつては東京駅と横浜港駅の間で旅客船への連絡列車、通称ポートトレインが運行されていました。

かつての国際航路の玄関口、横浜港駅跡

写真:清水 克樹

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戦後になると海外への移動手段は客船から航空機にその座が移り始め、昭和35年に氷川丸のシアトルに向けての最終出航を最後にポートトレインの運行も終了、その後続けられた貨物取り扱いの駅としての使命も臨港線の歴史とともに閉じられました。

現在は赤レンガパークの休憩施設として僅かながらに残されたプラットホームから、かつての国際航路の玄関口として栄華を極めた時代を感じることができます。

<横浜港駅跡の基本情報>
住所:神奈川県横浜市中区新港町(赤レンガパーク内)
アクセス:JR桜木町駅から徒歩約15分、みなとみらい線馬車道駅から徒歩約6分

横浜港を一望する高架橋、山下臨港線プロムナード

横浜港を一望する高架橋、山下臨港線プロムナード

写真:清水 克樹

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横浜港に多くの支線を持った臨港線ですが、さらにそこから山下公園を経由し山下埠頭へ伸びていた山下臨港線という貨物支線が存在しました。赤レンガパークから山下公園へのアクセスとして使われる遊歩道、山下臨港線プロムナードがその名残となります。

横浜港を一望する高架橋、山下臨港線プロムナード

写真:清水 克樹

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山下臨港線は昭和40年開通と比較的新しい貨物支線でしたが、昭和61年には臨港線とともに廃止された短命な路線でした。建設前から線路が山下公園を突っ切るということで景観が損なわれると問題になり、廃線後も山下公園内の高架橋は撤去されました。しかし、新港地区の横浜税関付近から山下公園の端までの高架橋は残され、平成14年から山下臨港線プロムナードという遊歩道として整備されています。

横浜港を一望する高架橋、山下臨港線プロムナード

写真:清水 克樹

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山下臨港線プロムナードは廃線跡としての魅力も十分高いですが、遊歩道からは横浜港やみなとみらい21地区のビル群、赤レンガ倉庫を一望できる絶景スポットとなっています。

<山下臨港線プロムナードの基本情報>
住所:横浜市中区海岸通
アクセス:みなとみらい線日本大通り駅から徒歩約5分

横浜みなとみらい21の景色の一部となった臨港線の痕跡たち

メジャーなお出かけスポットとして知られる横浜みなとみらい21地区ですが、そこには横浜港の歴史を支えた鉄道の痕跡が確かに存在しています。今度、横浜を訪れる機会があればこうした鉄道が紡いできた歴史を感じながら、港の景色を楽しみつつ散策してみてはいかがでしょうか。

2018年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/10/01 訪問

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